シックハウス症候群 sick house syndrome に関係する物質はどれか。
公式正答:4
解説
シックハウス症候群に関係する物質を問う。ホルムアルデヒドである。
この問題で問われていること
健康被害と原因物質を対応づけられるか。
しくみから理解する
シックハウス症候群は、住宅の建材、接着剤、塗料、家具、そして日用品から放散される化学物質により、頭痛、めまい、吐き気、眼と喉の刺激症状、皮膚の症状、そして倦怠感をきたす状態になる。原因物質の代表がホルムアルデヒドで、合板や壁紙の接着剤に用いられてきた。ほかに、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、パラジクロロベンゼンなどがある。厚生労働省は、13物質について室内濃度の指針値を定めており、ホルムアルデヒドは0.08ppm(100マイクログラム/立方メートル)になる。加えて、建築基準法の改正により、ホルムアルデヒドを放散する建材の使用が制限され、換気設備の設置が義務づけられた。
選択肢ごとの確認
アスベスト(石綿)は、建材に用いられた繊維状の鉱物で、吸入により肺に沈着し、長い潜伏期を経て、石綿肺、肺癌、そして悪性中皮腫を起こす。現在は製造と使用が禁止されているが、既存の建物の解体時の飛散が課題になる。シックハウス症候群の原因物質ではない。
ダイオキシン類は、廃棄物の焼却などで生じる有機塩素化合物で、発癌性と生殖・発達への影響が指摘されている。主に食品を通じて摂取される。シックハウス症候群の原因ではない。
放射性セシウムは、原子力事故により環境へ放出された放射性物質で、内部被曝の原因になる。シックハウス症候群とは関係しない。
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混同しやすいポイント
誤肢はいずれも環境保健の重要な物質だが、経路と健康影響が異なる。アスベスト=吸入、長期の潜伏、中皮腫。ダイオキシン類=食品経由、蓄積性。放射性セシウム=被曝。ホルムアルデヒド=室内の空気、急性の刺激症状。物質ごとに、①どこから、②どの経路で、③どんな健康影響を及ぼすかを対応づけて覚える。
理解を深める
環境保健を整理する。大気=二酸化硫黄、二酸化窒素、浮遊粒子状物質、微小粒子状物質(PM2.5)、光化学オキシダント。環境基準が定められる。水=水道水質基準、水質汚濁に係る環境基準。土壌と食品=カドミウム(イタイイタイ病)、メチル水銀(水俣病)、そしてヒ素。四大公害病=水俣病(メチル水銀)、新潟水俣病(同)、イタイイタイ病(カドミウム)、四日市ぜんそく(硫黄酸化物)。室内=シックハウス症候群、化学物質過敏症、受動喫煙、一酸化炭素中毒、そしてダニとカビによるアレルギー。放射線=自然放射線と人工放射線、被曝の線量限度、そして確定的影響と確率的影響。廃棄物=一般廃棄物と産業廃棄物、感染性廃棄物の扱い(バイオハザードマークによる分別:赤=液状または泥状のもの、橙=固形状のもの、黄=鋭利なもの)。看護に関わる観点=患者の症状の背景に、環境要因がないかを考える視点が重要になる。とくに、シックハウス症候群と化学物質過敏症は、症状が多彩で特異性に乏しいため、見過ごされやすい。転居、改築、そして新しい家具の購入といった出来事との時間的な関係を聞き取ることが、手がかりになる。
間違えやすい考え方
原因物質を問う型で、誤肢がいずれも別の経路と健康影響を持つ物質である。どこから・どの経路で・何を起こすかで切る。
5分で振り返る
①シックハウス症候群=住宅の建材、接着剤、塗料、家具から放散される化学物質による症状。②代表的な原因はホルムアルデヒド。ほかにトルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンなど。③厚生労働省が13物質の室内濃度の指針値を定め、ホルムアルデヒドは0.08ppm。④建築基準法により建材の使用が制限され、換気設備の設置が義務づけられた。⑤アスベストは吸入により石綿肺、肺癌、悪性中皮腫を起こす。⑥ダイオキシン類は主に食品経由で、蓄積性がある。⑦四大公害病=水俣病と新潟水俣病(メチル水銀)、イタイイタイ病(カドミウム)、四日市ぜんそく(硫黄酸化物)。
1分チェック
- シックハウス症候群の原因物質は。→ ホルムアルデヒド(室内の建材から放散される)。
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