薬物の有害な作用を予測するために収集する情報はどれか。
公式正答:4
解説
薬物の有害な作用を予測するために収集する情報を問う。アレルギーの既往である。
この問題で問われていること
有害な作用を予測できる情報を選べるか。
しくみから理解する
アレルギーの既往は、①その薬剤で以前に反応が起きていれば、再度の投与でより重篤な反応(アナフィラキシー)を起こす危険がある、②同じ系統の薬剤で交差反応が起こりうる、③食物と物質へのアレルギー(卵、ゼラチン、ラテックス、ヨード、造影剤)が、特定の薬剤と検査で問題になる、という理由から、有害な作用を予測するうえで最も直接的な情報になる。したがって、投与の前に必ず確認する。
選択肢ごとの確認
居住地は、薬物の有害な作用の予測には直接結びつかない。ただし、地域による医療へのかかりやすさ、そして通院の負担といった情報としては意味を持つ。
家族構成も、有害な作用の予測には直接結びつかない。ただし、服薬を支える人がいるか、独居か、といった服薬管理の情報としては重要になる。
運動障害の有無も、有害な作用の予測には直接結びつかない。ただし、①薬を自分で取り出し、飲めるか(手指の巧緻性)、②ふらつきのある薬を使う場合の転倒の危険、という点では関連する。
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混同しやすいポイント
誤肢は、いずれも看護に必要な情報だが、「有害な作用を予測する」という目的に対しては直接的でない。有害な作用を予測するために収集する情報=①アレルギーの既往(薬剤、食物、その他)、②過去の副作用の経験、③現在の服薬(処方薬、市販薬、健康食品、サプリメント。相互作用)、④併存疾患(腎機能、肝機能、心機能、呼吸機能、消化性潰瘍、緑内障、前立腺肥大)、⑤年齢と体重、⑥妊娠と授乳、⑦飲酒と喫煙、⑧検査値、⑨過去の同種の薬剤への反応。
理解を深める
与薬の安全を整理する。確認=①6つの正しい(正しい患者、薬剤、量、方法、時間、目的)。加えて、正しい記録、正しい理由、正しい反応を含めて8つ、9つとする考え方もある。②3回の確認(薬剤を取り出すとき、準備するとき、戻すとき/患者に渡す前)。③患者確認(フルネームを本人に名乗ってもらう。ネームバンドと照合する。「〇〇さんですね」と尋ねる形は、違う人が「はい」と答えることがあるため避ける)。アレルギーの確認=①問診(何に、どのような症状が、いつ、どの程度出たか)、②記録への記載と、目立つ表示、③電子カルテへの登録、④患者本人にも、自分のアレルギーを伝えられるようにする(お薬手帳、カード)。アナフィラキシー=①皮膚・粘膜症状に呼吸器、循環器、消化器のいずれかが加わった場合に該当する。加えて、既知のアレルゲンに曝露した後であれば、血圧低下、気管支攣縮、喉頭症状のいずれか単独でも該当する。曝露後の喘鳴や嗄声だけでも成立するため、複数の臓器に及ぶことを条件にしない、②多くは投与後30分以内、とくに5〜15分以内に始まる、③症状=皮膚(蕁麻疹、紅潮、掻痒)、粘膜(口唇と眼瞼の腫脹)、呼吸器(咳、喘鳴、嗄声、呼吸困難)、消化器(腹痛、嘔吐、下痢)、循環器(血圧低下、頻脈、意識の低下)、④対応=ア)直ちに投与を中止する(ルートは残し、生理食塩液へ切り替える)、イ)応援を呼ぶ、ウ)アドレナリンを大腿部の前外側に筋肉内注射する(第一選択。ためらわない)、エ)仰臥位で下肢を挙上する(呼吸困難があれば上体を起こす。急に立たせない)、オ)酸素投与、カ)バイタルサインの監視、キ)二相性反応(数時間後に再燃する)に備えて観察を続ける。投与後の観察=初回の薬剤、造影剤、抗菌薬、そして生物学的製剤では、投与後しばらくそばで観察する。
間違えやすい考え方
情報を問う型で、誤肢が看護に必要だが目的に直結しないものである。有害な作用の予測という目的で切る。
5分で振り返る
①アレルギーの既往は、再投与での重篤な反応、同系統の薬剤との交差反応、そして食物と物質へのアレルギーが特定の薬剤と検査で問題になるため、最も直接的な情報になる。②居住地、家族構成、運動障害も看護に必要な情報だが、有害な作用の予測には直結しない。③予測のために集める情報=アレルギーの既往、過去の副作用、現在の服薬(市販薬とサプリメントを含む)、併存疾患、年齢と体重、妊娠と授乳、検査値。④6つの正しい確認=患者、薬剤、量、方法、時間、目的。⑤患者確認は、フルネームを本人に名乗ってもらう。⑥アナフィラキシーは、多くが投与後30分以内、とくに5〜15分以内に始まる。⑦対応=直ちに中止、応援、アドレナリンを大腿部の前外側に筋肉内注射、仰臥位で下肢挙上、酸素。⑧数時間後に再燃する二相性反応に備えて観察を続ける。
1分チェック
- 有害な作用の予測には。→ アレルギーの既往を確認する。
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