精神障害者保健福祉手帳で正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
精神障害者保健福祉手帳で正しいものを問う。取得すると住民税の控除対象となるである。
この問題で問われていること
手帳の対象と、受けられる支援を押さえているか。
しくみから理解する
精神障害者保健福祉手帳は、精神保健福祉法にもとづき、一定の精神障害の状態にあることを証明するものになる。取得により、①税の控除(所得税、住民税の障害者控除、相続税、贈与税)、②公共料金と交通機関の割引(自治体と事業者により異なる)、③公営住宅の優先入居、④障害者雇用の対象となる(雇用率に算定される)、⑤自立支援医療の申請との連携、⑥携帯電話料金と施設の入場料の割引、といった支援を受けられる。等級は1級から3級で、2年ごとに更新する。
選択肢ごとの確認
知的障害は、この手帳の交付対象ではない。知的障害には療育手帳(自治体により名称が異なる)が交付される。ただし、知的障害と精神疾患を併せ持つ場合、両方の手帳を持つことはありうる。なお、発達障害は、この精神障害者保健福祉手帳の対象になる。
交付によって生活保護費の支給が開始されるのではない。生活保護は、生活保護法にもとづき、資産と能力を活用してもなお最低限度の生活を維持できない場合に、福祉事務所が決定するものになる。手帳の有無とは別の制度になる。ただし、手帳を持つことで、生活保護における障害者加算の対象となる場合がある。
疾病によって障害が永続する人が対象、という記述も誤りになる。この手帳は、初診から6か月以上経過し、精神障害のため日常生活または社会生活に一定の制約がある人が対象になる。障害が永続することは要件ではない。2年ごとの更新があり、状態が改善すれば等級が変わる、または対象外になることもある。この「永続でなくてよい」という点が、身体障害者手帳との違いになる。
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混同しやすいポイント
3つの手帳を対比する。①身体障害者手帳=身体障害者福祉法。身体の障害が永続することが要件。等級は1〜6級(7級は単独では交付されない)。更新は原則なし(再認定の対象になる場合がある)。②療育手帳=法律上の規定はなく、通知にもとづく(自治体ごとに運用が異なる)。知的障害が対象。③精神障害者保健福祉手帳=精神保健福祉法。初診から6か月以上。等級は1〜3級。2年ごとの更新。誤肢は、①対象、②別の制度、③要件を、それぞれ誤っている。
理解を深める
精神障害のある人を支える制度を整理する。医療=①自立支援医療(精神通院医療)=通院の医療費の自己負担が原則1割になる。所得に応じた上限額もある。手帳とは別に申請する(同時に申請できる)、②措置入院の医療費(精神保健福祉法にもとづき都道府県が負担する。所得に応じた費用徴収がある)。医療保護入院には全国共通の公費負担制度はなく、通常の医療保険で扱う(自治体独自の助成がある場合はそれによる)、③高額療養費。生活=①障害年金(初診日から1年6か月経過した時点で、一定の障害の状態にある場合。国民年金は1〜2級、厚生年金は1〜3級)、②生活保護、③特別障害者手当。福祉サービス(障害者総合支援法)=①介護給付(居宅介護、短期入所など)、②訓練等給付(自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、自立生活援助、共同生活援助)、③相談支援(計画相談、地域移行、地域定着)、④地域生活支援事業(相談、地域活動支援センター、移動支援、日常生活用具)。就労=①障害者雇用(法定雇用率。手帳を持つことで算定の対象になる)、②就労移行支援と就労継続支援、③地域障害者職業センター、④職場適応援助者、⑤障害者就業・生活支援センター。手続きの窓口=市町村になる。申請には、医師の診断書(または障害年金証書の写し)を要する。看護の役割=①制度を知り、必要な人へ情報を届ける、②申請の手続きを支える(本人だけでは進めにくいことが多い)、③精神保健福祉士へつなぐ、④手帳を持つことへの抵抗感(「障害者」と認めることへの葛藤)に配慮する、⑤利点と、本人が心配する点(周囲に知られるか。手帳の提示は本人の意思による)を、正確に伝える。
間違えやすい考え方
制度の正誤を問う型で、誤肢が対象・別制度・要件を誤る。3つの手帳の対比で切る。
5分で振り返る
①精神障害者保健福祉手帳は、精神保健福祉法にもとづく。取得により、税の控除(所得税と住民税の障害者控除)、公共料金と交通機関の割引、公営住宅の優先入居、障害者雇用の対象となる。②等級は1〜3級で、2年ごとに更新する。③知的障害は療育手帳の対象で、この手帳の対象ではない。発達障害はこの手帳の対象になる。④生活保護は生活保護法にもとづく別の制度。手帳の有無とは別に決定される。ただし障害者加算の対象になる場合がある。⑤対象は、初診から6か月以上経過し、日常生活または社会生活に一定の制約がある人。障害が永続することは要件ではない。⑥身体障害者手帳は、障害が永続することが要件で、等級は1〜6級。⑦自立支援医療(精神通院医療)により、通院の医療費の自己負担が原則1割になる。
1分チェック
- 精神障害者保健福祉手帳は。→ 税の控除などが受けられる(初診から6か月、2年ごとの更新)。
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