脳血管造影を行う患者の看護について適切なのはどれか。
公式正答:3
解説
脳血管造影を行う患者の看護について適切なものを問う。穿刺部末梢側の動脈の拍動を確認することである。
この問題で問われていること
動脈を穿刺する検査の合併症を予測できるか。
しくみから理解する
脳血管造影では、大腿動脈または橈骨動脈からカテーテルを挿入する。動脈を穿刺するため、①出血と血腫、②血栓と塞栓による末梢の血流の障害、③動脈の解離と仮性動脈瘤、という合併症が起こりうる。とくに、止血のための圧迫が強すぎる、あるいは血栓ができると、その末梢の血流が絶たれる。したがって、検査の前後を通じて、穿刺部より末梢側の動脈(大腿からなら足背動脈と後脛骨動脈、橈骨からなら手指の血流)の拍動を確認し、あわせて皮膚の色、温度、しびれ、そして疼痛を観察する。検査前に触知の状態を確認しておくことで、検査後の変化を捉えられる。
選択肢ごとの確認
前日に頭部の剃毛は行わない。脳血管造影は、カテーテルを血管内へ入れて脳血管を撮影する検査であり、頭部を切開するものではない。剃毛が必要なのは穿刺部(鼠径部)で、それも必要な場合に限り、剃刀ではなくクリッパーを用い、直前に行う(前日の剃毛は、傷から細菌が増えるため推奨されない)。
検査中に患者に話しかけないというのは誤りになる。局所麻酔で行われ、患者は意識がある。造影剤の注入時には、熱感、痛み、そして不快感が生じることがあるため、事前に説明し、検査中も声をかけて、体動を防ぎ、不安を和らげる。また、意識と神経症状の変化(合併症としての脳梗塞)を捉えるためにも、呼びかけへの反応を確認することが重要になる。
検査30分前まで食事ができるというのも誤りになる。造影剤による悪心・嘔吐と、緊急の対応の可能性を考えて、数時間前から絶食にする(施設の方針による)。水分については、造影剤の排泄を促すため、指示に従って摂取することもある。
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混同しやすいポイント
誤肢は、剃毛の要否と時期、検査中の関わり、そして絶食という3点で誤っている。「動脈を穿刺する」という検査の性質から、末梢の血流の観察が最も重要だと導ける。加えて、造影剤を用いる検査に共通する注意(アレルギー、腎機能、ビグアナイド系薬の休薬)も押さえる。
理解を深める
血管造影と血管内治療の看護を整理する。検査前=①同意の確認、②アレルギー(造影剤、ヨード、そして甲殻類)の確認、③腎機能の確認(造影剤腎症のリスク。推算糸球体濾過量が低ければ、輸液による予防を検討する)、④ビグアナイド系血糖降下薬は、原則として造影前から中止し、造影後少なくとも48時間は再開せず、腎機能と患者状態を確認してから再開する(緊急検査等は添付文書と医師指示に従う)、⑤抗凝固薬と抗血小板薬の確認、⑥絶食、⑦穿刺部の確認と、末梢動脈の触知の記録(マーキングしておくと分かりやすい)、⑧排尿を済ませる。検査中=バイタルサイン、意識、神経症状、そして造影剤による反応(掻痒、蕁麻疹、悪心、呼吸困難、血圧の低下)の観察。検査後=①穿刺部の止血と圧迫、安静(大腿動脈からの場合は数時間の臥床と、穿刺側の下肢の伸展)、②穿刺部の出血、血腫、疼痛の観察、③末梢動脈の拍動、皮膚の色と温度、しびれ、④意識と神経症状(合併症としての脳梗塞と出血)、⑤水分の摂取(造影剤の排泄を促す)、⑥尿量、⑦遅発性の造影剤アレルギー(数時間から数日後の皮疹)。橈骨動脈からの場合は、圧迫の時間が短く、早期に離床できるため、負担が小さくなる。
間違えやすい考え方
看護を問う型で、誤肢が剃毛・検査中の関わり・絶食で誤っている。動脈を穿刺するという性質で切る。
5分で振り返る
①脳血管造影は動脈を穿刺するため、出血と血腫、血栓による末梢の血流障害、動脈の解離が起こりうる。②穿刺部より末梢側の動脈の拍動、皮膚の色と温度、しびれ、疼痛を、検査の前後を通じて観察する。③検査前に触知の状態を確認しておくと、変化を捉えられる。④頭部の剃毛は不要。穿刺部の剃毛も必要な場合のみ、クリッパーで直前に行う。⑤局所麻酔で意識があるため、声をかけて不安を和らげ、神経症状の変化も捉える。⑥造影剤の使用のため数時間前から絶食にする。⑦検査前にアレルギー、腎機能、ビグアナイド系薬の休薬、抗凝固薬を確認する。
1分チェック
- 脳血管造影では。→ 穿刺部より末梢側の動脈の拍動を確認する。
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