小学校の児童が石けんと流水を用いた手指衛生の手技を習得するために最も適切 な学習方法はどれか。
公式正答:3
解説
小学校の児童が石けんと流水を用いた手指衛生の手技を習得するために最も適切な学習方法を問う。手洗い場で体験することである。
この問題で問われていること
学習の目標に応じた方法を選べるか。
しくみから理解する
「手技を習得する」という目標は、知識を得ることではなく、実際に体を動かしてできるようになること(精神運動領域の学習)になる。この領域の学習には、①実際にやってみる、②できているかを確かめてもらう、③繰り返す、という過程が不可欠になる。したがって、実際の手洗い場で、水と石けんを使って体験することが最も適切になる。加えて、洗い残しを可視化する道具(専用のローションと光を当てる装置)を用いれば、自分の洗い方の癖に気づける。
選択肢ごとの確認
動画を視聴することは、①手順を知る(認知領域)ためには有用だが、②実際にできるようになることには直結しない。導入として組み合わせるとよい。
友人と話し合うことも、①関心を高め、②考えを深める(情意領域)には有用だが、手技の習得には直結しない。
養護教諭の話を聞くことも、知識の伝達としては有用だが、同様に手技の習得には直結しない。
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混同しやすいポイント
学習の3領域と、それに適した方法を対応づける。①認知領域(知識、理解)=講義、動画、資料、読書、②情意領域(態度、価値観、意欲)=話し合い、体験の共有、事例の検討、ロールプレイ、③精神運動領域(技能)=実演、模倣、練習、反復、フィードバック。正答③の手洗い場での体験は、精神運動領域に対応する方法である。誤肢は、①④が認知領域、②が情意領域に適した方法になる。目標がどの領域にあるかを見極めることが、方法の選択の鍵になる。
理解を深める
健康教育を整理する。進め方=①対象の把握(年齢、発達、知識、関心、生活、そして既に持っている力)、②目標の設定(誰が、いつまでに、何を、どの程度できるようになるか。領域を明確にする)、③方法の選択(目標の領域に合わせる)、④実施、⑤評価(目標に照らして)。子どもへの健康教育の工夫=①発達に合わせる(言葉、時間の長さ、抽象度)、②具体的に、目に見える形で、③体験を中心に、④楽しく(遊び、歌、劇、ゲーム、キャラクター)、⑤参加できるように(一方的に聞かせない)、⑥できたことを認める、⑦繰り返す、⑧家庭へつなぐ(保護者への働きかけ)、⑨継続する仕組み(習慣になるまで)。手洗いの指導=①なぜ必要かを、その子が分かる形で伝える(目に見えない汚れがあること)、②手順を示す(歌に合わせる、絵で示す)、③一緒にやってみる、④洗い残しを見せる(可視化の道具)、⑤習慣づける場面を決める(外から帰ったら、食事の前、トイレの後)、⑥設備を整える(踏み台、石けん、ペーパータオル)、⑦継続を認める。成人への健康教育との違い=成人では、①これまでの経験を活かす、②自分で決めたいという欲求が強い、③今すぐ役立つことを求める、④問題の解決に関心が向く、という特徴があり(成人学習の考え方)、一方的な指導より、共に考える形が有効になる。行動を変える難しさ=知識があっても行動は変わらない。行動変容の段階(無関心期、関心期、準備期、実行期、維持期)に応じて働きかける方法を変える、自己効力感(できそうだという感覚)を高める、そして環境を整えることが、実際の変化につながる。評価=①学習の直後(理解と、できるか)、②一定期間の後(続いているか)、③結果(健康状態が変わったか)。
間違えやすい考え方
学習方法を問う型で、誤肢が認知と情意の領域に適した方法である。目標がどの領域かで切る。
5分で振り返る
①「手技を習得する」は精神運動領域の学習になる。実際にやってみる、確かめてもらう、繰り返す、という過程が不可欠。②実際の手洗い場で、水と石けんを使って体験することが最も適切。③洗い残しを可視化する道具を用いれば、自分の癖に気づける。④動画の視聴と話を聞くことは認知領域、話し合いは情意領域に適する。手技の習得には直結しない。⑤学習の3領域=認知(知識)、情意(態度と価値観)、精神運動(技能)。目標がどの領域にあるかで方法を選ぶ。⑥子どもへの健康教育=発達に合わせる、具体的に、体験を中心に、楽しく、参加できるように、繰り返す、家庭へつなぐ。⑦知識があっても行動は変わらない。行動変容の段階に応じて働きかけ、自己効力感を高め、環境を整える。
1分チェック
- 手技を習得するには。→ 実際に体験する(精神運動領域)。
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