日本の政府開発援助〈ODA〉の実施機関はどれか。
公式正答:2
解説
日本の政府開発援助(ODA)の実施機関を問う。国際協力機構(JICA)である。
この問題で問われていること
国際協力に関わる組織を、性格ごとに区別できるか。
しくみから理解する
政府開発援助は、開発途上国の経済と社会の発展、そして福祉の向上を目的として、政府が行う資金と技術の協力になる。日本では、外務省が政策を所管し、その実施機関として独立行政法人国際協力機構が、技術協力(専門家の派遣、研修員の受入れ、機材の供与)、有償資金協力(円借款)、そして無償資金協力を一元的に担う。青年海外協力隊と海外協力隊の派遣も、この機構が行う。看護職が国際協力に参加する主な経路の一つになる。
選択肢ごとの確認
世界保健機関は、国際連合の専門機関で、保健の分野における国際的な指導と調整を行う。日本のODAの実施機関ではない。日本を含む加盟国が拠出し、また協力する立場になる。
国連開発計画も、国際連合の機関で、開発途上国の開発を支援する。同様に、日本のODAの実施機関ではない。
赤十字国際委員会は、武力紛争の犠牲者を保護し援助することを目的とする、中立・独立の民間の組織になる。ジュネーブ条約にもとづき活動する。政府の機関ではない。
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混同しやすいポイント
組織を性格ごとに分類する。日本の政府の機関=国際協力機構(実施)、外務省(政策)。国際連合の機関=世界保健機関、国連児童基金、国連開発計画、国連難民高等弁務官事務所、国連人口基金、そして国連合同エイズ計画。中立の民間組織=赤十字国際委員会、国際赤十字・赤新月社連盟。非政府組織=国境なき医師団など。誤肢は、国連の機関が2つと、民間の組織が1つになる。
理解を深める
国際保健と看護を整理する。日本の国際協力=①国際協力機構による技術協力、資金協力、そして海外協力隊の派遣、②国際緊急援助隊(災害時に医療チーム、救助チーム、専門家チームを派遣する)、③国際機関への拠出と人材の派遣、④非政府組織への支援。看護職の関わり方=海外協力隊、国際緊急援助隊の医療チーム、国際機関の職員、非政府組織の一員、そして国内での在留外国人への支援。求められること=①現地の文化、宗教、そして生活の理解、②語学、③現地の資源で成り立つ方法を考える力、④現地の人材を育てる視点(自分がやるのではなく、現地の人ができるようにする)、⑤安全の管理、⑥謙虚さ(「教えに行く」のではなく、「一緒に考える」)。国際保健の課題=母子保健(妊産婦死亡、乳児死亡)、感染症(結核、ヒト免疫不全ウイルス、マラリア、そして新興感染症)、非感染性疾患の増加、栄養、水と衛生、保健人材の不足、そしてユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成。持続可能な開発目標=2030年までの17の目標。目標3が保健に関わるもので、他の目標(貧困、飢餓、教育、ジェンダー、水と衛生)とも密接に関わる。健康は、社会のあらゆる条件の結果として決まるという理解(健康の社会的決定要因)が、国際保健の基本の視点になる。
間違えやすい考え方
組織を問う型で、誤肢が国連の機関と中立の民間組織である。日本の政府の実施機関という条件で切る。
5分で振り返る
①政府開発援助は、開発途上国の発展と福祉の向上のため、政府が行う資金と技術の協力。②日本では外務省が政策を所管し、独立行政法人国際協力機構が実施機関として、技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力を担う。③海外協力隊の派遣も同機構が行う。④世界保健機関と国連開発計画は国際連合の機関。⑤赤十字国際委員会は、ジュネーブ条約にもとづく中立・独立の民間組織。⑥国際緊急援助隊は、災害時に医療・救助・専門家のチームを派遣する。⑦国際協力では、現地の資源で成り立つ方法を考え、現地の人材を育てる視点が求められる。
1分チェック
- 日本のODAの実施機関は。→ 国際協力機構(JICA)。
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