受精と着床についての説明で正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
受精は卵管膨大部、着床は胚盤胞の段階。受精から着床までの日数と場所を正確に押さえる問題。
この問題で問われていること
受精から着床までの時間経過を日単位で言えるか。受精の場所と着床時の胚の段階を正しく答えられるか。
しくみから理解する
排卵された卵子は卵管采に取り込まれ、卵管膨大部で精子と出会って受精する。卵子の受精能は排卵後およそ24時間、精子は女性生殖器内で2〜3日(最大5日程度)生存する。受精卵は分割を繰り返しながら卵管を子宮へ向かって移動し、受精後4〜5日で子宮腔に到達する。このころには細胞数が増えて桑実胚から胚盤胞になっている。着床が起こるのは受精後6〜7日ごろで、胚盤胞の状態で子宮内膜に潜り込む。着床が完了するのは受精後11〜12日ごろ。 【接地元】三年解剖学総まとめ(女性生殖器)、人体の構造と機能 第5版 生殖、OpenStax maternal_newborn_nursing
選択肢ごとの確認
卵子の受精能はおよそ24時間。48時間は長すぎる。長く生きるのは精子のほう(2〜3日、最大5日程度)で、この非対称が妊娠可能期間の考え方の基礎になる。
卵管采は卵子を拾い上げる部分。受精が起こるのは卵管膨大部。場所が1つ手前になっている。
卵管を移動しながら分割し、4〜5日で子宮腔に達する。
着床するのは胚盤胞の段階。桑実胚は子宮に到達する前後の段階で、まだ着床しない。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
卵管の部位(間質部・峡部・膨大部・漏斗部・卵管采)と、胚の発生段階(接合子・割球・桑実胚・胚盤胞)の2つの順序を混ぜると崩れる。受精は膨大部、着床は胚盤胞、と2点だけ確実に固定する。
理解を深める
この時間経過は臨床に直結する。卵管膨大部で受精した卵が子宮へ移動できずにそこで着床すると卵管妊娠(異所性妊娠の大半)になり、破裂すると大量出血をきたす。骨盤内炎症性疾患や卵管手術の既往が危険因子になるのは、卵管の輸送機能が損なわれるため。また着床が受精後6〜7日で、着床後に絨毛からhCGが分泌され始めるため、妊娠反応が陽性になるのは受精のかなり後になる。緊急避妊薬が排卵の抑制・遅延を主な機序とするのも、この時間軸のなかで理解できる。
間違えやすい考え方
一連の過程の「1つ手前」「1つ後」を誤肢にする型。卵管采と膨大部、桑実胚と胚盤胞のように、隣り合う段階が並べられている。過程は必ず順序で覚え、隣とどう違うかを言えるようにする。
5分で振り返る
排卵→卵管采が卵子を拾う→卵管膨大部で受精(卵子の受精能は約24時間、精子は2〜3日)→分割しながら卵管を移動→受精後4〜5日で子宮腔に到達(このころ桑実胚から胚盤胞へ)→受精後6〜7日で胚盤胞が子宮内膜に着床→受精後11〜12日で着床完了。卵管で着床すると卵管妊娠になる。
1分チェック
- 受精が起こる場所はどこか
- 卵子と精子の受精能はそれぞれどのくらい持続するか
- 受精卵が子宮に到達するのは受精後何日か
- 着床するのはどの段階か
この問題に対応する教材の確認中です。