自閉症スペクトラム障害 autism spectrum disorder にみられるのはどれか。2つ選べ。
公式正答:4・5
解説
自閉スペクトラム症にみられるものを2つ選ぶ。習慣へのかたくななこだわりがあること、および非言語的コミュニケーションの障害があることである。
この問題で問われていること
発達障害ごとの特徴を区別できるか。
しくみから理解する
自閉スペクトラム症の診断の中核は2つになる。①社会的なコミュニケーションと対人的な相互反応の持続的な障害=視線を合わせない、表情と身振りといった非言語的なやりとりが乏しい、感情を共有しにくい、そして関係を築き維持することが難しい。②行動、興味、活動の限定された反復的な様式=同じ行動を繰り返す(常同行動)、同一性への固執と習慣へのかたくななこだわり(変化を嫌う)、極めて限定された強い興味、そして感覚の過敏または鈍麻。したがって、この2つが該当する。
選択肢ごとの確認
運動性チックが出現するのは、チック症とトゥレット障害になる。自閉スペクトラム症に併存することはあるが、診断の特徴ではない。
計算の習得が困難であるのは、限局性学習症(学習障害)のうち、算数の障害になる。知的な能力の全般的な遅れがないにもかかわらず、読み、書き、算数の特定の領域の習得が著しく困難な状態を指す。
不注意による間違いが多いのは、注意欠如・多動症の特徴になる。不注意、多動性、そして衝動性を中核とする。自閉スペクトラム症と併存することも多い。
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混同しやすいポイント
誤肢は、いずれも別の発達障害の特徴になる。3つを対応づけて覚える。自閉スペクトラム症=社会的コミュニケーションの障害+限定された反復的な行動と興味。注意欠如・多動症=不注意、多動性、衝動性。限局性学習症=読み、書き、算数の特定の困難。これらは併存することが多く、また境界も明確でないため、「どれか一つ」ではなく、その子が何に困っているかを見る姿勢が重要になる。
理解を深める
自閉スペクトラム症の支援を整理する。特性の理解=①言葉による説明より、視覚的な情報の方が理解しやすい、②見通しが立たないことへの不安が強い、③抽象的な表現と曖昧な指示が分かりにくい、④感覚の過敏(音、光、におい、触感、味)または鈍麻がある、⑤変化と予定の変更が苦手、⑥興味の対象に強い集中を示す。支援の原則=①視覚支援(絵カード、写真、手順表、スケジュール、タイマー)、②構造化(場所、時間、手順を一定にし、何をするかを明確にする)、③予告(変更がある場合は、早めに具体的に伝える)、④具体的で短い指示(「ちゃんとして」ではなく「椅子に座って」)、⑤感覚への配慮(刺激の少ない環境、イヤーマフ、待ち時間の短縮)、⑥成功体験(できたことを具体的にほめる)、⑦本人のペースを尊重する。医療の場での配慮=処置の前に、写真と絵で手順を説明する、家庭での成功例を家族から聞き取る、待ち時間を減らす、静かな場所を用意する、そして無理な抑制を避ける。家族への支援=育児の困難、周囲からの理解の得にくさ、きょうだいへの影響、そして将来への不安を抱えることが多い。特性を「しつけの問題」と誤解されることも多く、家族が孤立しやすい。療育、相談機関、親の会、そして制度(療育手帳、特別児童扶養手当、放課後等デイサービス)へつなぐことが支援になる。
間違えやすい考え方
特徴を2つ選ぶ型で、誤肢が別の発達障害の特徴である。3つの発達障害を対応づけて切る。
5分で振り返る
①自閉スペクトラム症の中核は2つ。②社会的コミュニケーションと対人的相互反応の障害=視線を合わせない、表情と身振りが乏しい、感情を共有しにくい、関係の構築と維持が難しい。③限定された反復的な行動と興味=常同行動、同一性への固執と習慣へのこだわり、限定された強い興味、感覚の過敏または鈍麻。④運動性チックはチック症とトゥレット障害。⑤計算の習得の困難は限局性学習症。⑥不注意は注意欠如・多動症。⑦これらは併存することが多く、「どれか一つ」ではなく、その子が何に困っているかを見る。
1分チェック
- 自閉スペクトラム症にみられるのは。→ 習慣へのこだわり/非言語的コミュニケーションの障害。
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