乳房超音波検査を受ける女性患者への説明で正しいのはどれか。
公式正答:4
解説
乳房超音波検査を受ける女性患者への説明で正しいものを問う。「仰向けで検査を行います」である。
この問題で問われていること
検査の方法を、マンモグラフィと区別できるか。
しくみから理解する
乳房超音波検査は、仰臥位で、検査する側の腕を挙上した姿勢で行う。この姿勢により、乳房が胸壁の上に広がり、乳腺の全体を観察しやすくなる。プローブにゼリーを塗り、乳房と腋窩を走査する。放射線を用いず、痛みもなく、繰り返し行えるため、若年者、妊娠中と授乳中の女性にも実施できる。高濃度乳房(乳腺の密度が高い乳房。日本人の若い女性に多い)では、マンモグラフィで病変が見つかりにくいため、超音波検査が補完的に有用になる。
選択肢ごとの確認
起床時からの絶食は不要になる。乳房の検査であり、消化管の状態は影響しない。絶食が必要なのは、腹部の超音波検査(消化管のガスを減らし、胆囊を収縮させないため)と、内視鏡、そして全身麻酔を伴う検査になる。
乳房を器具で挟むのはマンモグラフィ(乳房X線撮影)になる。乳房を圧迫板で挟んで薄く広げ、少ない放射線量で鮮明な画像を得る。圧迫による痛みを伴う。超音波検査では挟まない。
月経中でも検査はできる。ただし、月経前と月経中は、乳房が張って痛みが出やすいため、マンモグラフィでは月経開始から数日後(乳房の張りが引いた時期)が勧められる。超音波検査では、時期の制約は基本的にない。
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混同しやすいポイント
誤肢のうち、「器具で挟む」はマンモグラフィとの取り違えになる。2つの検査を対比して覚える。マンモグラフィ=X線、圧迫板で挟む、痛みを伴う、石灰化の描出に優れる、高濃度乳房では感度が下がる、妊娠中は避ける。超音波=放射線を用いない、仰臥位で腕を挙上、痛みがない、腫瘤の性状と大きさの評価に優れる、妊娠中と授乳中も可能。
理解を深める
乳がん検診と乳房の検査を整理する。検診=国の指針では、40歳以上の女性に対して、2年に1回のマンモグラフィによる検診が推奨される。超音波検査の追加については、有効性の検証が進められている段階になる。自己検診=月に1回、月経終了後4〜7日頃(閉経後は日を決めて)に、視診(左右差、皮膚のひきつれ、乳頭の陥没と分泌)と触診(指の腹で、渦を描くように、脇の下まで)を行う。しこりを見つけたら受診する。ただし、自己検診だけでは早期の発見に限界があり、検診の受診が重要になる。診断=マンモグラフィ、超音波、必要に応じて磁気共鳴画像検査、そして細胞診と組織診(穿刺吸引細胞診、針生検、そして切除生検)。治療=手術(乳房部分切除術、乳房全切除術、そしてセンチネルリンパ節生検により腋窩郭清を省略できる場合がある)、放射線療法、薬物療法(ホルモン療法、化学療法、そして分子標的薬)。看護=①検査への不安(結果を待つ間の不安は非常に強い)、②ボディイメージの変化(乳房の喪失、脱毛)、③リンパ浮腫の予防、④上肢の運動の指導、⑤妊孕性と将来の生活、⑥パートナーとの関係、⑦長期のホルモン療法の継続。若い世代に発症することも多く、仕事、育児、そして妊娠と出産に関わる相談が伴う。
間違えやすい考え方
検査の方法を問う型で、誤肢に別の検査の特徴が混ぜられている。マンモグラフィとの対比で切る。
5分で振り返る
①乳房超音波検査は、仰臥位で検査側の腕を挙上して行う。乳房が胸壁の上に広がり観察しやすくなる。②放射線を用いず、痛みもなく、妊娠中と授乳中も実施できる。③高濃度乳房ではマンモグラフィの感度が下がるため、超音波が補完的に有用になる。④絶食は不要(腹部の超音波では必要)。⑤乳房を挟むのはマンモグラフィ。圧迫板で薄く広げ、少ない線量で鮮明な画像を得る。石灰化の描出に優れる。⑥月経中でも超音波は実施できる。マンモグラフィは乳房の張りが引いた時期が勧められる。⑦検診は40歳以上、2年に1回のマンモグラフィが指針。
1分チェック
- 乳房超音波検査は。→ 仰臥位で、腕を挙上して行う(挟まない、絶食も不要)。
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