攻撃性の高まった成人患者への対応で正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
攻撃性の高まった成人患者への対応で正しいものを問う。身振り手振りは少なくするである。
この問題で問われていること
興奮している人に対して、何が刺激になるかを判断できるか。
しくみから理解する
攻撃性が高まっている人は、周囲の刺激に過敏になっており、①大きな身振り、②急な動き、③手を上げる動作を、脅威と受け取ることがある。したがって、身振り手振りを少なくし、動きをゆっくりと、そして手は相手から見える位置に置いておくことで、危害を加える意図がないことを示す。加えて、①穏やかで低い声、②短く簡潔な言葉、③相手を追い詰めない姿勢が、緊張を和らげる。
選択肢ごとの確認
患者の正面に立つことは適切でない。正面に立つと、①対峙する構図になり、②相手の圧迫感を高め、③加えて、攻撃を受けた際に避けにくい。斜め前(およそ45度)の位置に立つことで、対決の姿勢を避け、自分の安全も確保できる。
アイコンタクトを避けることも適切でない。全く目を合わせないことは、①関心がない、②相手を無視している、③何かを隠している、という印象を与える。ただし、凝視することも威圧になるため、適度に視線を合わせ、時折外す、という自然な形をとる。
ボディタッチを積極的に用いることも適切でない。興奮している人にとって、身体への接触は、①拘束される、②攻撃される、という脅威として受け取られやすく、事態を悪化させる。原則として触れない。
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混同しやすいポイント
誤肢は、①対峙する、②関わりを断つ、③接触するという、いずれも刺激を高めるものになる。攻撃性が高まった場面での原則は、①自分と周囲の安全を確保する、②刺激を減らす、③相手を追い詰めない、④選択肢を残す、⑤一人で対応しない、になる。加えて、この場面で最も重要なのは、看護師自身の安全になる。危険を感じたら、その場を離れ、応援を求める。
理解を深める
攻撃性への対応を整理する。事前の評価=①興奮の徴候(落ち着かない、大声、早口、握りしめる、にらむ、物を叩く、行きつ戻りつする)、②背景(精神症状、身体の不調、痛み、薬剤、離脱、認知症、せん妄、そして本人にとって理不尽な状況)、③既往(過去の暴力の有無は、最も強い予測因子になる)。環境の準備=①出入口に近い位置に立ち、逃げ道を確保する(自分と相手の両方の逃げ道を塞がない)、②凶器になる物を置かない、③一人で個室に入らない、④応援を呼べる手段を持つ、⑤他の患者を離す。関わり=①穏やかで低い声、②短く簡潔に、③相手の話を聴く(何に怒っているのかを聴くこと自体が、鎮静に働く)、④否定と議論をしない、⑤約束できないことを約束しない、⑥選択肢を示す(「座って話しませんか」「別の部屋へ移りませんか」)、⑦距離をとる(通常より広く。腕の長さの2倍程度)、⑧複数で対応する(ただし、取り囲まない。人数で威圧しない)、⑨要求に屈しない一方、伝わるべきことは伝える。それでも収まらない場合=①応援を要請する、②安全な場所へ移動する、③薬物療法を検討する(医師の指示)、④やむを得ない場合の身体的拘束(精神保健指定医の判断。必要最小限、そして解除に向けた検討を継続する)。事後=①本人と振り返る(何がきっかけだったか、次はどうすればよいか)、②記録、③職員間で共有し、対応を見直す、④当事者となった職員のケア(暴力を受けた職員は、身体だけでなく心にも影響を受ける。一人で抱えさせない)。予防=①信頼関係、②予測できる環境と説明、③要望を聴く仕組み、④待たせない、⑤身体の不調と痛みへの対応、⑥薬物療法の調整、⑦職員の教育と訓練、⑧組織としての方針(暴力を容認しないことを明示する)。
間違えやすい考え方
対応を問う型で、誤肢が対峙する・断つ・接触するものである。刺激を減らすという原則で切る。
5分で振り返る
①攻撃性が高まっている人は刺激に過敏で、大きな身振りと急な動きを脅威と受け取る。身振り手振りを少なくし、手は見える位置に置く。②正面に立つと対峙する構図になり、圧迫感を高め、避けにくい。斜め前(約45度)に立つ。③アイコンタクトを全く避けると、無視していると受け取られる。適度に合わせ、時折外す。凝視はしない。④身体への接触は、拘束されるという脅威になる。原則として触れない。⑤原則=自分と周囲の安全を確保する、刺激を減らす、追い詰めない、選択肢を残す、一人で対応しない。⑥出入口に近い位置に立ち、自分と相手の逃げ道を塞がない。⑦過去の暴力の有無が、最も強い予測因子になる。⑧暴力を受けた職員のケアも必要になる。一人で抱えさせない。
1分チェック
- 攻撃性が高まっているときは。→ 身振りを少なく、斜め前に立ち、触れない。
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