国際機関と事業内容の組合せで正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
国際機関と事業内容の組合せで正しいものを問う。世界保健機関と保健分野における研究の促進である。
この問題で問われていること
機関ごとの目的と事業を区別できるか。
しくみから理解する
世界保健機関は、国際連合の専門機関で、「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的とする。主な事業=①国際保健事業の指導と調整、②各国への技術協力、③感染症とその他の疾病の撲滅への取り組み、④保健分野における研究の促進と指導、⑤国際的な基準の設定(疾病の分類=国際疾病分類、医薬品、食品、そして診断の基準)、⑥保健に関する情報と統計の提供、⑦国際保健規則の運用。したがって、研究の促進はその事業に含まれる。
選択肢ごとの確認
国際労働機関は、労働条件の改善、労働者の権利の保護、そして社会保障の推進を目的とする。難民の帰還支援は、国連難民高等弁務官事務所が担う。
国連人口基金は、人口と開発、性と生殖に関する健康と権利(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)、家族計画、妊産婦の健康、そしてジェンダーの平等を扱う。平和維持活動は、国際連合の平和維持活動として、安全保障理事会の決定にもとづき行われる。
国連世界食糧計画は、飢餓の解消を目的とし、食料の支援、学校給食、そして緊急時の食料の供給を行う。二国間の国際保健医療協力は、各国の政府開発援助(日本では国際協力機構)が担う。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
主な国際機関を、目的で整理する。①世界保健機関=保健、②国際連合児童基金=子どもの権利、保健、栄養、水と衛生、教育、③国連人口基金=人口、性と生殖に関する健康と権利、④国連難民高等弁務官事務所=難民の保護と支援、⑤国連世界食糧計画=食料支援、⑥国際労働機関=労働、⑦国連合同エイズ計画=後天性免疫不全症候群、⑧国連教育科学文化機関=教育、科学、文化、⑨世界銀行=開発への融資、⑩国境なき医師団と赤十字=非政府組織と、それに準じる組織による人道支援。誤肢は、いずれも機関と事業を取り違えている。
理解を深める
国際保健を整理する。世界保健機関=①設立=1948年。本部はジュネーブ、②加盟=194か国・地域、③地域事務局=6つ(日本は西太平洋地域事務局に属し、事務局はマニラにある)、④意思決定=世界保健総会(毎年)、⑤主な成果=天然痘の根絶(1980年)、ポリオの根絶計画、たばこ規制枠組条約、そして国際疾病分類の改訂、⑥国際保健規則=国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態への対応を定める。日本と国際保健=①政府開発援助(無償資金協力、有償資金協力、技術協力)、②国際協力機構による専門家の派遣と、青年海外協力隊、③国際機関への拠出、④研究と人材の育成、⑤国内の外国人への医療(在留外国人と訪日外国人。言語、文化、制度、そして医療費の課題がある)。国際協力に関わる看護職の活動=①保健システムの強化、②母子保健、③感染症対策、④人材の育成、⑤災害と紛争時の支援、⑥現地の人が続けられる仕組みを作ること(技術を持ち込むだけでなく、現地の人材と資源で継続できる形にすることが重要になる)。国際保健の課題=①健康格差(国の間、そして国の中でも)、②感染症と非感染性疾患の二重の負担、③保健人材の不足と偏在(頭脳流出)、④気候変動、⑤新興・再興感染症、⑥薬剤耐性、⑦紛争と難民、⑧ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成。看護に関わる意味=①国内でも、外国にルーツを持つ人への看護の機会が増えている、②言語だけでなく、文化と宗教、そして医療への考え方の違いに配慮する、③通訳の活用(家族に通訳を担わせると、本人が話せないことが生じる)、④制度の説明(保険の有無、費用)。
間違えやすい考え方
機関と事業を問う型で、誤肢がすべて取り違えている。機関の目的で切る。
5分で振り返る
①世界保健機関は国際連合の専門機関で、すべての人々が可能な最高の健康水準に到達することを目的とする。②事業=国際保健事業の指導と調整、技術協力、感染症対策、研究の促進と指導、国際的な基準の設定(国際疾病分類など)、情報と統計の提供、国際保健規則の運用。③1948年設立、本部はジュネーブ。日本は西太平洋地域事務局に属する。④国際労働機関は労働条件と労働者の権利、難民の支援は国連難民高等弁務官事務所が担う。⑤国連人口基金は、人口と、性と生殖に関する健康と権利を扱う。平和維持活動は国際連合の別の枠組み。⑥国連世界食糧計画は食料支援。二国間の協力は各国の政府開発援助(日本では国際協力機構)が担う。⑦天然痘の根絶(1980年)は世界保健機関の主導による。
1分チェック
- 世界保健機関は。→ 国際保健の指導と調整、研究の促進、基準の設定。
この問題に対応する教材の確認中です。