フィジカルアセスメントにおいて触診で有無を判断するのはどれか。
公式正答:4
解説
フィジカルアセスメントにおいて、触診で有無を判断するものを問う。リンパ節の腫脹である。
この問題で問われていること
診察の技法ごとに、何が分かるかを区別できるか。
しくみから理解する
リンパ節の腫脹は、指腹で軽く円を描くように触れて、①大きさ、②硬さ、③可動性、④圧痛、⑤表面の性状、⑥左右差を確認する。触診でしか判断できない所見になる。触れる部位は、後頭部、耳介前後、顎下、頸部、鎖骨上、腋窩、肘、そして鼠径になる。所見の意味=①柔らかく、可動性があり、圧痛を伴う=炎症と感染、②硬く、可動性が乏しく、痛みがない=悪性腫瘍を疑う(とくに鎖骨上窩のリンパ節)。
選択肢ごとの確認
腱反射は、打腱器で腱を叩き、その反応(筋の収縮)を見る打診の技法になる。膝蓋腱、アキレス腱、上腕二頭筋腱、上腕三頭筋腱、そして腕橈骨筋腱で行う。
瞳孔反射は、ペンライトで光を当て、瞳孔の縮小を見る視診の技法になる。直接対光反射と間接対光反射を確認する。
腸蠕動運動は、聴診器を腹部に当てて、腸雑音を聴く聴診の技法になる。①正常=5〜15秒に1回程度、②亢進=下痢、腸閉塞の初期、③減弱と消失=麻痺性イレウス、腹膜炎(1分以上聴取できなければ減弱、5分以上で消失とする)、④金属音=機械的腸閉塞。
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混同しやすいポイント
4つの技法を、何を用いて何が分かるかで整理する。①視診=目で見る。色、形、動き、左右差、皮膚と粘膜の状態、姿勢、表情。②触診=手で触れる。大きさ、硬さ、可動性、圧痛、温度、湿り、拍動、腫瘤、そして振戦。③打診=叩いて音を聴く。含まれるものの状態(鼓音=空気、濁音=液体と充実性の組織、清音=正常な肺)。加えて腱反射。④聴診=聴診器で音を聴く。呼吸音、心音、腸雑音、血管雑音。誤肢は、それぞれ打診、視診、聴診で判断するものになる。
理解を深める
フィジカルアセスメントを整理する。順序=腹部では、視診→聴診→打診→触診の順に行う(打診と触診を先に行うと、腸の動きが変化し、正しい腸雑音が聴けなくなる)。他の部位では、視診→触診→打診→聴診が基本になる。呼吸のアセスメント=①視診(呼吸数、深さ、リズム、胸郭の動きと左右差、努力呼吸、チアノーゼ、ばち指、姿勢)、②触診(胸郭の拡張、声音振盪、皮下気腫)、③打診(清音=正常、鼓音=気胸と肺気腫、濁音=胸水と無気肺、肺炎)、④聴診(呼吸音の減弱と消失、副雑音=断続性ラ音は水泡音と捻髪音、連続性ラ音は笛音といびき音、そして胸膜摩擦音)。循環のアセスメント=①視診(顔色、チアノーゼ、頸静脈の怒張、浮腫、爪床)、②触診(脈拍の数・リズム・大きさ・左右差、末梢の温度、毛細血管再充満時間、心尖拍動)、③聴診(心音Ⅰ音とⅡ音、心雑音、Ⅲ音とⅣ音)。腹部のアセスメント=①視診(膨隆、陥凹、手術痕、皮膚の変化、静脈の怒張、蠕動の亢進が見えるか)、②聴診(腸雑音、血管雑音)、③打診(鼓音と濁音の分布、肝と脾の大きさ)、④触診(浅い触診から深い触診へ。圧痛、反跳痛、筋性防御、腫瘤、肝と脾の触知。痛みのある部位は最後に触れる)。意識のアセスメント=ジャパン・コーマ・スケール(覚醒の程度を3-3-9度方式で)とグラスゴー・コーマ・スケール(開眼、言語、運動の3項目、合計3〜15点)。基本の姿勢=①患者に説明し、同意を得る、②プライバシーと保温、③手を温める、④痛みのある部位は最後に、⑤左右を比較する、⑥所見を系統立てて記録する。
間違えやすい考え方
技法を問う型で、誤肢が打診・視診・聴診によるものである。何を用いて何が分かるかで切る。
5分で振り返る
①リンパ節の腫脹は触診で判断する。大きさ、硬さ、可動性、圧痛、表面の性状、左右差を確認する。②柔らかく可動性があり圧痛を伴えば炎症と感染、硬く可動性が乏しく痛みがなければ悪性腫瘍を疑う(とくに鎖骨上窩)。③腱反射は打診(打腱器)、瞳孔反射は視診(ペンライト)、腸蠕動運動は聴診による。④腸雑音=正常は5〜15秒に1回程度。亢進は下痢と腸閉塞の初期、減弱と消失は麻痺性イレウスと腹膜炎、金属音は機械的腸閉塞。⑤腹部では、視診→聴診→打診→触診の順に行う(先に触れると腸の動きが変わる)。他の部位は視診→触診→打診→聴診。⑥打診音=鼓音は空気、濁音は液体と充実性の組織、清音は正常な肺。⑦痛みのある部位は最後に触れる。
1分チェック
- 触診で判断するのは。→ リンパ節の腫脹(大きさ、硬さ、可動性、圧痛)。
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