マタニティブルーズ maternity blues について正しいのはどれか。
公式正答:4
解説
マタニティブルーズについて正しいものを問う。産後のホルモンの変動が要因となる、である。
この問題で問われていること
産後の心理の変化を、時期と機序で理解しているか。
しくみから理解する
マタニティブルーズは、産後の一過性の情緒の不安定な状態になる。要因として、胎盤の娩出に伴うエストロゲンとプロゲステロンの急激な低下という、ホルモンの変動が大きく関わると考えられている。加えて、分娩による身体的な疲労、睡眠の不足、育児への不安、そして環境の変化も影響する。産褥3〜10日頃に現れ、多くは2週間以内に自然に軽快する。産婦のおよそ3〜5割が経験するとされ、病的なものではなく、生理的な反応として捉えられる。
選択肢ごとの確認
主症状は意欲低下ではない。涙もろさ(理由なく涙が出る)が最も特徴的で、加えて、気分の変動、不安、いらだち、集中の困難、そして不眠がみられる。意欲の低下が持続する場合は、産後うつ病を疑う。
症状は2週間以上持続しない。2週間を超えて続く場合、あるいは症状が重い場合は、産後うつ病を疑って、専門的な対応につなぐ。
好発時期は産後1か月頃ではなく、産後3〜10日頃になる。産後1か月頃から現れて持続するのは、産後うつ病の経過に近い。
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混同しやすいポイント
「産褥3〜10日、2週間以内に軽快、涙もろさが主症状」という3点を押さえる。誤肢は、症状、期間、そして時期という3点で誤っており、いずれも産後うつ病との区別に関わる。この2つを取り違えると、必要な対応を逃すことになる。
理解を深める
産後うつ病との区別を整理する。マタニティブルーズ=産後3〜10日頃。2週間以内に軽快。涙もろさ、気分の変動、不安。生理的な反応で、多くは支持的な関わりで足りる。産後うつ病=産後数週間から数か月(多くは1か月以内に発症)。2週間以上持続する。抑うつ気分、興味と喜びの喪失、意欲の低下、食欲と睡眠の障害、強い自責感、児への関心の喪失または過度の心配、そして希死念慮。治療が必要になる。産後うつ病は、産婦のおよそ1割に生じるとされ、母子の関係と、児の発達にも影響する。危険因子=うつ病の既往、妊娠中の抑うつと不安、望まない妊娠、経済的な困難、パートナーとの関係の問題、社会的な孤立、そして児の健康上の問題。スクリーニング=エジンバラ産後うつ病自己評価票(10項目の質問紙。産後2週間と1か月の健診で広く用いられる)。あわせて、赤ちゃんへの気持ち質問票と、育児支援チェックリストが用いられる。対応=①話を聴く、②休息の確保(睡眠が最も重要な要素の一つになる)、③家族の理解と協力、④育児の負担の軽減(家事支援、産後ケア事業、地域の資源)、⑤必要に応じた治療(精神療法、薬物療法。授乳中でも使える薬がある)。看護の役割=産後うつ病を見逃さないこと、そして「頑張っている」と感じられる関わりをすることになる。産後の自殺は、妊産婦死亡の原因として無視できない割合を占めており、この時期の心理的な支援は、命に関わる課題になる。
間違えやすい考え方
状態を問う型で、誤肢が症状・期間・時期で誤っている。産後うつ病との区別で切る。
5分で振り返る
①マタニティブルーズは、胎盤の娩出によるエストロゲンとプロゲステロンの急激な低下が大きく関わる。②加えて、分娩の疲労、睡眠不足、育児への不安、環境の変化も影響する。③産褥3〜10日頃に現れ、多くは2週間以内に軽快する。産婦の3〜5割が経験する生理的な反応。④主症状は涙もろさ。気分の変動、不安、いらだち、集中の困難、不眠。⑤2週間を超えて続く、または症状が重い場合は産後うつ病を疑う。⑥産後うつ病は産婦の約1割。抑うつ、意欲の低下、強い自責感、児への関心の喪失、希死念慮。⑦スクリーニングにエジンバラ産後うつ病自己評価票を用いる。産後の自殺は妊産婦死亡の原因として無視できない。
1分チェック
- マタニティブルーズは。→ 産後のホルモンの変動が要因(産褥3〜10日、2週間以内に軽快)。
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