脳の外側面を左右から見た模式図を示す。 右利きの健常成人のBroca〈ブローカ〉の運動性言語中枢はどれか。
公式正答:4
解説
脳の外側面の模式図から、右利きの健常成人のブローカの運動性言語中枢を選ぶ。公式正答は④である。
この問題で問われていること
大脳皮質の機能局在を、位置とともに覚えているか。
しくみから理解する
ブローカ野(運動性言語中枢)は、前頭葉の下前頭回の後部に位置する。右利きの人のおよそ95%以上で、左半球にある(優位半球)。この領域は、言葉を組み立てて発語する運動の計画に関わり、障害されると運動性失語(ブローカ失語)を生じる。特徴は、①言葉が出にくく、たどたどしい(非流暢性)、②単語の羅列のようになり、助詞が抜ける、③相手の言うことは比較的よく理解できる、④自分の話しにくさを自覚しており、もどかしさを感じる、になる。
選択肢ごとの確認
該当しない部位になる。図には、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉と、それぞれの機能領域が示されている。
同様に該当しない。
同様に該当しない。
同様に該当しない。
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混同しやすいポイント
大脳皮質の機能局在を、位置とともに整理する。前頭葉=一次運動野(中心前回)、運動前野、前頭前野(判断、計画、抑制、人格)、そしてブローカ野(下前頭回の後部)。頭頂葉=一次体性感覚野(中心後回)、そして空間の認識。側頭葉=一次聴覚野、ウェルニッケ野(上側頭回の後部。感覚性言語中枢)、そして記憶(海馬)。後頭葉=一次視覚野。ブローカ野は前方(前頭葉)、ウェルニッケ野は後方(側頭葉)にあり、両者は弓状束で結ばれる。「話す=前、聞いて理解する=後」と覚えると、位置を混同しない。
理解を深める
失語症の理解と看護を整理する。運動性失語(ブローカ失語)=前頭葉の障害。非流暢性で、話すことが困難だが、理解は比較的保たれる。書字も障害される。本人はもどかしさを強く感じる。感覚性失語(ウェルニッケ失語)=側頭葉の障害。流暢に話すが、内容が意味をなさない(錯語、ジャルゴン)。理解が障害され、本人が障害を自覚しにくい。全失語=広範な障害により、話すことも理解することもできない。伝導失語=弓状束の障害。復唱が特に障害される。健忘失語=語想起の障害(言葉が出てこない)。看護=①話す速度を落とし、短く、具体的に、②一度に一つのことを伝える、③言い換える(同じ言葉を繰り返すより、別の表現を試す)、④はい・いいえで答えられる質問を用いる、⑤ジェスチャー、絵、写真、文字を併用する、⑥時間をかけ、待つ、⑦本人が言おうとしている言葉を先回りして言いすぎない(ただし、もどかしさが強いときは助ける)、⑧誤りを訂正しすぎない、⑨できたことを認める、⑩言語聴覚士と連携する。失語症は、知能の障害ではないという理解が重要になる。子どものように扱う、大声で話す、そして本人を飛ばして家族に話しかけるといった対応は、本人の尊厳を損なう。加えて、意思が伝えられないことによる苛立ちと抑うつにも配慮する。
間違えやすい考え方
図から部位を選ぶ型で、機能局在の位置で判断できる。ブローカの運動性言語中枢は、右利きの人ではほとんどが左半球にあり、前頭葉の下前頭回後部(中心前回の前方)に位置する。どちらの半球かと、前頭葉のどこかの2段階で絞る。
5分で振り返る
①ブローカ野(運動性言語中枢)=前頭葉の下前頭回の後部。右利きの95%以上で左半球(優位半球)にある。②障害されると運動性失語=非流暢性で話しにくく、理解は比較的保たれ、本人はもどかしさを感じる。③ウェルニッケ野(感覚性言語中枢)=側頭葉の上側頭回の後部。障害されると、流暢だが意味をなさない話し方になり、理解が障害され、本人が自覚しにくい。④「話す=前、聞いて理解する=後」と覚える。⑤両者は弓状束で結ばれ、その障害では復唱が特に障害される(伝導失語)。⑥看護=短く具体的に、一度に一つ、言い換える、はい・いいえの質問、ジェスチャーと絵、時間をかけて待つ。⑦失語症は知能の障害ではない。子どものように扱わない。
1分チェック
- ブローカ野は。→ 前頭葉の下前頭回の後部(右利きでは主に左半球)。
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