医療法に基づき高度医療の提供とそれに関する研修を実施する医療施設はどれ か。
公式正答:2
解説
医療法にもとづき、高度医療の提供とそれに関する研修を実施する医療施設を問う。特定機能病院である。
この問題で問われていること
病院の種別ごとの役割を区別できるか。
しくみから理解する
特定機能病院は、①高度の医療の提供、②高度の医療技術の開発と評価、③高度の医療に関する研修、の3つを担う病院として、医療法に定められる。承認するのは厚生労働大臣になる。要件=①400床以上、②原則として16以上の診療科、③紹介率と逆紹介率の基準、④集中治療室、無菌病室、医薬品情報管理室などの設備、⑤医師、看護師等の人員配置が一般の病院より手厚い、⑥医療安全管理体制の充実(医療安全管理責任者の配置、専従の職員、監査委員会の設置など)。大学病院の本院と、国立がん研究センターなどが承認されている。
選択肢ごとの確認
診療所は、入院施設を有しないもの、または19人以下の入院施設を有するものになる。
地域医療支援病院は、①紹介患者への医療の提供、②施設と設備の共同利用、③救急医療の提供、④地域の医療従事者への研修、を担う。承認するのは都道府県知事になる。原則200床以上。「地域の医療機関を支援する」病院であり、高度医療の提供を主たる役割とはしない。
臨床研究中核病院は、①特定臨床研究の計画と実施、②他の医療機関と共同で行う特定臨床研究の主導、③他の医療機関に対する相談と情報の提供、④特定臨床研究に関する研修、を担う。承認するのは厚生労働大臣になる。革新的な医薬品と医療機器の開発を推進するために設けられた種別で、2015年から制度化された。「研究」を主たる役割とする点が、特定機能病院と異なる。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
3つの種別を、役割と承認者で整理する。①特定機能病院=高度医療の提供・開発・研修。厚生労働大臣。400床以上。②地域医療支援病院=紹介患者、共同利用、救急、研修。都道府県知事。200床以上。③臨床研究中核病院=臨床研究の実施と主導。厚生労働大臣。誤肢のうち、③と④は最も紛らわしい。「高度な医療を提供する」のが特定機能病院、「臨床研究を推進する」のが臨床研究中核病院になる。
理解を深める
医療提供体制を整理する。医療法の病院の種別=①一般の病院、②特定機能病院、③地域医療支援病院、④臨床研究中核病院。病床の区分=精神、感染症、結核、療養、一般の5種類。医療計画=都道府県が策定する。①5疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患)、②6事業(救急医療、災害時における医療、新興感染症等の感染拡大時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療)、③在宅医療、について、それぞれの体制を定める。加えて、基準病床数、医師の確保、そして外来医療の提供体制を定める。地域医療構想=2025年に向けて、①高度急性期、②急性期、③回復期、④慢性期、の4つの機能ごとに、必要な病床数を推計し、医療機関の機能の分化と連携を進める。医療機能の連携=①救急医療(初期=休日夜間急患センターと在宅当番医、二次=入院を要する救急、三次=救命救急センター。重篤な患者に対応する)、②周産期医療(総合周産期母子医療センターと地域周産期母子医療センター)、③小児医療、④がん医療(がん診療連携拠点病院)、⑤災害医療(災害拠点病院)、⑥へき地医療(へき地医療拠点病院、へき地診療所)。かかりつけ医の機能=①日常的な診療、②健康管理と相談、③専門医療機関への紹介、④在宅医療、⑤介護との連携。紹介状なしで大病院を受診した場合の定額負担は、機能の分化を進めるための仕組みになる。看護に関わる意味=①患者がどの機能の施設にいるかにより、看護の役割が異なる、②機能をまたぐ移行(急性期から回復期へ、病院から在宅へ)の支援が重要になる、③地域の資源を把握し、つなぐ力が求められる。
間違えやすい考え方
施設の役割を問う型で、誤肢に紛らわしい種別が置かれる。役割と承認者の対で切る。
5分で振り返る
①特定機能病院=高度の医療の提供、高度の医療技術の開発と評価、高度の医療に関する研修。承認は厚生労働大臣。400床以上、原則16以上の診療科。②地域医療支援病院=紹介患者への医療、施設と設備の共同利用、救急医療、地域の医療従事者への研修。承認は都道府県知事。原則200床以上。③臨床研究中核病院=特定臨床研究の計画と実施、他機関の主導、相談と情報の提供、研修。承認は厚生労働大臣。④診療所は、入院施設なし、または19人以下。⑤病床の区分は5種類(精神、感染症、結核、療養、一般)。⑥医療計画は都道府県が策定し、5疾病6事業と在宅医療の体制を定める。⑦地域医療構想は、高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4機能で病床を推計する。
1分チェック
- 高度医療の提供と研修を担うのは。→ 特定機能病院(厚生労働大臣が承認)。
この問題に対応する教材の確認中です。