ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉について正しいのはどれか。2つ選べ。
公式正答:2・5
解説
ヘモグロビンA1cについて正しいものを2つ選ぶ。赤血球の寿命によって測定値は変動すること、およびヘモグロビンにブドウ糖が結合した糖化蛋白質のことである。
この問題で問われていること
指標の成り立ちから、何を反映し、何に影響されるかを導けるか。
しくみから理解する
ヘモグロビンA1cは、赤血球中のヘモグロビンに、血中のブドウ糖が非酵素的に結合したもの(糖化ヘモグロビン)になる。結合の量は、血糖の濃度と、その状態が続いた時間に比例する。赤血球の寿命はおよそ120日であるため、この指標は過去1〜2か月の平均的な血糖の状態を反映する。したがって、赤血球の寿命が短くなる状態(溶血性貧血、出血、鉄剤による治療の開始後、エリスロポエチンによる治療、そして肝硬変と脾機能亢進)では、糖化を受ける時間が短くなり、実際の血糖より低い値が出る。逆に、赤血球の寿命が延びる状態(鉄欠乏性貧血の未治療、脾臓の摘出後)では、高めに出る。
選択肢ごとの確認
測定値の上限は10%ではない。著しい高血糖が続けば、10%を超える値も測定される(14%を超えることもある)。基準値はおよそ4.6〜6.2%で、6.5%以上が糖尿病型の判定に用いられる。
過去1、2週間の指標ではなく、過去1〜2か月の指標になる。1、2週間の指標として用いられるのは、グリコアルブミン(過去2週間程度)と1,5-アンヒドログルシトール(数日程度)になる。
グリコアルブミンより短期間の指標ではない。グリコアルブミンはアルブミンが糖化したもので、アルブミンの半減期(約17日)を反映して、過去2週間程度の平均を示す。したがって、ヘモグロビンA1cより短期間の指標になる。両者の関係は逆になる。
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混同しやすいポイント
誤肢は、上限、期間、そして他の指標との関係で誤っている。「何が糖化して、その物質の寿命はどれくらいか」という考え方で、反映する期間が導ける。ヘモグロビン(赤血球の寿命120日)=1〜2か月。アルブミン(半減期17日)=2週間程度。この理屈を持てば、期間を丸暗記しなくても分かる。
理解を深める
糖尿病の検査を整理する。血糖=その時点の値。空腹時、随時、そして食後2時間値。診断の基準=空腹時126mg/dL以上、随時200mg/dL以上、75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値200mg/dL以上、ヘモグロビンA1c 6.5%以上のいずれかで糖尿病型。別の日に2回、または同日に血糖とヘモグロビンA1cの両方が該当すれば診断する。ただし、少なくとも1回は血糖値(空腹時、随時、または75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値)が糖尿病型である必要があり、ヘモグロビンA1cだけで2回該当しても診断にはならない。糖尿病型の判定と、糖尿病の診断は別である。管理の目標=合併症の予防のためには7.0%未満、血糖の正常化を目指す場合は6.0%未満、治療の強化が困難な場合は8.0%未満とされる(年齢、罹病期間、併存疾患、そして低血糖のリスクにより個別に設定する)。高齢者では、認知機能と日常生活動作、そして薬剤(重症低血糖のリスクのある薬)に応じて、下限も設定される。ヘモグロビンA1cが実際と乖離する状態=上記に加えて、異常ヘモグロビン症、輸血の後、そして妊娠中(血糖の変動が大きく、また赤血球の代謝も変わるため、グリコアルブミンが用いられることがある)。自己血糖測定=インスリンを使用している患者などで行う。持続血糖測定は、日内の変動と、無自覚の低血糖を捉えられる。看護=検査値の意味を患者が理解できるよう説明し、生活の中の何がその値につながっているかを一緒に考える。数値を「良い・悪い」で評価するのではなく、変化の理由を探す材料として扱うことが、継続につながる。
間違えやすい考え方
指標を2つ選ぶ型で、誤肢が上限・期間・他の指標との関係で誤っている。何が糖化したかで導く。
5分で振り返る
①ヘモグロビンA1cは、ヘモグロビンにブドウ糖が非酵素的に結合した糖化蛋白質。②赤血球の寿命(約120日)を反映し、過去1〜2か月の平均的な血糖の状態を示す。③赤血球の寿命が短い状態(溶血、出血、鉄剤やエリスロポエチンによる治療後)では低めに、長い状態(鉄欠乏性貧血の未治療、脾摘後)では高めに出る。④測定値に10%という上限はない。基準値は約4.6〜6.2%、6.5%以上が糖尿病型。⑤過去1、2週間の指標はグリコアルブミン(アルブミンの半減期約17日を反映)。⑥グリコアルブミンの方がヘモグロビンA1cより短期間の指標になる。⑦管理の目標は、合併症の予防で7.0%未満。年齢と併存疾患により個別に設定する。
1分チェック
- ヘモグロビンA1cは。→ ヘモグロビンにブドウ糖が結合した糖化蛋白質/赤血球の寿命で変動する。
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