新生児の出血性疾患で正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
新生児の出血性疾患で正しいものを問う。母乳栄養児は発症のリスクが高い、である。
この問題で問われていること
ビタミンKの欠乏が起こる理由を説明できるか。
しくみから理解する
新生児・乳児のビタミンK欠乏性出血症は、母乳栄養児で発症のリスクが高い。理由は、①母乳のビタミンKの含有量が人工乳より少ない、②新生児は腸内細菌叢が未熟で、腸内でのビタミンKの産生が乏しい、③胎盤を通過するビタミンKが少なく、出生時の貯蔵量が限られる、という3つになる。ビタミンKは、肝臓で血液凝固因子(第Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ因子)を作るのに必要であり、不足すると出血をきたす。
選択肢ごとの確認
生後48時間以内にも発症する。発症の時期により3つに分けられる。①早発型(生後24時間以内。母体の薬剤=抗てんかん薬、抗結核薬、抗凝固薬の影響による)、②古典型(生後2〜7日。新生児メレナ=消化管出血として現れる)、③遅発型(生後2週から2か月頃。頭蓋内出血として現れることが多く、後遺症を残す危険が高い)。
予防はカルシウムではなくビタミンKの内服になる。ビタミンK2シロップを投与する。従来は、出生後、生後1週(または産科退院時)、そして生後1か月の3回投与する方式が行われてきたが、現在は、生後3か月まで週1回投与する方式が推奨されている。
早期に現れる所見は蕁麻疹ではない。消化管出血(吐血、下血=新生児メレナ)、臍からの出血、皮下出血、注射部位からの持続する出血、そして頭蓋内出血(哺乳力の低下、嘔吐、けいれん、大泉門の膨隆、意識障害)になる。
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混同しやすいポイント
誤肢は、発症の時期、予防の方法、そして症状という3点で誤っている。「母乳栄養=ビタミンKが不足しやすい」という基本を押さえれば、正答は導ける。加えて、遅発型が頭蓋内出血として現れ、後遺症を残しうるという点が、予防の重要性の根拠になる。
理解を深める
ビタミンK欠乏性出血症の予防を整理する。投与=ビタミンK2シロップ(メナテトレノン)。従来の3回投与方式では、遅発型の発症が完全には防げなかったため、現在は生後3か月まで週1回(計13回程度)投与する方式が推奨されている。退院後は家庭で投与するため、家族への説明と、母子健康手帳への記録が重要になる。飲み忘れを防ぐ工夫(曜日を決める、記録をつける)も伝える。リスクが高い場合=母親が抗てんかん薬、抗結核薬、抗凝固薬を服用している場合は、妊娠中の母体への投与と、出生後の児への追加の投与が検討される。また、胆道閉鎖症など、脂肪とビタミンKの吸収が障害される疾患では、投与していても欠乏することがある。灰白色便と遷延する黄疸は、胆道閉鎖症を疑う所見であり、母子健康手帳の便色カードによる確認が広く行われている。看護=①投与の確実な実施と記録、②家族への説明(なぜ必要か、いつまで続けるか、飲ませ方)、③出血の徴候の観察(消化管出血、臍出血、皮下出血、そして頭蓋内出血の徴候)、④哺乳の状況と体重の確認、⑤便の色の確認。頭蓋内出血は、後遺症を残し、また生命にも関わるため、予防が最も重要な対策になる。
間違えやすい考え方
疾患の特徴を問う型で、誤肢が時期・予防・症状で誤っている。母乳とビタミンKの関係で切る。
5分で振り返る
①母乳栄養児でリスクが高い理由=母乳のビタミンKが少ない、腸内細菌が未熟で産生が乏しい、胎盤通過が少なく貯蔵量が限られる。②ビタミンKは凝固因子(第Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ因子)の合成に必要。③発症の時期=早発型(24時間以内。母体の薬剤による)、古典型(生後2〜7日。新生児メレナ)、遅発型(生後2週〜2か月。頭蓋内出血が多く後遺症を残しやすい)。④予防はビタミンK2シロップ。現在は生後3か月まで週1回の投与が推奨される。⑤症状=吐血と下血、臍出血、皮下出血、注射部位からの出血、頭蓋内出血(哺乳力の低下、嘔吐、けいれん、大泉門の膨隆)。⑥胆道閉鎖症では吸収が障害され、投与していても欠乏しうる。⑦灰白色便と遷延する黄疸は胆道閉鎖症を疑う所見。便色カードで確認する。
1分チェック
- ビタミンK欠乏性出血症は。→ 母乳栄養児でリスクが高い。
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