エアマットレスの使用目的で適切なのはどれか。
公式正答:1
解説
エアマットレスの使用目的で適切なものを問う。体圧分散である。
この問題で問われていること
褥瘡がどう生じるかから、用具の目的を導けるか。
しくみから理解する
褥瘡は、骨突出部の皮膚と組織が、体重により持続的に圧迫され、毛細血管の血流が遮断されることで生じる。エアマットレス(体圧分散寝具)は、①身体と寝具の接触面積を広げることで、単位面積あたりの圧を下げる、②内部の空気の圧を周期的に変える(圧切替型)ことで、同じ部位に圧がかかり続けないようにする、という働きにより、体圧を分散する。したがって、使用の目的は体圧分散になる。
選択肢ごとの確認
体温管理は目的ではない。むしろ、体圧分散寝具は、身体が沈み込むため、①接触面積が増えて熱がこもりやすく、②発汗により湿潤しやすい、という点に注意を要する。湿潤は皮膚を脆弱にし、褥瘡の要因になるため、通気性のある寝具とシーツ、そして観察が必要になる。
関節拘縮の予防も目的ではない。拘縮の予防には、①良肢位の保持、②関節可動域訓練、③早期離床が必要になる。むしろ、柔らかいマットレスでは、身体が沈み込んで自力での体位変換と起き上がりが難しくなり、活動が減ることで拘縮と筋力低下が進むという側面もある。
末梢循環の促進も目的ではない。局所の圧を下げることで、その部位の血流が保たれるという意味はあるが、末梢循環そのものを促進する用具ではない。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
誤肢は、いずれも褥瘡と関連する事柄だが、この用具の目的ではない。褥瘡の予防を、要因ごとの対策で整理する。①圧迫=体圧分散寝具、体位変換、除圧、②ずれと摩擦=背抜きと尻抜き、頭側挙上を30度以下に、スライディングシート、③湿潤=失禁への対応、発汗、被膜剤と保湿、④低栄養=タンパク質、エネルギー、亜鉛、ビタミン、⑤知覚と可動性の低下=観察の強化。エアマットレスは、①に対する用具になる。
理解を深める
体圧分散寝具を整理する。種類=①上敷き型(既存のマットレスの上に敷く)と交換型(マットレスそのものを替える)、②素材=ウレタンフォーム(静止型。安価で、自力での動きを妨げにくい)、エア(圧切替型と静止型。体圧分散の能力が高いが、沈み込みにより自力での動きが難しくなる)、ゲル、ハイブリッド。選択=①褥瘡の危険の程度(ブレーデンスケールなどで評価する)、②自力で体位を変えられるか(変えられる人に柔らかすぎる寝具を用いると、動きを妨げ、かえって活動を減らす)、③既にある褥瘡の程度、④体重、⑤生活と療養の場、⑥介護者の状況、⑦費用(介護保険の福祉用具貸与の対象になる)。使用中の注意=①設定(体重に応じた圧の設定。設定を誤ると効果が得られない)、②電源とチューブの確認、③底づきの確認(沈み込みすぎて、下の床面に骨突出部が当たっていないか。手を差し入れて確認する)、④体位変換を省略しない(体圧分散寝具を用いても、体位変換は必要になる。ただし、間隔を延ばせる場合がある。一般に2時間ごと、体圧分散寝具を用いる場合は4時間を超えない範囲で調整する)、⑤湿潤とにおい、⑥シーツをぴんと張りすぎない(張ると分散の効果が損なわれる。ハンモック現象)、⑦重ねて使わない、⑧観察を怠らない(用具を入れたことで安心し、観察が減ることが最も危険になる)。褥瘡の好発部位=仰臥位では仙骨部(最も多い)、踵骨部、後頭部、肩甲骨部、肘頭部。側臥位では大転子部、腸骨部、外果部、耳介部。座位では坐骨結節部、尾骨部。
間違えやすい考え方
用具の目的を問う型で、誤肢が褥瘡に関連するが目的でないものである。褥瘡が生じる機序で切る。
5分で振り返る
①褥瘡は、骨突出部が持続的に圧迫され、毛細血管の血流が遮断されて生じる。②エアマットレスは、接触面積を広げて単位面積あたりの圧を下げ、また圧を周期的に変えることで、体圧を分散する。③体温管理が目的ではない。むしろ熱がこもり湿潤しやすく、通気性と観察が必要になる。④関節拘縮の予防には、良肢位、関節可動域訓練、早期離床が必要。柔らかい寝具は自力での動きを妨げる面もある。⑤体圧分散寝具を用いても体位変換は省略しない。一般に2時間ごと、寝具を用いる場合は4時間を超えない範囲で調整する。⑥体重に応じた圧の設定を行い、底づきを手で確認する。⑦シーツを張りすぎると分散の効果が損なわれる。⑧好発部位=仰臥位では仙骨部が最も多い。
1分チェック
- エアマットレスの目的は。→ 体圧分散(体位変換を省略しない)。
この問題に対応する教材の確認中です。