夜勤帯に看護師が病棟のトイレ内で倒れている患者を発見した。呼びかけても反 応がない。 この看護師が最初に実施すべきなのはどれか。
公式正答:3
解説
夜勤帯に、病棟のトイレ内で倒れており、呼びかけても反応がない患者を発見した看護師が、最初に実施すべきことを問う。トイレ内のナースコールで応援を呼ぶことである。
この問題で問われていること
一次救命処置の手順を、順序どおりに実行できるか。
しくみから理解する
一次救命処置では、①安全の確認、②反応の確認、③反応がなければ大声で応援を呼び、救急対応の要請と自動体外式除細動器の手配を依頼する、④呼吸の確認、⑤胸骨圧迫の開始、という順に進む。この事例では、既に反応がないことを確認しているため、次に行うのは応援を呼ぶことになる。夜勤帯で人員が少なく、トイレという狭く発見されにくい場所であるため、一人で対応を始めれば、その間、他の援助が得られない。ナースコールは、その場を離れずに応援を呼べる手段になる。
選択肢ごとの確認
脈拍を確認することは、市民による一次救命処置では求められていない。医療者は、呼吸の確認と同時に頸動脈の拍動を確認するが(10秒以内)、それも応援を呼んだ後になる。加えて、脈の確認は熟練者でも判断を誤りやすく、判断に迷えば「なし」として胸骨圧迫を開始する。
胸骨圧迫を開始することは、呼吸を確認した後になる。加えて、一人で開始すると、応援と自動体外式除細動器の手配が遅れる。まず応援を呼び、人を集めながら評価と処置を進める。
自動体外式除細動器を取りに行くことも、この時点ではない。その場を離れることになり、①患者から目を離す、②戻るまでの時間、何も行われない、という問題が生じる。応援を呼び、他の者に取りに行ってもらう。
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混同しやすいポイント
この設問の鍵は、「一人で抱えない」ことになる。心停止への対応は、一人では成り立たない(胸骨圧迫、気道と換気、除細動、薬剤、記録、そして家族への対応が同時に必要になる)。したがって、反応がないと分かった時点で、直ちに応援を呼ぶことが最優先になる。誤肢は、いずれも「一人で始める」または「その場を離れる」ものになる。
理解を深める
院内の急変対応を整理する。手順=①安全の確認、②反応の確認(肩を叩きながら大きな声で呼びかける)、③応援の要請(ナースコール、緊急コール、大声。院内の急変を知らせる仕組みに従う。加えて、自動体外式除細動器または除細動器と救急カートを依頼する)、④呼吸と脈拍の確認(10秒以内。胸と腹の動きを見る。死戦期呼吸は「呼吸なし」と判断する)、⑤胸骨圧迫の開始(約5cm、1分間に100〜120回、中断を最小限に)、⑥気道の確保と人工呼吸(バッグバルブマスク。30対2)、⑦除細動器の装着と解析、⑧二次救命処置への移行(気道の確保、静脈路、薬剤、原因の検索と是正)。発見の場所による注意=①トイレと浴室=狭く、発見が遅れやすい。加えて、便座と浴槽の中では胸骨圧迫ができないため、床へ移す必要がある。移動には人手を要する。②廊下と階段=安全の確保。③ベッド上=背板を入れる(柔らかいマットレスでは圧迫が有効に伝わらない)。予防=①転倒と急変の危険が高い患者を把握する、②トイレと浴室にナースコールを設置し、届く位置にあることを確認する、③排泄と入浴の際の見守り、④長時間出てこない場合の確認、⑤夜間の巡回。原因の検索=①低酸素、②循環血液量の減少、③電解質の異常(とくに高カリウム血症と低カリウム血症)、④低体温、⑤中毒(薬剤)、⑥心タンポナーデ、⑦緊張性気胸、⑧血栓(冠動脈、肺動脈)。これらは、是正できれば救命につながるため、蘇生と並行して探す。家族への対応=①速やかに連絡する、②到着後の説明と、そばにいる時間の確保、③蘇生の場に立ち会うかどうかの選択(近年は、家族の立ち会いを支援する考え方もある)。記録=発見の時刻、状況、実施した処置と時刻、投与した薬剤、そして反応を、正確に残す。
間違えやすい考え方
手順を問う型で、誤肢が一人で始める・その場を離れるものである。応援を呼ぶことが最優先で切る。
5分で振り返る
①一次救命処置の順=安全の確認→反応の確認→応援の要請と自動体外式除細動器の手配→呼吸の確認→胸骨圧迫。②この事例では反応がないと確認済みのため、次は応援を呼ぶこと。③夜勤帯で人員が少なく、トイレは狭く発見されにくい。一人で始めれば他の援助が得られない。④ナースコールは、その場を離れずに応援を呼べる手段になる。⑤自動体外式除細動器を自分で取りに行くと、患者から目を離し、その間何も行われない。他の者に依頼する。⑥脈の確認は熟練者でも誤りやすく、迷えば「なし」として胸骨圧迫を開始する。⑦便座と浴槽の中では胸骨圧迫ができないため、床へ移す。ベッド上では背板を入れる。⑧心停止への対応は一人では成り立たない。
1分チェック
- 反応がない患者を発見したら。→ まず応援を呼ぶ(その場を離れない)。
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