母体保護法で規定されているのはどれか。
公式正答:3
解説
母体保護法で規定されているものを問う。受胎調節の実地指導である。
この問題で問われていること
この法律が何を定めるものかを知っているか。
しくみから理解する
母体保護法は、母性の生命健康を保護することを目的とし、①不妊手術、②人工妊娠中絶、③受胎調節の実地指導、について定める。受胎調節の実地指導は、女子に対して、避妊の方法(避妊具の使用を含む)を実地に指導するもので、①医師のほか、②都道府県知事の指定を受けた者(受胎調節実地指導員。助産師、保健師、看護師で、所定の講習を修了した者)が行える。ただし、子宮腔内への避妊器具の挿入は医師のみが行う。
選択肢ごとの確認
育児時間は、労働基準法に規定される。生後満1年に達しない生児を育てる女性が、1日2回、各々少なくとも30分請求できる。
生理休暇も、労働基準法に規定される。生理日の就業が著しく困難な女性が請求した場合、その者を就業させてはならない、という定めになる。
育児中の深夜業の制限は、育児・介護休業法に規定される。小学校就学前の子を養育する労働者が請求できる。
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混同しやすいポイント
母性に関わる法律を、対応表で整理する。①母体保護法=不妊手術、人工妊娠中絶、受胎調節の実地指導、②母子保健法=母子健康手帳、健康診査、保健指導、訪問指導、養育医療、低出生体重児の届出、産後ケア、③労働基準法=産前産後休業、育児時間、生理休暇、危険有害業務の就業制限、時間外労働等の制限、④男女雇用機会均等法=妊娠中と出産後の健康管理に関する措置(健康診査を受ける時間の確保、指導事項を守るための措置)、不利益な取扱いの禁止、⑤育児・介護休業法=育児休業、介護休業、子の看護等休暇、所定労働時間の短縮、深夜業の制限。誤肢は、①②が労働基準法、③が育児・介護休業法になる。
理解を深める
母体保護法を整理する。不妊手術=生殖腺を除去することなしに、生殖を不能にする手術。医師は、①妊娠または分娩が母体の生命に危険を及ぼすおそれのあるもの、②現に数人の子を有し、かつ、分娩ごとに母体の健康度を著しく低下するおそれのあるもの、について、本人と配偶者の同意を得て行うことができる。人工妊娠中絶=胎児が、母体外において生命を保続することのできない時期(現在は妊娠22週未満)に、人工的に胎児およびその付属物を母体外に排出すること。①指定医師(都道府県の医師会が指定する)のみが行える、②要件=ア)妊娠の継続または分娩が身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの、イ)暴行もしくは脅迫によって、または抵抗もしくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの、③本人と配偶者の同意を要する(配偶者が不明のとき、意思を表示できないとき、妊娠後に死亡したときは本人の同意のみ)、④届出=指定医師は、その月中の手術の結果を、翌月10日までに都道府県知事へ届け出る。受胎調節の実地指導=上記のとおり。関連する健康支援=①避妊の方法(低用量経口避妊薬、子宮内避妊具、コンドーム、そして緊急避妊薬)、②性感染症の予防、③望まない妊娠の相談窓口、④思春期への性教育、⑤不妊治療(2022年から保険適用が拡大された)、⑥プレコンセプションケア(妊娠前からの健康づくり)。看護=①正確な情報を、価値観を押しつけずに伝える、②本人の意思決定を尊重する、③人工妊娠中絶を受ける女性への配慮(身体的な回復だけでなく、心理的な負担が大きい。非難せず、次の妊娠に向けた避妊の相談まで含めて支える)、④パートナーを含めた支援、⑤相談できる場を知らせる。
間違えやすい考え方
根拠法を問う型で、誤肢が労働基準法と育児介護休業法の規定である。法と定める内容の対応で切る。
5分で振り返る
①母体保護法は、母性の生命健康の保護を目的とし、不妊手術、人工妊娠中絶、受胎調節の実地指導を定める。②受胎調節の実地指導は、医師のほか、都道府県知事の指定を受けた受胎調節実地指導員(助産師、保健師、看護師で所定の講習を修了した者)が行える。ただし、子宮腔内への避妊器具の挿入は医師のみ。③育児時間と生理休暇は労働基準法、育児中の深夜業の制限は育児・介護休業法に規定される。④人工妊娠中絶は、胎児が母体外で生命を保続できない時期(妊娠22週未満)に、指定医師のみが行える。⑤要件=身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれ、または暴行等による妊娠。本人と配偶者の同意を要する。⑥妊婦健康診査を受ける時間の確保は男女雇用機会均等法、産前産後休業は労働基準法。
1分チェック
- 母体保護法が定めるのは。→ 不妊手術、人工妊娠中絶、受胎調節の実地指導。
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