患者の洗髪の介助方法で適切なのはどれか。
公式正答:3
解説
患者の洗髪の介助方法で適切なものを問う。指の腹を使って洗うことである。
この問題で問われていること
頭皮を傷つけずに汚れを落とす方法を説明できるか。
しくみから理解する
洗髪では、指の腹(指腹)を用いて、頭皮を優しくもみ洗いする。理由は、①爪を立てると頭皮を傷つけ、感染と炎症の原因になる、②指腹であれば、適度な圧で頭皮の血行を促し、心地よさも得られる、③毛穴の汚れと皮脂を、こすらずに浮かせて落とせる、になる。加えて、①生え際から後頭部へ向かって系統立てて洗う、②洗い残しやすい部位(耳の後ろ、後頭部、生え際)を意識する、③すすぎを十分に行う(洗浄剤が残ると掻痒と皮膚炎の原因になる)、という点も重要になる。
選択肢ごとの確認
30℃の湯をかけることは適切でない。体温より低く、冷たく感じて不快になり、また身体を冷やす。洗髪の湯温は38〜41℃程度を目安とし、必ず温度計で測り、加えて患者に確認してから使う。
脱脂綿で耳栓をすることも適切でない。脱脂綿は水を吸うため、湯が耳へ入るのを防げない。加えて、湿った綿が外耳道に残ると、感染の原因になる。用いるのは、①青梅綿(脱脂していない綿。水をはじく)、②防水性の耳栓、③タオルとフェイスガードによる保護、になる。
強い振動を加えて洗うことも適切でない。①患者に不快と苦痛を与える、②頸部に負担がかかる(とくに頸椎に問題がある場合は危険)、③頭皮を傷つける、④湯が飛び散る。洗髪は、心地よさをもたらす援助でもあり、強い刺激は目的に反する。
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混同しやすいポイント
誤肢は、①温度が低すぎる、②材質が不適切、③刺激が強すぎる、の3つになる。清潔の援助の原則は、「汚れを落とす」と「心地よさをもたらす」の両立になる。加えて、洗髪は、①頭皮と頭髪の観察の機会(湿疹、傷、しらみ、脱毛、フケ、におい)、②気分の転換、③そして人と接する自信の回復、という意味も持つ。
理解を深める
洗髪を整理する。方法=①洗髪台での洗髪(座位または仰臥位。移動できる場合)、②ベッド上での洗髪(洗髪車、ケリーパッド、そして防水シート)、③ドライシャンプー(湯を使わない。全身状態が不安定な場合、短時間で済ませたい場合)、④蒸しタオルによる清拭。準備=①目的と方法を説明する、②排泄を済ませる、③室温を上げる(22〜24℃以上)、④必要な物品をそろえる、⑤湯温を測る(38〜41℃)、⑥体位と、頸部への負担の確認、⑦眼と耳の保護、⑧襟元をタオルで保護する。実施=①ブラッシングで髪のもつれをほどき、汚れを浮かせる、②湯をかける前に、患者に温度を確認してもらう(首筋など、敏感でない部位から)、③髪全体を十分に濡らす、④洗浄剤を泡立ててから頭皮へ、⑤指腹で、生え際から後頭部へ系統立てて洗う、⑥十分にすすぐ、⑦必要ならもう一度洗う、⑧水分を拭き取り、速やかに乾かす(濡れたままでは体温を奪い、また不快になる)、⑨髪を整える。観察=頭皮の状態、脱毛、フケ、におい、傷、しらみ、そして患者の反応(気分不良、疲労、頸部の痛み)。中止の基準=バイタルサインの変化、気分不良、疼痛、そして疲労。留意点=①体力を消耗するため、状態を見極める、②時間を短く(15〜20分程度)、③保温、④点滴とドレーンの管理、⑤頸椎に問題がある場合は、体位と方法を医師に確認する、⑥化学療法による脱毛がある場合は、抜けた髪を目にすることへの配慮(さりげなく片づける、本人の希望を確認する)。
間違えやすい考え方
手技を問う型で、誤肢が温度・材質・刺激を誤る。汚れを落とすことと心地よさの両立で切る。
5分で振り返る
①洗髪は指の腹(指腹)で頭皮を優しくもみ洗いする。爪を立てると頭皮を傷つけ、感染と炎症の原因になる。②湯温は38〜41℃を目安に、温度計で測り、患者にも確認する。30℃は冷たく身体を冷やす。③耳栓は、脱脂綿ではなく、水をはじく青梅綿または防水性のものを用いる。脱脂綿は水を吸い、湿ったまま残ると感染の原因になる。④強い振動は、不快と苦痛を与え、頸部に負担をかけ、頭皮を傷つける。⑤生え際から後頭部へ系統立てて洗い、耳の後ろと後頭部の洗い残しに注意する。⑥すすぎを十分に行う(洗浄剤が残ると掻痒と皮膚炎の原因になる)。⑦洗髪は、頭皮と頭髪の観察の機会でもある。⑧体力を消耗するため、時間を短く(15〜20分程度)、保温に配慮する。
1分チェック
- 洗髪では。→ 指の腹で洗う(湯温38〜41℃、耳栓は水をはじくもの)。
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