感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉において、 結核が分類されるのはどれか。
公式正答:2
解説
感染症法において結核が分類されるものを問う。二類感染症である。
この問題で問われていること
類型の分類の考え方と、代表的な疾患を覚えているか。
しくみから理解する
感染症法では、感染力と、罹患した場合の重篤性等にもとづく総合的な観点から、危険性が高い順に一類から五類まで分類する。結核は二類感染症に位置づけられ、就業の制限、入院の勧告と措置、そして医師の届出(直ちに)が定められる。加えて、結核については、感染症法の中に独立した章が設けられ、定期の健康診断、接触者健診、そして医療費の公費負担といった、結核に特有の対策が規定されている。BCGの定期接種の根拠は感染症法ではなく予防接種法(A類疾病)にある。かつては結核予防法という独立した法律があったが、2007年の廃止にあたり、健康診断等は感染症法へ、予防接種は予防接種法へ振り分けられた。
選択肢ごとの確認
一類感染症は、エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱の7疾患になる。危険性が極めて高く、原則として入院が必要になる。
三類感染症は、コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフスの5疾患になる。特定の職業(飲食物の製造、販売、調製、取扱いなど)への就業が制限される。
四類感染症は、動物や飲食物などを介して感染するもので、E型肝炎、A型肝炎、黄熱、Q熱、狂犬病、マラリア、デング熱、日本脳炎、レジオネラ症などが含まれる。消毒などの物的な措置が中心になる。
五類感染症は、国が発生動向を調査し、情報を提供することで発生と拡大を防止すべきもので、インフルエンザ(鳥・新型を除く)、ウイルス性肝炎(E型・A型を除く)、後天性免疫不全症候群、麻疹、風疹、梅毒、そして新型コロナウイルス感染症(2023年5月から)などが含まれる。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
二類感染症を覚えるのが実用的になる。急性灰白髄炎(ポリオ)、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、鳥インフルエンザ(H5N1、H7N9)。この6つになる。加えて、一類の7疾患と三類の5疾患を覚えれば、残りは四類か五類と判断できる。届出の期限も対応づける(一類〜四類と、五類の一部は直ちに。五類の多くは7日以内)。
理解を深める
結核対策を整理する。疫学=日本の罹患率は年々低下し、2021年に人口10万対10を下回って「低まん延国」となったが、高齢者と外国出生者の割合が高く、依然として注意を要する。感染と発病=感染しても、発病するのは約1〜2割で、その半数は感染から2年以内に、残りは免疫が低下したときに発病する(内因性再燃)。空気感染するため、N95マスクと陰圧の個室が必要になる。診断=喀痰の塗抹検査(抗酸菌染色)、培養、そして核酸増幅検査。塗抹陽性は感染性が高いことを示す。感染の有無は、インターフェロンγ遊離試験(BCGの影響を受けない)またはツベルクリン反応で調べる。治療=多剤併用(イソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、エタンブトールまたはストレプトマイシン)を6か月以上。副作用=肝障害(イソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド)、末梢神経障害(イソニアジド。ビタミンB6で予防する)、視神経障害(エタンブトール。視力と色覚の変化に注意)、聴力障害(ストレプトマイシン)、そして尿と体液の橙赤色化(リファンピシン。無害だがコンタクトレンズが着色する)。服薬の中断は耐性菌を生むため、直接服薬確認療法(DOTS)により、服薬を確認しながら治療を完遂する。看護=空気感染の予防、服薬の支援、副作用の観察、そして生活と就労の調整になる。
間違えやすい考え方
類型を問う型で、誤肢がすべて他の類型である。二類の6疾患を覚えて、一類・三類と対比する。
5分で振り返る
①二類感染症=急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群、中東呼吸器症候群、鳥インフルエンザ(H5N1・H7N9)の6疾患。②一類=エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱の7疾患。③三類=コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフスの5疾患。特定の職業への就業が制限される。④四類=動物や飲食物を介するもの(E型・A型肝炎、狂犬病、マラリア、デング熱、日本脳炎、レジオネラ症)。⑤五類=発生動向の調査により発生と拡大を防止すべきもの。⑥結核は空気感染し、N95マスクと陰圧個室が必要。⑦治療は多剤併用を6か月以上。中断は耐性菌を生むため直接服薬確認療法を行う。
1分チェック
- 結核は感染症法の。→ 二類感染症。
この問題に対応する教材の確認中です。