心電図(別冊No. 2)を別に示す。心電図の記録速度は25 mm/秒である。 心電図波形によって計測した心拍数で正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
記録速度25mm/秒の心電図から計測した心拍数を問う。公式正答は50/分以上、70/分未満である。
この問題で問われていること
記録速度から、心拍数を計算できるか。
しくみから理解する
心電図の記録速度が25mm/秒のとき、方眼紙の細い1マス(1mm)は0.04秒、太い1マス(5mm)は0.2秒に相当する。心拍数は、RR間隔(連続するR波の間隔)から求める。方法は2つある。①1分(60秒)をRR間隔(秒)で割る。②300を、RR間隔に含まれる太いマスの数で割る(300÷太いマスの数)。太いマスが3個なら100回/分、4個なら75回/分、5個なら60回/分、6個なら50回/分になる。この設問では、計測の結果が50回/分以上70回/分未満の範囲に入る(太いマスがおよそ4.3〜6個に相当する)。
選択肢ごとの確認
30/分以上50/分未満は、著しい徐脈になる。太いマスが6個を超える間隔に相当する。
70/分以上90/分未満は、太いマスがおよそ3.3〜4.3個に相当する。
90/分以上100/分未満という範囲は、この心電図から計測した心拍数と一致しない。記録速度25mm/秒であることを用いてRR間隔の長さを秒に直し、60をその秒数で割って心拍数を求める。
100/分以上110/分未満は、いずれもより短い間隔になる。
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混同しやすいポイント
「300÷太いマスの数」という計算を覚えるのが実用的になる。加えて、300、150、100、75、60、50という数列(太いマス1個から6個に対応)を覚えておくと、目測でおおよその心拍数が分かる。記録速度が25mm/秒であることが前提であり、速度が変われば計算も変わる。不整脈がある場合は、この方法では正確に求められないため、一定時間(たとえば6秒間)のR波の数を数えて10倍する方法を用いる。
理解を深める
心電図の基本を整理する。記録の条件=記録速度25mm/秒、感度10mm/mV(1mVの信号が10mmの振れになる)。この2つが標準で、記録紙に表示される。時間=細い1マス(1mm)が0.04秒、太い1マス(5mm)が0.2秒、太い5マス(25mm)が1秒になる。基本の計測=①心拍数(上記)、②P波(心房の興奮。幅0.11秒未満、高さ0.25mV未満)、③PQ間隔(房室伝導の時間。0.12〜0.20秒。延長は房室ブロック、短縮はWPW症候群)、④QRS幅(心室内の伝導。0.06〜0.10秒。延長は脚ブロック、心室起源の興奮、高カリウム血症)、⑤QT間隔(心室の脱分極から再分極まで。心拍数により変わるため補正して評価する。延長は多形性心室頻拍のリスク)、⑥ST部分(上昇は心筋梗塞と心膜炎、低下は心筋虚血とジギタリスの影響)、⑦T波(増高は高カリウム血症と超急性期の心筋梗塞、平低と陰転は虚血と低カリウム血症)。読み方の手順=①調律(P波があるか、P波とQRSの関係、規則的か)、②心拍数、③電気軸、④各波形と間隔、⑤ST-T。看護での注意=電極の位置を正確に、皮膚を清潔にして密着させる、体動と筋の緊張を避ける、左右の電極を取り違えない。モニター心電図では、波形の変化とあわせて、必ず患者の状態(意識、脈拍、血圧、症状)を確認する。波形だけを見て判断しない。
間違えやすい考え方
計算問題で、記録速度から時間を求めて心拍数を計算する。300÷太いマスの数という方法を覚える。
5分で振り返る
①記録速度25mm/秒では、細い1マス(1mm)が0.04秒、太い1マス(5mm)が0.2秒。②心拍数=60÷RR間隔(秒)、または300÷RR間隔に含まれる太いマスの数。③太いマス1個=300、2個=150、3個=100、4個=75、5個=60、6個=50回/分。④不整脈がある場合は、6秒間のR波の数を10倍する方法を用いる。⑤感度は10mm/mVが標準。⑥PQ間隔0.12〜0.20秒、QRS幅0.06〜0.10秒。⑦読み方の手順=調律→心拍数→電気軸→各波形と間隔→ST-T。波形だけでなく患者の状態を確認する。
1分チェック
- 心拍数の求め方は。→ 300÷RR間隔の太いマスの数(記録速度25mm/秒のとき)。
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