上腕出血時の間接圧迫止血の部位はどれか。
公式正答:1
解説
上腕出血時の間接圧迫止血の部位を問う。腋窩動脈である。
この問題で問われていること
動脈の走行から、圧迫すべき部位を導けるか。
しくみから理解する
間接圧迫止血は、出血している部位より中枢側(心臓に近い側)の動脈を、骨に向かって圧迫し、血流を遮断する方法になる。上腕からの出血では、その中枢側にある腋窩動脈(あるいは上腕動脈の近位部)を圧迫する。腋窩動脈は、鎖骨下動脈が第1肋骨の外縁を越えた部位から始まり、腋窩を通って上腕動脈へ続く。腋窩で圧迫すると、上肢全体への血流を減らせる。ただし、止血の基本は直接圧迫止血であり、間接圧迫止血は、直接圧迫ができない場合や、直接圧迫を準備する間の一時的な手段として用いる。
選択肢ごとの確認
尺骨動脈は前腕を走る動脈で、上腕より末梢になる。上腕からの出血に対して、末梢側を圧迫しても止血できない。
大腿動脈は下肢の動脈で、上肢の出血とは関係しない。下肢からの出血に対する間接圧迫の部位になる。
橈骨動脈も前腕を走る動脈で、末梢側になる。手関節での脈拍の触知に用いられる。
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混同しやすいポイント
「出血部位より中枢側」という原則で判断できる。誤肢のうち2つ(尺骨動脈、橈骨動脈)は末梢側であり、原則に反する。大腿動脈は部位そのものが異なる。動脈の走行を、中枢から末梢へ順に並べて覚える。上肢=鎖骨下動脈→腋窩動脈→上腕動脈→(肘窩で分岐)→橈骨動脈・尺骨動脈。下肢=外腸骨動脈→大腿動脈→膝窩動脈→(分岐)→前脛骨動脈は足背動脈へ続き、後脛骨動脈は内側足底動脈と外側足底動脈へ分かれる。
理解を深める
止血法を整理する。①直接圧迫止血=出血部位に清潔なガーゼやタオルを当て、手で直接強く押さえる。最も基本で、最も有効な方法になる。手袋を着用し、血液に触れないようにする。出血が止まらなければ、ガーゼを取り除かずに上から重ねて押さえる(取り除くと、形成されかけた凝血を壊す)。②間接圧迫止血=中枢側の動脈を骨に向かって圧迫する。直接圧迫の準備ができるまでの一時的な手段になる。③止血帯法(ターニケット)=四肢の大量出血で、直接圧迫では制御できない場合に用いる。出血部位より中枢側に幅の広い帯を巻き、出血が止まるまで締める。装着した時刻を必ず記録し、長時間の使用は組織の壊死を招くため、医療機関へ速やかに搬送する。かつては最後の手段とされたが、現在は、災害と多数傷病者の場面では早期の使用が推奨されている。④その他=挙上(出血部位を心臓より高くする)は補助的な手段になる。出血性ショックの徴候=頻脈、血圧の低下(初期は保たれる)、蒼白、冷汗、意識の低下、そして尿量の減少。循環血液量のおよそ15%を超える出血で症状が現れ始め、30%を超えると明らかなショックになる。看護=止血と並行して、静脈路の確保、輸液、酸素、保温、そして下肢の挙上を行い、輸血の準備を進める。
間違えやすい考え方
圧迫部位を問う型で、誤肢が末梢側の動脈と別の部位である。出血部位より中枢側という原則で切る。
5分で振り返る
①間接圧迫止血=出血部位より中枢側の動脈を、骨に向かって圧迫する。②上腕からの出血では腋窩動脈(または上腕動脈の近位部)を圧迫する。③尺骨動脈と橈骨動脈は前腕を走り末梢側であるため、上腕の出血には無効。④上肢の動脈=鎖骨下→腋窩→上腕→橈骨・尺骨。下肢=外腸骨→大腿→膝窩→前脛骨・後脛骨。前脛骨動脈が足背動脈へ続き、後脛骨動脈は内側足底動脈と外側足底動脈へ分かれる。⑤止血の基本は直接圧迫止血。ガーゼは取り除かず上から重ねる。⑥止血帯法は、直接圧迫で制御できない四肢の大量出血に用い、装着時刻を必ず記録する。⑦出血性ショックは、循環血液量の15%超で症状が現れ、30%超で明らかになる。
1分チェック
- 上腕からの出血の間接圧迫は。→ 腋窩動脈(出血部位より中枢側)。
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