診療記録で正しいのはどれか。
公式正答:1
解説
診療記録で正しいものを問う。看護記録が含まれるである。
この問題で問われていること
診療記録の範囲と、保存の義務を押さえているか。
しくみから理解する
診療記録とは、診療録(医師が記載するもの)に加え、看護記録、処方箋、手術記録、検査所見記録、エックス線写真、そして紹介状などを含む、診療に関する記録の総称になる。したがって、看護記録は診療記録に含まれる。看護記録は、①看護の実践を証明するもの、②継続した看護を提供するための情報源、③他職種と共有する手段、④評価と改善の資料、⑤法的な記録、という意味を持つ。
選択肢ごとの確認
開示を保健所長が行うのではない。診療記録の開示は、医療機関が、本人(または正当な代理人)の求めに応じて行う。個人情報の保護に関する法律にもとづく開示請求権として認められている。ただし、本人または第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合などは、開示しないことができる。
1年間の保存義務ではない。医療法により、診療に関する諸記録(看護記録を含む)は2年間の保存が義務づけられている。診療録(カルテ)は、医師法により5年間の保存が義務づけられている。この2つの年数の違いが、繰り返し問われる。
閲覧が患者本人に限られるのではない。①診療に関わる医療者が、必要な範囲で閲覧する、②本人の同意があれば家族も、③法定代理人、④開示請求に応じて本人または代理人が閲覧できる。加えて、医療の質の向上と研究のために、匿名化したうえで用いられることもある。
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混同しやすいポイント
保存期間を確実に覚える。①診療録(医師)=5年間(医師法)、②診療に関する諸記録(看護記録、処方箋、手術記録、検査所見記録、エックス線写真など)=2年間(医療法)、③助産録=5年間(保健師助産師看護師法)、④エックス線写真=2年間、⑤処方箋=3年間(薬剤師法。薬局における保存)。誤肢は、開示する者、保存期間、そして閲覧できる者を、それぞれ誤っている。
理解を深める
看護記録を整理する。目的=①看護の実践を明らかにする、②継続性と一貫性を保つ、③他職種との情報の共有、④評価と改善の資料、⑤教育と研究、⑥法的な証拠、⑦診療報酬の算定の根拠。記載の原則=①事実を正確に、②その場で(後でまとめて書かない。記憶は変質する)、③客観的に(推測と事実を分ける。「〜と思われる」は、根拠とともに記す)、④本人の言葉はそのまま「」で記す、⑤具体的に(「良好」「不変」だけでは伝わらない。何がどうであったかを書く)、⑥略語は施設で定めたものだけを用いる、⑦訂正は、修正液と塗りつぶしを用いず、二重線を引いて訂正者と日時を記す(消してはならない。改ざんと疑われる)、⑧記載者を明らかにする、⑨追記する場合は、その旨と日時を記す。記録の様式=①経過記録=問題志向型(主観的情報、客観的情報、アセスメント、計画)、フォーカスチャーティング(焦点、データ、行為、反応)、経時記録、②看護計画、③看護サマリー、④温度表、⑤各種のフローシート。書いてはならないこと=①推測を事実として、②他者への非難と主観的な評価、③患者への否定的な表現(「非協力的」「わがまま」ではなく、実際に何があったかを書く)、④関係のない私的な情報。電子カルテの注意=①なりすましの防止(自分の識別情報で入室し、離席時は必ず終了する)、②画面を放置しない、③コピーと貼り付けの安易な使用(前日の記録をそのまま複製すると、実際と食い違う)、④入力の誤りと、選択肢からの選び間違い、⑤持ち出しと外部への送信の禁止。記録は、後から見た人が、その時に何があり、何を考え、何をしたかを再現できるものでなければならない。加えて、記録は患者のものでもあるという意識を持つ(開示されうる前提で書く)。
間違えやすい考え方
制度の正誤を問う型で、誤肢が開示する者・保存期間・閲覧者を誤る。5年と2年の区別で切る。
5分で振り返る
①診療記録=診療録に加え、看護記録、処方箋、手術記録、検査所見記録、エックス線写真などを含む総称。看護記録は含まれる。②診療に関する諸記録(看護記録を含む)は2年間の保存(医療法)。診療録(カルテ)は5年間(医師法)。助産録も5年間(保健師助産師看護師法)。③開示は医療機関が、本人または正当な代理人の求めに応じて行う。保健所長ではない。④閲覧は本人に限られない。診療に関わる医療者が必要な範囲で、また本人の同意があれば家族も閲覧できる。⑤記載の原則=事実を正確に、その場で、客観的に、本人の言葉はそのまま、具体的に。⑥訂正は二重線で行い、修正液と塗りつぶしを用いない。⑦記録は開示されうる前提で書く。
1分チェック
- 診療記録には。→ 看護記録が含まれる(保存は2年、診療録は5年)。
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