血中濃度の測定にあたり食事の影響を考慮すべきホルモンはどれか。
公式正答:1
解説
血中濃度の測定にあたり食事の影響を考慮すべきホルモンを問う。グルカゴンである。
この問題で問われていること
ホルモンごとの分泌の刺激を知っているか。
しくみから理解する
グルカゴンは、膵臓のランゲルハンス島のA細胞(α細胞)から分泌され、肝臓のグリコーゲンの分解と糖新生を促して、血糖を上げる。分泌の最大の刺激は低血糖であり、逆に高血糖では抑えられる。したがって、食事によって血糖が変動すると、グルカゴンの血中濃度も大きく変わる。測定にあたっては、空腹時に行うなど、食事の条件をそろえる必要がある。同様に、インスリンも食事の影響を強く受ける。
選択肢ごとの確認
メラトニンは、松果体から分泌され、睡眠と覚醒のリズムを調節する。分泌は光によって抑えられ、暗くなると増える。したがって、食事ではなく、時刻と光の条件を考慮する必要がある。夜間に高く、日中に低いという明瞭な日内変動を示す。
コルチゾールは、副腎皮質から分泌される。日内変動が大きく、早朝に最も高く、夜間に最も低くなる。したがって、測定の時刻を一定にする必要がある。ストレスによっても急に上昇するため、採血時の緊張も影響する。
バゾプレシン(抗利尿ホルモン)は、下垂体後葉から分泌され、腎の集合管での水の再吸収を促す。分泌の刺激は、血漿浸透圧の上昇と、循環血液量の減少になる。食事そのものより、水分の出納と浸透圧の状態を考慮する。
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混同しやすいポイント
ホルモンごとに、「何によって分泌が変わるか」を対応づける。食事(血糖)=インスリン、グルカゴン。時刻と光=メラトニン。時刻とストレス=コルチゾール、成長ホルモン(睡眠中に増える)。浸透圧と循環血液量=バゾプレシン、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系。カルシウム=副甲状腺ホルモン、カルシトニン。この対応を持てば、測定の条件も導ける。
理解を深める
ホルモンの検査の条件を整理する。空腹時に測る=インスリン、グルカゴン、血糖、そして脂質。時刻を一定にする=コルチゾール(早朝と夕方または深夜)、副腎皮質刺激ホルモン、成長ホルモン、そして甲状腺刺激ホルモン(日内変動は小さいが、深夜に高い)。安静にして測る=レニン活性とアルドステロン(体位の影響を受ける。臥位と立位で値が変わる)、カテコールアミン(ストレスと運動で上昇)。月経周期を考慮する=エストロゲン、プロゲステロン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン。負荷試験=基礎値だけでは判断できない場合に、刺激または抑制をかけて反応をみる。成長ホルモン分泌刺激試験、デキサメタゾン抑制試験(クッシング症候群の診断)、そして経口ブドウ糖負荷試験(成長ホルモンの抑制をみれば先端巨大症の診断)。看護の役割=①検査の条件を正確に守る(絶食、時刻、体位、安静)、②検査の意味と手順を患者へ説明する、③負荷試験では、副作用と低血糖に備える、④採血の時刻を正確に記録する。条件が守られなければ、値の解釈ができず、検査そのものが無駄になる。「なぜこの時刻に、この条件で採るのか」を理解していると、確実に実施できる。
間違えやすい考え方
測定の条件を問う型で、誤肢が時刻・光・浸透圧の影響を受けるホルモンである。分泌の刺激で切る。
5分で振り返る
①グルカゴンは膵ランゲルハンス島のA細胞から分泌され、血糖を上げる。分泌の最大の刺激は低血糖で、高血糖では抑えられる。②したがって食事による血糖の変動が濃度に大きく影響する。インスリンも同様。③メラトニンは光により抑えられ、暗くなると増える。夜間に高く日中に低い。④コルチゾールは早朝に最も高く夜間に低い。ストレスでも上昇する。⑤バゾプレシンは血漿浸透圧の上昇と循環血液量の減少で分泌される。⑥レニンとアルドステロンは体位の影響を受ける。⑦検査の条件(絶食、時刻、体位、安静)が守られなければ値の解釈ができない。
1分チェック
- 食事の影響を考慮するのは。→ グルカゴン(血糖により大きく変動する)。
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