日本の平成30 年(2018 年)の健康に関する指標の記述で正しいのはどれか。
公式正答:1
解説
日本の平成30年(2018年)の健康に関する指標の記述で正しいものを問う。女性の死因の第3位は老衰である、である。
この問題で問われていること
死因の順位と平均寿命の水準を、性別ごとに区別できるか。
しくみから理解する
平成30年(2018年)の死因の順位は、全体では、第1位が悪性新生物、第2位が心疾患、第3位が老衰、第4位が脳血管疾患、第5位が肺炎になる。女性では、老衰が第3位に位置する。老衰による死亡は近年著しく増加しており、その背景には、高齢化の進行と、死亡診断の考え方の変化(治療可能な病態がなく、高齢による自然な経過での死亡を老衰とする判断が増えた)がある。とくに女性は平均寿命が長く、高齢で亡くなる人が多いため、老衰の順位が高くなる。
選択肢ごとの確認
男性の死因の第3位は肺炎ではない。平成30年では、男性は第1位が悪性新生物、第2位が心疾患、第3位が脳血管疾患、第4位が肺炎、第5位が老衰であった。順位は年により入れ替わるため、受験の年に対応する最新の値を確認する。
女性の平均寿命は89年を超えていない。平成30年では87.32年であった。89年を超えるのは、現時点では将来の推計になる。
男性の平均寿命も83年を超えていない。平成30年では81.25年であった。
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混同しやすいポイント
「男性81年、女性87年」という平均寿命の水準と、「悪性新生物、心疾患、老衰」という死因の上位を押さえる。誤肢は、順位の誤りと、平均寿命を過大に述べたものになる。統計の設問では、大きな水準と順位を持っていれば、細かい数値を覚えていなくても判断できることが多い。
理解を深める
死因の動向を整理する。悪性新生物=1981年以降、一貫して第1位。部位別の順位は年により変動する。設問が問う平成30年では、男性が肺、胃、大腸、膵、肝の順、女性が大腸、肺、膵、胃、乳房の順になる。年齢調整死亡率は低下傾向にあるが、高齢化により実数は増えている。心疾患=第2位。虚血性心疾患と心不全が中心になる。老衰=近年急増し、第3位に上昇した。90歳以上では最も多い死因になる。脳血管疾患=かつては第1位であったが、高血圧の管理と食生活の変化により大きく減少した。ただし、後遺症による要介護の原因としては依然として上位を占める。肺炎=高齢者の誤嚥性肺炎が中心になる。2017年から誤嚥性肺炎が別に集計されるようになり、肺炎の順位が下がった。死因の分類は、国際疾病分類にもとづき、また記載の方法や集計の変更によっても順位が動くため、単純な比較には注意が要る。年齢階級別の死因=10〜30歳台では自殺が第1位で、これは他の先進国と比べても特徴的な状況になる。若年層への自殺対策が課題とされる。乳児死亡の原因=先天奇形、変形および染色体異常が第1位。看護の実務では、これらの統計が、地域で何が起きているか、そして何を予防すべきかを示す手がかりになる。
間違えやすい考え方
統計を問う型で、誤肢が順位の誤りと平均寿命の過大である。水準と順位を押さえて切る。
5分で振り返る
①平成30年の死因の順位(全体)=悪性新生物、心疾患、老衰、脳血管疾患、肺炎。②女性では老衰が第3位。男性では脳血管疾患が第3位で、肺炎が第4位、老衰が第5位であった。③老衰の増加は、高齢化と死亡診断の考え方の変化による。④平均寿命は平成30年で男性81.25年、女性87.32年。⑤悪性新生物は1981年以降一貫して第1位。年齢調整死亡率は低下しているが実数は増えている。⑥脳血管疾患は大きく減少したが、要介護の原因としては上位。⑦10〜30歳台では自殺が第1位で、他の先進国と比べても特徴的な状況になる。
1分チェック
- 平成30年の女性の死因の第3位は。→ 老衰(平均寿命は女性87年、男性81年)。
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