A さん(22 歳、統合失調症 schizophrenia )は父親、母親、妹との4人暮らし。高校卒業後、ア ルバイトをしていたが、症状の悪化によって初めて精神科病院に入院した。退院後 に一般企業で働きたいと希望している。 看護師がA さんに提案するサービスで適切なのはどれか。
公式正答:2
解説
退院後に一般企業で働きたいと希望する22歳の統合失調症患者へ提案するサービスを問う。就労移行支援である。
この問題で問われていること
本人の希望に対応するサービスを選べるか。
しくみから理解する
就労移行支援は、障害者総合支援法にもとづく訓練等給付で、一般就労を希望する65歳未満の障害者に対して、生産活動と職場体験、求職活動の支援、職場の開拓、そして就職後の定着の支援を行う。利用の期間は原則として24か月になる。この患者は「一般企業で働きたい」と希望しており、この目的にそのまま対応するサービスになる。加えて、22歳と若く、高校卒業後にアルバイトの経験もあることから、訓練を経て就労に至る可能性が見込める。
選択肢ごとの確認
行動援護は、知的障害または精神障害により行動に著しい困難があり、常時介護を必要とする人に対して、外出時の危険を回避するための援護と、移動の介護を行うサービスになる。この事例の希望とは異なる。
自立生活援助は、施設または病院から地域での一人暮らしへ移行した障害者に対して、定期的な訪問と随時の対応により、日常生活の課題を把握し支援するサービスになる。対象には、施設や病院から移行した人のほか、現に一人で暮らしている人や、同居家族が障害・疾病等のため支援を受けられない人も含まれる。同居していることだけで対象外になるわけではない。この患者の希望は就労であり、このサービスの目的と合わない。
地域定着支援は、単身等で生活する障害者に対して、常時の連絡体制を確保し、緊急時に相談と対応を行うサービスになる。これも、この事例の希望とは異なる。
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混同しやすいポイント
誤肢は、いずれも障害者総合支援法のサービスだが、目的が異なる。行動援護=外出時の介護。自立生活援助=一人暮らしをしている人や、同居家族から支援を受けられない人への定期的な訪問と随時の対応。地域定着支援=緊急時の連絡体制。「一般企業で働きたい」という希望に直接対応するのは就労移行支援になる。本人が何を望んでいるかを起点に、サービスを選ぶ。
理解を深める
統合失調症の人の就労支援を整理する。段階=①医療の安定(症状の管理、服薬の継続、生活のリズム)、②生活の基盤(住まい、日中の活動、経済)、③就労に向けた準備(体力、通勤、対人関係、作業への集中)、④就職活動、⑤定着の支援。サービス=就労移行支援(一般就労を目指す訓練。原則24か月)、就労継続支援A型(雇用契約あり、最低賃金)、就労継続支援B型(雇用契約なし、工賃)、就労定着支援(就職後の定着。最長3年)、そして地域活動支援センター(創作活動、生産活動、交流の場)。他の制度=障害者職業センター(職業評価、職業準備支援、ジョブコーチ)、障害者就業・生活支援センター(就業と生活の両面の相談)、ハローワークの専門援助部門。就労の形=一般就労(障害を開示する形と、開示しない形がある)、障害者雇用(法定雇用率にもとづく雇用。配慮を受けやすい)、そして福祉的就労。開示するかどうかは本人が選ぶ。開示すれば配慮を得られるが、就職の機会が狭まることもある。定着の支援=多くの人が就職後1年以内に離職するため、この時期の支援が重要になる。職場との調整、体調の管理、そして相談できる関係が鍵になる。看護の役割=就労を「症状が治ってから」ではなく、回復の過程の一部として捉える。働くことが、生活のリズム、収入、役割、そして社会とのつながりをもたらし、回復を促す面もある。一方で、無理な就労が再燃を招くこともあるため、本人の希望と状態を見ながら段階的に進める。
間違えやすい考え方
サービスを選ぶ型で、誤肢がいずれも別の目的のサービスである。本人の希望を起点に選ぶ。
5分で振り返る
①就労移行支援=一般就労を希望する65歳未満の障害者に、訓練、職場体験、求職活動、定着の支援を行う。原則24か月。②行動援護=行動に著しい困難がある人の外出時の援護と移動の介護。③自立生活援助=施設・病院から一人暮らしへ移行した人に加え、現に一人で暮らしている人や、同居家族が障害・疾病等のため支援を受けられない人への、定期的な訪問と随時対応。④地域定着支援=単身等で生活する人への常時の連絡体制と緊急時の対応。⑤就労継続支援A型は雇用契約あり・最低賃金、B型は雇用契約なし・工賃。⑥就労定着支援は就職後最長3年。⑦障害を開示するかどうかは本人が選ぶ。開示すれば配慮を得られるが機会が狭まることもある。
1分チェック
- 一般企業で働きたいという希望には。→ 就労移行支援。
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