副交感神経を含む脳神経はどれか。2つ選べ。
公式正答:1・4
解説
12対の脳神経のうち副交感神経の線維を含むのは4つだけ(動眼・顔面・舌咽・迷走)。選択肢にあるのは動眼神経と迷走神経。
この問題で問われていること
脳神経を「感覚だけ」「運動だけ」「混合」で分けたうえで、さらに副交感成分をもつものを選び出せるか。副交感神経の出どころが脳幹と仙髄の2か所であることが前提知識になる。
しくみから理解する
副交感神経の節前線維は、脳幹(中脳・橋・延髄)と第2〜第4仙髄の2か所から出る。脳幹から出るものは脳神経に相乗りしていて、動眼神経(III)は中脳のエディンガー・ウェストファール核から出て毛様体神経節で乗り換え、瞳孔括約筋と毛様体筋を支配する。顔面神経(VII)は涙腺と顎下腺・舌下腺、舌咽神経(IX)は耳下腺を支配する。迷走神経(X)は最も広く、胸腹部の内臓のほぼすべて(横行結腸の途中まで)へ届く。副交感神経全体の約75%が迷走神経を通るとされる。 【接地元】ガイトン生理学 第61章 自律神経系と副腎髄質、人体の構造と機能 第5版 自律神経系
選択肢ごとの確認
中脳のエディンガー・ウェストファール核から副交感成分が出て、毛様体神経節を経て瞳孔括約筋(縮瞳)と毛様体筋(近見での調節)を支配する。対光反射の遠心路がこれ。
顔面の知覚と咀嚼筋の運動を担う混合神経だが、副交感成分はもたない。ただし顔面神経・舌咽神経の副交感線維が三叉神経の枝に途中から相乗りして走る区間があり、これが紛らわしさの元になっている。
聴覚と平衡覚を伝える純粋な感覚神経。運動成分も副交感成分ももたない。
延髄から出て頸部・胸部・腹部の内臓に広く分布する。心拍数を下げ、気管支を収縮させ、消化管の運動と分泌を高める。副交感神経の主役。
舌の筋を動かす純粋な運動神経。名前が似ている舌咽神経(IX)は副交感成分をもつので、この2つの取り違えを狙っている。
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混同しやすいポイント
舌咽神経と舌下神経の混同がこの問題の本命の罠。舌咽(IX)は耳下腺への副交感と舌後方1/3の味覚をもつ混合神経、舌下(XII)は舌の運動だけ。「咽」の字が入るほうが副交感をもつ、と覚える。
理解を深める
副交感を含む脳神経の語呂は「3・7・9・10」。動眼(3)・顔面(7)・舌咽(9)・迷走(10)。神経節も対で覚えると強い。動眼→毛様体神経節、顔面→翼口蓋神経節と顎下神経節、舌咽→耳神経節、迷走→臓器の壁内神経節。迷走神経だけ神経節が標的臓器のすぐそば(壁内)にあるため、節前線維が長く節後線維が極端に短い。これは交感神経(節が脊柱の近く=節前が短く節後が長い)とちょうど逆で、両者の構造上の違いとして問われる。
間違えやすい考え方
似た名前の脳神経を並べて入れ替える型(舌咽と舌下、内耳と顔面)。脳神経は番号・名前・成分(感覚/運動/混合/副交感)を必ず4点セットで覚える。
5分で振り返る
副交感の出どころは脳幹と第2〜第4仙髄の2か所。脳幹から出るのは動眼(3)・顔面(7)・舌咽(9)・迷走(10)の4つ。動眼=瞳孔括約筋と毛様体筋、顔面=涙腺と顎下腺・舌下腺、舌咽=耳下腺、迷走=胸腹部内臓の大半。副交感の約75%が迷走神経を通る。神経節は標的のすぐそばにあるので節前線維が長く節後線維が短い(交感神経の逆)。
1分チェック
- 副交感神経を含む脳神経を4つ番号で言えるか
- 副交感神経が出る場所は脳幹とどこか
- 動眼神経の副交感成分は何を支配するか
- 舌咽神経と舌下神経の違いは何か
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