血漿蛋白質の大部分を合成しているのはどれか。
公式正答:2
解説
アルブミンをはじめ血漿蛋白質のほとんどは肝臓でつくられる。肝機能の指標にアルブミンを使うのはこのため。
この問題で問われていること
肝臓の機能を挙げられるか。血漿蛋白質と肝臓の結びつきを知っているか。
しくみから理解する
血漿蛋白質の主なものはアルブミン、グロブリン、フィブリノゲンで、このうちアルブミンとフィブリノゲンをはじめとするほとんどが肝臓で合成される(免疫グロブリンだけは形質細胞がつくる)。アルブミンは血漿蛋白質の約6割を占め、膠質浸透圧を保って血管内に水を引き留める働きと、薬物・ビリルビン・カルシウムなどを運ぶ働きをもつ。したがって肝硬変などでアルブミンの合成が落ちると膠質浸透圧が下がり、水が血管外へ移動して浮腫や腹水が生じる。凝固因子も肝臓で合成されるため、肝障害では出血傾向が出てプロトロンビン時間が延長する。 【接地元】解剖学深掘り編(石川先生・肝臓の構造)、ガイトン生理学 肝臓、人体の構造と機能 第5版 肝臓
選択肢ごとの確認
ガス交換の器官。サーファクタントは合成するが、血漿蛋白質を供給する場ではない。
アルブミン・凝固因子など血漿蛋白質の大部分を合成する。
むしろ蛋白質を失わないよう濾過障壁で守る側。エリスロポエチンとレニンは産生するが、これらはホルモン・酵素であって血漿蛋白質の主体ではない。
消化酵素とインスリン・グルカゴンを分泌するが、血漿蛋白質をつくる場ではない。
古い赤血球を処理し、リンパ球を含む免疫器官。血漿蛋白質の合成は行わない。
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混同しやすいポイント
免疫グロブリンだけは肝臓ではなく形質細胞(B細胞由来)がつくる、という例外を押さえておくと、蛋白分画の解釈でも役に立つ。肝硬変ではアルブミンが減る一方、γグロブリンが増えてA/G比が下がる。
理解を深める
肝臓の機能は5つに整理できる。①代謝(糖・脂質・蛋白質・アンモニアの尿素への変換)②合成(アルブミン・凝固因子・胆汁酸)③貯蔵(グリコーゲン・鉄・ビタミンA/D/B12)④解毒(薬物・アルコール・ホルモンの不活化)⑤胆汁の生成と分泌。肝硬変ではこれらが順に破綻し、低アルブミン血症(浮腫・腹水)、出血傾向、黄疸、高アンモニア血症(肝性脳症)、女性化乳房(エストロゲンの不活化障害)が現れる。第114回午後 問77の「肝臓の機能」もこの5分類で解ける。
間違えやすい考え方
臓器を並べて機能を問う型。臓器ごとに機能を3〜5個言えるようにしておけば、消去法が効く。
5分で振り返る
血漿蛋白質=アルブミン(約6割・膠質浸透圧の維持と物質の運搬)+グロブリン+フィブリノゲン。免疫グロブリン以外はほぼ肝臓が合成する。肝臓の機能=代謝・合成・貯蔵・解毒・胆汁生成の5つ。肝硬変では低アルブミン血症(浮腫・腹水)、凝固因子低下(出血傾向・PT延長)、高アンモニア血症(肝性脳症)が起こる。
1分チェック
- 血漿蛋白質の大部分をつくるのはどこか
- アルブミンの2つの働きは何か
- 免疫グロブリンをつくるのは何か
- 肝硬変で浮腫や腹水が出る理由は何か
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