成人の上腕での触診法による血圧測定で適切なのはどれか。
公式正答:2
解説
成人の上腕での触診法による血圧測定で適切なものを問う。マンシェットの幅は13〜17cmのものを使用するである。
この問題で問われていること
測定の誤差を生む条件を説明できるか。
しくみから理解する
マンシェットのゴム嚢の幅は、上腕の周囲のおよそ40%が適切とされ、成人の上腕ではおよそ13〜17cm(一般に14cm前後)になる。幅が狭すぎると、圧が十分に伝わらず、必要以上に加圧しなければ動脈を圧迫できないため、値が高く出る。逆に、幅が広すぎると、少ない圧で動脈が圧迫されるため、値が低く出る。したがって、上腕の太さに合った幅を選ぶことが、正確な測定の前提になる。
選択肢ごとの確認
ゴム嚢の中央が上腕の正中線に沿うように合わせるのではない。ゴム嚢の中央を上腕動脈の走行(上腕の内側)に合わせる。動脈の真上に圧がかかるようにするためになる。正中線ではない。
加圧後1秒ごとに10mmHg下がる速さで減圧するのも速すぎる。減圧は、1秒に2〜3mmHg(1拍動につき2mmHg程度)の速さで行う。速く下げると、コロトコフ音(または拍動)を捉える機会が減り、値が低く読まれる。
動脈の拍動が触知できなくなった値からさらに40mmHg加圧するのも過剰になる。触診法では、①橈骨動脈(または上腕動脈)を触れながら加圧し、②拍動が触れなくなった点を確認し、③そこからさらに20〜30mmHg加圧する。過剰な加圧は、①患者に苦痛を与える、②うっ血により値に影響する、という問題を生む。
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混同しやすいポイント
測定の誤差の方向を、原因とともに覚える。高く出る=①マンシェットが狭い、②緩い、③腕が心臓より低い、④測定前に運動と会話をした、⑤緊張(白衣高血圧)、⑥膀胱が充満している、⑦寒い、⑧衣服の上から巻いた(厚い衣服)。低く出る=①マンシェットが広い、②きつい、③腕が心臓より高い、④減圧が速すぎる。誤肢は、①ゴム嚢の位置、③減圧の速さ、④加圧の程度を、それぞれ誤っている。
理解を深める
血圧測定を整理する。手順(聴診法)=①測定前に1〜2分安静にする(座位では背もたれに寄りかかり、足を組まず、足底を床につける)、②上腕を心臓の高さに保つ、③衣服を脱ぐか、薄手のものにする(厚い衣服の上から巻かない。まくり上げて締めつけない)、④マンシェットの下縁が肘窩から2〜3cm上になるよう、指が1〜2本入る程度に巻く、⑤ゴム嚢の中央を上腕動脈に合わせる、⑥橈骨動脈を触れながら加圧し、触れなくなった点からさらに20〜30mmHg加圧する、⑦聴診器を上腕動脈の上に軽く当てる(マンシェットの下に挟み込まない)、⑧1秒に2〜3mmHgの速さで減圧する、⑨最初に音が聴こえた点が収縮期血圧(コロトコフ第1点)、音が消えた点が拡張期血圧(第5点)、⑩速やかに減圧し、マンシェットを外す、⑪繰り返す場合は1〜2分あける。触診法=聴診器を用いず、橈骨動脈の拍動が触れ始めた点を収縮期血圧とする。拡張期血圧は測れない。①ショックなどで音が聴き取れない場合、②聴診法の前に、おおよその収縮期血圧を知るために行う。避ける部位=①麻痺側、②乳房切除とリンパ節郭清をした側、③シャントのある側、④点滴をしている側、⑤外傷と炎症のある側。血圧の基準(診察室血圧)=正常血圧は120/80mmHg未満、高血圧は140/90mmHg以上。家庭血圧では、それぞれ5mmHg低い値(135/85mmHg以上で高血圧)になる。血圧に影響するもの=①心拍出量、②末梢血管抵抗、③循環血液量、④血液の粘性、⑤血管の弾性。日内変動=早朝から日中にかけて高く、夜間に低下する。この変動が乏しい型と、早朝に急上昇する型は、心血管疾患の危険が高い。
間違えやすい考え方
測定の方法を問う型で、誤肢が位置・速さ・加圧を誤る。誤差の方向と原因で切る。
5分で振り返る
①マンシェットのゴム嚢の幅は、上腕の周囲のおよそ40%。成人では13〜17cm(一般に14cm前後)。②狭すぎると値が高く出て、広すぎると低く出る。③ゴム嚢の中央は、正中線ではなく上腕動脈の走行(上腕の内側)に合わせる。④減圧は1秒に2〜3mmHg。速いと値が低く読まれる。⑤触診法では、拍動が触れなくなった点からさらに20〜30mmHg加圧する。40mmHgは過剰で、苦痛とうっ血を招く。⑥マンシェットの下縁は肘窩から2〜3cm上、指が1〜2本入る程度に巻く。⑦高く出る原因=狭い、緩い、腕が低い、運動と会話、緊張、寒さ。低く出る原因=広い、きつい、腕が高い、減圧が速い。⑧避ける部位=麻痺側、乳房切除とリンパ節郭清をした側、シャントのある側、点滴側。
1分チェック
- マンシェットの幅は。→ 上腕周囲の約40%(成人で13〜17cm)。
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