B 細胞が抗原認識によって分化した抗体産生細胞はどれか。
公式正答:2
解説
B細胞が抗原認識によって分化した抗体産生細胞を問う。形質細胞である。
この問題で問われていること
免疫に関わる細胞の役割を区別できるか。
しくみから理解する
B細胞は、骨髄で分化した細胞で、表面に抗原受容体(膜結合型の抗体)を持つ。抗原を認識し、ヘルパーT細胞からの助けを受けると、活性化して増殖し、抗体を産生する形質細胞(プラズマ細胞)へ分化する。形質細胞は、細胞質が発達し、大量の抗体を分泌することに特化した細胞になる。一部のB細胞は、記憶B細胞として長く残り、次に同じ抗原に出会ったときに速やかに反応する(二次応答)。
選択肢ごとの確認
マクロファージは、単球が組織へ移行した細胞で、貪食、抗原提示、そしてサイトカインの産生を担う。抗体は産生しない。
肥満細胞(マスト細胞)は、組織に存在し、表面にIgEが結合している。アレルゲンが結合すると、ヒスタミンなどを放出して、Ⅰ型アレルギー反応を起こす。抗体は産生しない。
T細胞は、胸腺で分化した細胞で、細胞性免疫を担う。ヘルパーT細胞(免疫の調節)、細胞傷害性T細胞(感染細胞と腫瘍細胞の破壊)、制御性T細胞(過剰な反応の抑制)に分かれる。抗体は産生しない。
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混同しやすいポイント
「抗体を作るのは形質細胞だけ」という点を押さえる。誤肢は、いずれも免疫に関わる重要な細胞だが、抗体は産生しない。細胞ごとの役割を対応づける。B細胞→形質細胞=抗体の産生(液性免疫)。T細胞=細胞性免疫の調節と実行。マクロファージと樹状細胞=貪食と抗原提示。好中球=貪食と殺菌。ナチュラルキラー細胞=感染細胞と腫瘍細胞の破壊(抗原の認識を要しない)。好酸球=寄生虫とアレルギー。肥満細胞と好塩基球=Ⅰ型アレルギー。
理解を深める
免疫の全体像を整理する。自然免疫=生まれつき備わる。物理的・化学的バリア、食細胞(好中球、マクロファージ)、ナチュラルキラー細胞、補体、そしてサイトカイン。速く働くが、特異性が低く、記憶が残らない。獲得免疫=抗原に特異的。液性免疫(B細胞と抗体)と細胞性免疫(T細胞)。遅いが、特異的で、記憶が残る。両者は連携しており、樹状細胞が自然免疫と獲得免疫をつなぐ役割を果たす。免疫の異常=①免疫不全(先天性、後天性=ヒト免疫不全ウイルス感染、免疫抑制薬、悪性腫瘍、低栄養、高齢)、②アレルギー(Ⅰ〜Ⅳ型)、③自己免疫疾患(自己の成分に対する免疫反応)、④移植の拒絶反応と移植片対宿主病。血液の腫瘍も、免疫の細胞が腫瘍化したものになる(多発性骨髄腫=形質細胞、リンパ腫=リンパ球)。多発性骨髄腫では、腫瘍化した形質細胞が単一の免疫グロブリン(Mタンパク)を大量に産生する一方、正常な免疫グロブリンは減るため、易感染性になる。看護では、免疫が低下している患者を把握し、感染の予防と早期の発見に努める。とくに、好中球が減少している患者では、発熱が唯一の徴候になることがあり、直ちに対応する必要がある。
間違えやすい考え方
細胞の役割を問う型で、誤肢がいずれも抗体を産生しない細胞である。抗体を作るのは形質細胞だけと押さえる。
5分で振り返る
①B細胞は骨髄で分化し、抗原を認識してヘルパーT細胞の助けを受けると、形質細胞へ分化して抗体を産生する。②一部は記憶B細胞として長く残り、二次応答を担う。③マクロファージ=貪食、抗原提示、サイトカインの産生。④肥満細胞=表面のIgEにアレルゲンが結合し、ヒスタミンを放出してⅠ型アレルギーを起こす。⑤T細胞=細胞性免疫。ヘルパー、細胞傷害性、制御性に分かれる。⑥ナチュラルキラー細胞は、抗原の認識を要さずに感染細胞と腫瘍細胞を破壊する。⑦多発性骨髄腫は形質細胞の腫瘍で、Mタンパクを産生する一方、正常な免疫グロブリンが減って易感染性になる。
1分チェック
- B細胞が分化した抗体産生細胞は。→ 形質細胞。
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