認知行動療法で患者に期待できる効果はどれか。
公式正答:1
解説
認知行動療法で患者に期待できる効果を問う。物事の捉え方のゆがみが修正されることである。
この問題で問われていること
精神療法ごとに、何を扱うかを区別できるか。
しくみから理解する
認知行動療法は、出来事に対して自動的に浮かぶ考え(自動思考)と、その背後にある考え方の枠組みが、感情と行動に影響しているという理解に立つ。極端な一般化、先読み、白黒思考、そして自己への否定的な結びつけといった認知のゆがみに気づき、それが事実に照らして妥当かを検討し、より現実に即した見方へ変えていく。あわせて、行動の面からも働きかける(行動の実験、活動の記録、段階的な曝露)。したがって、期待できる効果は、物事の捉え方のゆがみが修正されることになる。
選択肢ごとの確認
自ら催眠状態に導けるようになるのは、自律訓練法になる。決まった言語公式(「気持ちが落ち着いている」「右腕が重い」「右腕が温かい」など)を繰り返し唱えることで、リラックスした状態を自分で作り出す方法になる。
過去の自分の態度についての自己洞察が深まるのは、精神分析的な精神療法と、内観療法に近い。内観療法は、身近な人に対して「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」を、時期ごとに振り返る方法になる。
自分の状態をあるがままに受け入れられるようになるのは、森田療法になる。不安と症状を取り除こうとするのではなく、あるがままに受け入れ、目的本位の行動を通じて生活を立て直す方法で、神経症に用いられてきた。
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混同しやすいポイント
精神療法ごとに、何を扱い、どこへ向かうかを対応づける。認知行動療法=認知と行動を扱い、捉え方と行動を変える。自律訓練法=身体の感覚を通じてリラックスする。内観療法と精神分析=過去と内面を振り返る。森田療法=あるがままに受け入れ、行動する。誤肢は、この対応をずらして作られている。
理解を深める
認知行動療法の実際を整理する。進め方=①症状と困りごとの整理、②心理教育(考え・感情・行動・身体の反応が互いに影響し合うという枠組みの共有)、③自動思考の同定(出来事、そのときの考え、感情、そして行動を記録する)、④認知の再構成(その考えの根拠と反証を検討し、別の見方を探す)、⑤行動への働きかけ(行動活性化=活動を段階的に増やす、行動実験=考えが正しいか試す、曝露=避けている状況に段階的に向き合う)、⑥再発の予防(学んだことをまとめ、今後の対処を計画する)。適用=うつ病、不安症、パニック症、社交不安症、強迫症、心的外傷後ストレス障害、不眠、慢性疼痛、そして統合失調症の一部の症状。効果が実証されており、薬物療法と並ぶ治療の選択肢になる。看護での応用=正式な治療としてではなくても、日常の関わりの中で、①患者の言葉を「出来事」と「そのときの考え」に分けて聞き返す、②「他の見方はありませんか」と問いかける、③できたことを具体的に返す、④活動と気分の記録を一緒に見る、といった形で用いられる。留意点=症状が重い時期には、思考を扱う働きかけが負担になる。まず休息と薬物療法を優先し、回復に応じて導入する。また、「考え方が悪いから病気になった」という誤解を招かないよう、伝え方に配慮する。
間違えやすい考え方
効果を問う型で、誤肢が別の精神療法の効果である。何を扱うかで切る。
5分で振り返る
①認知行動療法は、自動思考と考え方の枠組みが感情と行動に影響するという理解に立つ。②認知のゆがみ(極端な一般化、先読み、白黒思考、自己への否定的な結びつけ)に気づき、事実に照らして検討し、現実に即した見方へ変える。③行動の面からも働きかける(行動活性化、行動実験、曝露)。④自律訓練法は、言語公式を唱えて自らリラックスした状態を作る。⑤内観療法と精神分析は、過去と内面の振り返り。⑥森田療法は、あるがままに受け入れ目的本位の行動へ。⑦症状が重い時期は休息と薬物療法を優先し、回復に応じて導入する。「考え方が悪いから病気になった」という誤解を招かない。
1分チェック
- 認知行動療法で期待できるのは。→ 物事の捉え方のゆがみが修正されること。
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