入院中の小児のストレス因子と発達段階の組合せで正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
入院中の小児のストレス因子と発達段階の組合せで正しいものを問う。病気の予後への不安と学童期である。
この問題で問われていること
発達段階ごとに、何がストレスになるかを対応づけられるか。
しくみから理解する
学童期(およそ6〜12歳)では、認知の発達により、病気の意味、治療の目的、そして予後についてある程度理解できるようになる。同時に、死の不可逆性も理解するため、「治るのか」「死ぬのか」という予後への不安を抱く。加えて、学業の遅れ、友人との関係の断絶、そして「できないこと」が増えることによる劣等感も、この時期のストレスになる。したがって、病気の予後への不安は、学童期のストレス因子として適切な組み合わせになる。
選択肢ごとの確認
見慣れない環境がストレスになるのは、新生児期ではなく、生後6〜8か月頃の乳児期後半からになる(人見知り、場所見知り)。新生児では、環境の認知がまだ十分でなく、むしろ音、光、痛み、そして温度といった感覚の刺激と、親からの分離がストレスになる。
プライバシーの侵害がストレスになるのは、幼児期ではなく、学童期後半から思春期になる。身体の変化への意識と、自我の確立に伴い、身体を見られること、そして私的な領域に踏み込まれることに強い抵抗を感じるようになる。幼児期では、この意識はまだ乏しい。
母子分離がストレスになるのは、思春期ではなく、乳児期後半から幼児期になる。生後6〜8か月頃から人見知りが始まり、愛着の対象から離れることに強い不安を示す(分離不安)。この時期の入院では、母親の付き添いと、面会の確保が重要になる。思春期では、むしろ親から距離を取ろうとする。
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混同しやすいポイント
発達段階ごとのストレス因子を、一覧で整理する。乳児期=分離不安、感覚の刺激、日課の乱れ。幼児期=分離不安、身体を傷つけられることへの恐怖、行動の制限、そして「悪いことをした罰」という誤解。学童期=予後への不安、学業の遅れ、友人との断絶、自立の妨げ、そして劣等感。思春期=プライバシーの喪失、ボディイメージの変化、進路への不安、自立の妨げ、そして仲間からの孤立。誤肢は、この対応をずらして作られている。
理解を深める
入院した子どもへの支援を整理する。共通=①発達段階に応じた説明(プレパレーション)、②遊びと学習の機会、③日課の維持、④選べる場面をつくる、⑤家族との時間、⑥痛みと苦痛の緩和、⑦できたことを認める。乳児期=親の付き添い、抱っこ、そしていつもの物(おもちゃ、タオル)を身近に。幼児期=遊びを通じた説明(人形、絵本、医療器具に触れる)、「あなたのせいではない」と伝える、退行を受け止める、そして選択の機会(どちらの腕にするか)。学童期=正確な説明、質問に答える、院内学級と学習の継続、友人との連絡(手紙、メッセージ、オンライン)、そして自分でできることを担ってもらう。思春期=プライバシーの確保(カーテン、個室、露出の最小化)、本人と話す時間(親のいない場面)、意思決定への参加、外見への配慮、そして同世代との交流。医療者の姿勢=子どもを「説明の対象」ではなく「参加する主体」として扱う。年齢が低くても、その子なりの理解と意思がある。子どもの権利条約が定める、意見を表明する権利と、最善の利益の尊重は、医療の場でも守られるべき原則になる。
間違えやすい考え方
組合せを問う型で、誤肢が対応をずらして作られている。発達段階ごとのストレス因子を一覧で持って切る。
5分で振り返る
①学童期(6〜12歳)は、病気の意味と予後を理解でき、死の不可逆性も分かるため、予後への不安を抱く。②加えて、学業の遅れ、友人との断絶、劣等感もこの時期のストレスになる。③見慣れない環境がストレスになるのは、生後6〜8か月頃の乳児期後半から。新生児では感覚の刺激と親からの分離がストレスになる。④プライバシーの侵害は学童期後半から思春期。⑤母子分離は乳児期後半から幼児期(生後6〜8か月頃から分離不安)。⑥思春期では、むしろ親から距離を取ろうとする。⑦支援=発達段階に応じた説明、遊びと学習、日課の維持、選べる場面、家族との時間、苦痛の緩和。
1分チェック
- 病気の予後への不安がストレスになるのは。→ 学童期。
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