射出される精子が通るのはどれか。
公式正答:3
解説
精子は精巣→精巣上体→精管→射精管→尿道と進む。精嚢と前立腺は精液の成分を出す腺であって、精子が通る道ではない。
この問題で問われていること
男性生殖器の経路を順に言えるか。「通る」のと「分泌物を加える」のを区別できるか。
しくみから理解する
精子は精巣の精細管でつくられ、精巣上体に運ばれて成熟し貯蔵される。射精のときは精管を通って上行し、精嚢からの分泌液が合流して射精管となり、前立腺のなかを貫いて尿道の前立腺部へ開く。ここで前立腺の分泌液が加わり、さらに尿道球腺(カウパー腺)の分泌液も加わって精液となり、尿道を通って体外へ出る。精嚢は果糖を含むアルカリ性の液を出して精子の運動のエネルギー源とし、前立腺は乳白色の液を出して精子の運動を助ける。どちらも分泌物を加える器官であって、精子が内部を通過する経路ではない(前立腺は尿道が貫くが、精子は前立腺の実質を通るわけではない)。 【接地元】人体の構造と機能 第5版 男性生殖器、三年解剖学総まとめ(骨盤底・会陰)
選択肢ごとの確認
精子を蓄える器官ではなく、精液の成分(果糖を含むアルカリ性の液)を分泌する腺。名前から精子を貯めると誤解されやすい。精子を貯蔵するのは精巣上体。
腎盂から膀胱へ尿を運ぶ管。精路とは全く別の経路。
男性の尿道は尿路と精路を兼ねる。射精管が尿道の前立腺部に開き、そこから体外へ出る。
尿を溜める器官。射精時には膀胱頸部が閉じて精液が膀胱へ逆流しないようになっている(この機構が壊れると逆行性射精になる)。
尿道の周囲を取り巻き分泌液を加える腺。精子が前立腺の実質を通り抜けるわけではない。
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混同しやすいポイント
「精嚢」という名前が最大の罠。嚢=袋なので精子を貯める袋だと考えてしまうが、実際は分泌腺である。精子を貯めるのは精巣上体。名前と機能が一致しない代表例として覚えておく。
理解を深める
男性の尿道が尿路と精路を兼ねることが、いくつかの臨床所見につながる。前立腺は尿道を取り巻いているので、加齢で肥大すると尿道が圧迫されて排尿障害が起こる(前立腺肥大症・第114回午前 問16で出題)。前立腺は直腸のすぐ前にあるため、直腸診で触知できる。また尿道カテーテルの挿入時、男性では前立腺部と球部で抵抗を感じるので、陰茎を挙上して尿道の彎曲を伸ばす手技が必要になる。第113回午後 問19の男性の導尿の設問はこの解剖に基づく。
間違えやすい考え方
経路上の器官と、そこに分泌物を加える器官を混ぜる型。「通り道」と「分泌腺」を分けて図に描けるようにしておく。
5分で振り返る
精路=精巣(精細管で産生)→精巣上体(成熟・貯蔵)→精管→射精管(精嚢の分泌液が合流)→尿道前立腺部(前立腺の分泌液が加わる)→尿道→体外。精嚢は果糖を含むアルカリ性の液、前立腺は乳白色の液を分泌する。男性の尿道は尿路と精路を兼ねる。前立腺が尿道を取り巻くため、肥大すると排尿障害を起こす。
1分チェック
- 精子の通る道を順に言えるか
- 精子を貯蔵するのはどこか
- 精嚢と前立腺はそれぞれ何を分泌するか
- 射精時に膀胱はどうなるか
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