蠕動運動がみられるのはどれか。2つ選べ。
公式正答:2・3
解説
蠕動運動は、輪走筋が順に収縮して内容物を送る動き。尿路では腎盂と尿管がこれを行って尿を膀胱へ運ぶ。
この問題で問われていること
蠕動運動という語の意味を正確に理解しているか。消化管以外にも蠕動があることを知っているか。
しくみから理解する
蠕動運動とは、管状の器官で内容物の口側が収縮し肛門側が弛緩するという波が順に伝わり、内容物を一方向へ送る運動である。消化管が代表だが、尿路でも同じ動きが起こる。腎盂と尿管の壁には平滑筋があり、腎盂の平滑筋にあるペースメーカー細胞が周期的に興奮して蠕動波を起こし、尿を膀胱へ押し送る。この動きがあるので、仰臥位でも逆立ちしても尿は膀胱へ運ばれる。膀胱は袋状の器官で、蠕動ではなく全体が収縮して排尿する。尿道は管ではあるが蠕動運動はしない。 【接地元】解剖学深掘り編(石川先生・尿路の解剖)、ガイトン生理学 排尿、人体の構造と機能 第5版
選択肢ごとの確認
血管であり、平滑筋はあるが蠕動運動はしない。血液を送るのは心臓のポンプ作用と血管の弾性による。
平滑筋をもち、ペースメーカー細胞が蠕動波を起こして尿を尿管へ送る。
蠕動運動によって尿を膀胱へ運ぶ。
袋状の器官で、排尿筋が全体として収縮する。波が伝わる蠕動運動ではない。
尿が通る管だが、蠕動運動はしない。膀胱の収縮による圧で尿が押し出される。
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混同しやすいポイント
「動くから蠕動」ではない。蠕動は「収縮の波が順に伝わる」という特定の運動様式を指す。膀胱の収縮は全体が一斉に縮む動きなので蠕動ではない。定義を正確に持つことがこの問題の要。
理解を深める
尿管の蠕動は尿路結石の痛みを説明する。結石が尿管に詰まると、その上流で蠕動が強く起こって内圧が上がり、間欠的に強烈な痛み(疝痛)が生じる。痛みが波のように強弱を繰り返すのは蠕動の波に一致する。また尿管には生理的狭窄部が3か所ある(腎盂尿管移行部、総腸骨動脈との交叉部、膀胱壁内部)。結石はここで詰まりやすい。膀胱壁内を斜めに貫く構造は、膀胱内圧が上がったときに尿管が押しつぶされて尿の逆流を防ぐ弁の役目も果たしている。
間違えやすい考え方
用語の定義を厳密に問う型。「蠕動」「反射」「分泌」などの語は、日常語の感覚ではなく生理学上の定義で判断する。
5分で振り返る
蠕動運動=口側が収縮し肛門側が弛緩する波が順に伝わり、内容物を一方向へ送る運動。消化管のほか、尿路では腎盂と尿管で起こる。腎盂のペースメーカー細胞が波を起こす。膀胱は袋状で全体が収縮するので蠕動ではない。尿管の生理的狭窄部は腎盂尿管移行部・総腸骨動脈との交叉部・膀胱壁内部の3か所で、結石が詰まりやすい。
1分チェック
- 蠕動運動とはどういう運動か
- 尿路で蠕動運動をするのはどこか
- 膀胱の収縮は蠕動運動か
- 尿管の生理的狭窄部を3つ挙げられるか
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