感染症と感染経路の組合せで正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
感染症と感染経路の組合せで正しいものを問う。麻疹と空気感染である。
この問題で問われていること
感染経路を疾患ごとに覚えているか。
しくみから理解する
麻疹は、空気感染(飛沫核感染)する。ウイルスを含む飛沫核が長時間空気中を漂い、離れた場所にいる人にも感染する。感染力は極めて強く、免疫のない人が同じ空間にいれば、ほぼ確実に感染する(基本再生産数は12〜18とされ、あらゆる感染症の中で最も高い部類になる)。したがって、①陰圧室への収容、②医療者はN95マスク、③免疫のない職員は担当しない、という対策が必要になる。
選択肢ごとの確認
結核は接触感染ではなく、空気感染になる。麻疹、水痘とともに、空気感染する3疾患の一つになる。
マラリアは飛沫感染ではなく、ハマダラカによる媒介(ベクター感染)になる。人から人へは直接感染しない(輸血と母子感染を除く)。
インフルエンザは経口感染ではなく、飛沫感染が主になる(接触感染も起こる)。
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混同しやすいポイント
感染経路を、疾患とともに整理する。①空気感染=結核、麻疹、水痘(播種性帯状疱疹を含む)の3つ、②飛沫感染=インフルエンザ、風疹、流行性耳下腺炎、百日咳、マイコプラズマ肺炎、髄膜炎菌、溶連菌、そして多くの呼吸器感染症、③接触感染=ノロウイルス、ロタウイルス、腸管出血性大腸菌、疥癬、多剤耐性菌、クロストリディオイデス・ディフィシル、流行性角結膜炎、単純ヘルペス、④経口感染=食中毒の原因菌、A型肝炎、E型肝炎、腸チフス、コレラ、⑤血液・体液感染=B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス、梅毒、⑥ベクター感染=マラリア、デング熱、日本脳炎、つつが虫病、重症熱性血小板減少症候群、⑦母子感染=風疹、サイトメガロウイルス、トキソプラズマ、B型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス。誤肢は、いずれも経路を取り違えている。
理解を深める
感染成立の要素と対策を整理する。感染が成立する3要素=①感染源(病原体)、②感染経路、③宿主の感受性。対策は、この3つのいずれかを断つことになる。①感染源への対策=早期発見と治療、隔離、消毒と滅菌、そして医療廃棄物の適切な処理、②感染経路への対策=手指衛生(最も重要かつ効果的)、個人防護具、環境の整備、そして経路別の予防策、③宿主への対策=予防接種、栄養と休息、基礎疾患の管理、そして易感染状態への配慮。空気感染への対応=①陰圧室、②N95マスク、③患者にはサージカルマスク、④入室者の制限、⑤免疫のない職員は担当しない、⑥患者の移動を最小限にする。麻疹=①症状=発熱、咳、鼻汁、結膜炎に続き、いったん解熱傾向を示した後、再び高熱とともに発疹が現れる(二峰性)。頬粘膜のコプリック斑が特徴的で、発疹の1〜2日前に現れる、②合併症=肺炎、中耳炎、脳炎、そしてまれに亜急性硬化性全脳炎(感染から数年後に発症し、進行性に神経症状をきたす)、③予防=ワクチン(麻疹風疹混合ワクチン。1歳と、小学校入学前の2回)、④曝露後の対応=72時間以内のワクチン接種、または免疫グロブリンの投与。日本の状況=2015年に世界保健機関から排除状態にあると認定されたが、海外からの持ち込みによる散発例と集団発生が続いており、免疫の維持が課題になる。医療者は、麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘、そしてB型肝炎について、抗体を確認し、必要な接種を受けておくことが求められる。
間違えやすい考え方
組合せを問う型で、誤肢がすべて経路を取り違えている。空気感染の3疾患で切る。
5分で振り返る
①空気感染する主な疾患=結核、麻疹、水痘(播種性帯状疱疹を含む)の3つ。②麻疹の感染力は極めて強く、免疫のない人が同じ空間にいればほぼ確実に感染する。③対策=陰圧室、医療者はN95マスク、患者にはサージカルマスク、免疫のない職員は担当しない。④結核も空気感染。接触感染ではない。⑤マラリアはハマダラカによる媒介(ベクター感染)で、人から人へは直接感染しない。⑥インフルエンザは飛沫感染が主で、接触感染も起こる。経口感染ではない。⑦感染が成立する3要素=感染源、感染経路、宿主の感受性。対策はこのいずれかを断つ。⑧麻疹では、頬粘膜のコプリック斑が発疹の1〜2日前に現れる。合併症に肺炎、脳炎、亜急性硬化性全脳炎。⑨曝露後72時間以内のワクチン接種が有効。
1分チェック
- 麻疹は。→ 空気感染(結核・麻疹・水痘の3つ)。
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