皮膚筋炎〈dermatomyositis〉の 皮膚症状はどれか。
公式正答:4
解説
皮膚筋炎の皮膚症状を問う。ヘリオトロープ疹である。
この問題で問われていること
膠原病ごとの特徴的な皮疹を対応づけられるか。
しくみから理解する
ヘリオトロープ疹は、上眼瞼を中心とした、赤紫色(ヘリオトロープの花の色にちなむ)の浮腫性の紅斑になる。皮膚筋炎に特徴的な所見で、診断の基準にも含まれる。もう一つの特徴的な皮疹がゴットロン徴候(丘疹)で、手指の関節の背側、肘、膝といった伸側に、角化を伴う紅斑が現れる。皮膚筋炎では、これらの皮膚症状に加えて、体幹に近い筋(頸部、肩、大腿)の筋力低下が生じ、立ち上がり、階段の昇降、そして頭を持ち上げる動作が難しくなる。悪性腫瘍を合併することがあるため、診断時には全身の検索が行われる。また、間質性肺炎の合併は予後を左右する重要な問題になる。
選択肢ごとの確認
環状紅斑は、中央が退色し輪状にみえる紅斑で、リウマチ熱、シェーグレン症候群、そして一部の感染症でみられる。皮膚筋炎の特徴ではない。
蝶形紅斑は、鼻梁から両頬にかけて、蝶が羽を広げたような形に広がる紅斑で、全身性エリテマトーデスに特徴的な所見になる。日光に曝露された後に悪化する。
ディスコイド疹(円板状皮疹)も、全身性エリテマトーデスの皮疹になる。境界の明瞭な円形の紅斑で、鱗屑と毛孔の角栓を伴い、瘢痕と色素の変化を残す。顔面、頭部、耳介に好発する。
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混同しやすいポイント
膠原病ごとの特徴的な皮疹を、対応づけて覚える。皮膚筋炎=ヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候。全身性エリテマトーデス=蝶形紅斑、円板状皮疹、光線過敏。全身性強皮症=皮膚の硬化(手指から始まる)、レイノー現象、指尖の潰瘍。ベーチェット病=口腔内アフタ、外陰部潰瘍、結節性紅斑、毛囊炎様皮疹。血管炎症候群=紫斑、網状皮斑、皮膚の潰瘍。誤肢の2つが全身性エリテマトーデスの皮疹であり、両疾患の区別が問われている。
理解を深める
皮膚筋炎と多発性筋炎を整理する。共通=体幹に近い筋の対称性の筋力低下、筋原性酵素(クレアチンキナーゼ、アルドラーゼ)の上昇、筋電図の異常、そして筋生検での炎症の所見。皮膚筋炎=これに特徴的な皮疹(ヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候)を伴う。多発性筋炎=皮疹を伴わない。症状=立ち上がりにくい、階段が昇りにくい、髪を洗う動作が難しい、頭を持ち上げられない、そして嚥下障害(咽頭の筋の障害。誤嚥性肺炎の原因になる)。合併症=①間質性肺炎(とくに急速に進行する型は予後不良)、②悪性腫瘍(皮膚筋炎では特に頻度が高く、診断時と経過中の検索が必要になる)、③心筋炎、④石灰沈着(小児に多い)。治療=副腎皮質ステロイドが基本で、免疫抑制薬を併用する。看護=①筋力低下に応じた日常生活の支援(動作の工夫、自助具、環境の整備)、②嚥下障害への対応(食形態、姿勢、誤嚥の予防)、③呼吸状態の観察(間質性肺炎の徴候=労作時の呼吸困難、乾性咳嗽)、④皮膚の保護(紫外線を避ける、保湿)、⑤ステロイドの副作用の管理、⑥安静と運動のバランス(急性期は安静、改善に伴って段階的にリハビリテーションを進める)。
間違えやすい考え方
皮疹を問う型で、誤肢に全身性エリテマトーデスの皮疹が2つ混ぜられている。疾患と皮疹を対応づけて切る。
5分で振り返る
①ヘリオトロープ疹=上眼瞼を中心とした赤紫色の浮腫性の紅斑。皮膚筋炎に特徴的。②ゴットロン徴候=手指の関節背側、肘、膝の伸側の角化を伴う紅斑。同じく特徴的。③蝶形紅斑と円板状皮疹は全身性エリテマトーデスの皮疹。④環状紅斑はリウマチ熱、シェーグレン症候群などでみられる。⑤皮膚筋炎では、体幹に近い筋の筋力低下(立ち上がり、階段、頭の挙上)が生じる。⑥合併症=間質性肺炎(予後を左右する)、悪性腫瘍(診断時に全身の検索が必要)、心筋炎。⑦嚥下障害による誤嚥性肺炎にも注意する。
1分チェック
- 皮膚筋炎の皮膚症状は。→ ヘリオトロープ疹(上眼瞼の赤紫色の浮腫性紅斑)。
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