生後から20 歳になるまでの器官の発育発達を示した曲線(Scammon〈スカモン〉 の発育発達曲線)を図に示す。 胸腺の成長を示すのはどれか。
公式正答:1
解説
スキャモンの発育発達曲線において、胸腺の成長を示すものを問う。公式正答は①である。
この問題で問われていること
4つの型の特徴的な形を説明できるか。
しくみから理解する
スキャモンは、器官の発育の様式を4つの型に分けた。胸腺は、リンパ型に属する。リンパ型は、①乳幼児期から急速に発育し、②学童期から思春期の初め(10〜12歳頃)に、成人の水準のおよそ2倍(190%前後)に達し、③その後、思春期を通じて縮小して成人の水準へ戻る、という特徴的な曲線を描く。他のどの型にもない、いったん成人を大きく超えてから下がるという形が、リンパ型の目印になる。
選択肢ごとの確認
②は該当しない。神経型は、脳と脊髄、頭囲、眼などが属する。出生後の早い時期に急速に発育し、4〜6歳で成人のおよそ80〜90%、そして小学校の間にほぼ成人の水準に達する。最も早く完成する型になる。
③も該当しない。一般型は、身長と体重、骨格、筋、呼吸器、消化器、腎、心臓、血管などが属する。乳幼児期に急速に伸び、学童期に緩やかになり、思春期に再び急速に伸びるという、二度の急伸を示すS字型(シグモイド型)の曲線を描く。
④も該当しない。生殖型は、精巣、卵巣、子宮、前立腺などが属する。学童期までほとんど発育せず、思春期に入ってから急激に発育する。
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混同しやすいポイント
4つの型を、形で覚える。①リンパ型=早く伸びて190%前後まで達し、その後下がる(山型)、②神経型=最も早く立ち上がり、早期に100%に近づく、③一般型=二度の急伸を示すS字型、④生殖型=思春期まで平坦で、その後急上昇する。誤肢は、それぞれ神経型、一般型、生殖型になる。
理解を深める
小児の発育を整理する。スキャモンの4型と、それが示すこと=①リンパ型が早期に発達することは、免疫の仕組みが早くから働くことを意味する。同時に、この時期に扁桃とアデノイドが大きく、いびきと閉塞性の症状を起こしやすいことの説明にもなる、②神経型が早期に完成することは、乳幼児期の環境と関わりが、その後の発達に大きく影響することを意味する。加えて、頭囲の計測が、この時期の重要な指標になる理由でもある、③一般型が二度の急伸を示すことは、乳児期と思春期に栄養の需要が高まることを意味する、④生殖型が思春期に急伸することは、第二次性徴の出現と対応する。発育の評価=①成長曲線(縦断的に追う)、②パーセンタイル値、③標準偏差、④カウプ指数(乳幼児)、⑤ローレル指数と肥満度(学童以降)、⑥頭囲(乳児期に重要。大泉門は1歳6か月頃までに閉鎖する)。発育の原則=①連続性(発育は連続するが、速度は一定でない)、②順序性(順序は一定。首がすわる→寝返り→座る→つかまり立ち→歩く)、③方向性(頭部から尾部へ、中心から末梢へ、粗大から微細へ)、④個人差、⑤臨界期(特定の時期に特定の刺激がなければ、その後の発達が困難になる時期がある)。発達の評価=①デンバー発達判定法(個人・社会、微細運動、言語、粗大運動の4領域)、②遠城寺式乳幼児分析的発達検査、③新版K式発達検査、④乳幼児健康診査(1歳6か月、3歳)。看護に関わる意味=①その子の年齢で何ができるかを知り、援助の方法を決める、②発達に応じた説明と関わり、③遊びの選択、④安全(できるようになったことが、そのまま危険にもなる。寝返り→転落、つかまり立ち→やけどと誤飲)、⑤保護者への説明と、不安への対応。
間違えやすい考え方
発育の型を問う型で、誤肢が他の3つの型である。190%まで上がってから下がる形で切る。
5分で振り返る
①スキャモンの4型=リンパ型、神経型、一般型、生殖型。②リンパ型(胸腺、扁桃、リンパ節)=乳幼児期から急速に発育し、10〜12歳頃に成人の約190%に達し、その後縮小して成人の水準へ戻る。③神経型(脳、脊髄、頭囲、眼)=最も早く発育し、4〜6歳で成人の80〜90%に達する。④一般型(身長と体重、骨格、筋、内臓)=乳幼児期と思春期に二度の急伸を示すS字型。⑤生殖型(精巣、卵巣、子宮)=思春期に急激に発育する。⑥リンパ型の早期の発達は、この時期に扁桃とアデノイドが大きく、いびきを起こしやすいことの説明にもなる。⑦発育の原則=連続性、順序性、方向性(頭部から尾部へ、中心から末梢へ、粗大から微細へ)、個人差。⑧大泉門は1歳6か月頃までに閉鎖する。
1分チェック
- 胸腺は。→ リンパ型(10〜12歳頃に成人の約190%まで達し、その後縮小する)。
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