次の文を読み、問いに答えよ。Aさん(34歳、初産婦)は順調な妊娠経過であった。妊娠40週5日の午前8時、10分毎の規則的な子宮収縮を主訴に来院し、医師の診察の結果、入院となった。入院時の胎児心拍数基線は130bpm、胎児の推定体重は3,300gであった。
入院時のA さんと胎児の状態で正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
34歳初産婦、妊娠40週5日、胎児心拍数基線130bpm、胎児推定体重3,300gという入院時の状態について、正しいものを問う。胎児心拍数基線は正常である。
この問題で問われていること
分娩期の基準値を、複数の軸で判定できるか。
しくみから理解する
胎児心拍数基線の正常範囲は110〜160bpmになる。基線は、10分間の心拍数の平均で、一過性の変動を除いて判定する。130bpmはこの範囲の中央付近にあり、正常になる。基線が110bpm未満を徐脈、160bpmを超えるものを頻脈といい、いずれも胎児の状態の評価を要する。この設問は、週数・年齢・心拍数・体重の4つの基準を同時に問うており、それぞれの区分を覚えているかで決まる。
選択肢ごとの確認
過期産ではない。過期産は妊娠42週0日以降を指す。妊娠40週5日は正期産(37週0日から41週6日)の範囲内になる。
高年妊婦ではない。高年初産婦は35歳以上と定義される。34歳は該当しない。
低出生体重児となる可能性は高くない。低出生体重児は出生体重2,500g未満を指す。推定体重3,300gは正常な範囲であり、むしろ平均よりやや大きい。
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混同しやすいポイント
4つの基準値をまとめて確認する型になる。①正期産=37週0日から41週6日、過期産=42週0日以降。②高年初産婦=35歳以上。③胎児心拍数基線の正常=110〜160bpm。④低出生体重児=2,500g未満、極低出生体重児=1,500g未満、超低出生体重児=1,000g未満、巨大児=4,000g以上。数字の境目を1つずつ確認しておく。とくに「40週5日」と「42週」、「34歳」と「35歳」のように、境界の近くの値が置かれる点に注意する。
理解を深める
分娩期の観察を整理する。母体=①バイタルサイン(体温、脈拍、血圧。分娩中は2〜4時間ごと、破水後は感染に注意して体温を頻回に)、②子宮収縮(間隔、持続時間、強さ)、③子宮口の開大と展退、児頭の下降度、④破水の有無と羊水の性状(混濁は胎児の状態の悪化を示唆する)、⑤出血、⑥排尿(膀胱の充満は分娩の進行を妨げる。2〜3時間ごとに促す)、⑦水分と栄養、⑧疲労と痛み、⑨精神状態。胎児=①胎児心拍数(分娩監視装置による連続監視、または間欠的聴取)、②基線(110〜160bpm)、③基線細変動(正常は6〜25bpm。消失または減少は胎児の状態の悪化を示唆する)、④一過性頻脈(胎児の健常性を示す)、⑤一過性徐脈(早発=児頭の圧迫による生理的なもの、変動=臍帯の圧迫、遅発=胎盤機能の低下を示唆し、対応を要する)。分娩の3要素=娩出力(陣痛と腹圧)、産道(骨産道と軟産道)、娩出物(胎児と付属物)。分娩の経過=第1期(陣痛開始から子宮口全開大まで。初産婦で10〜12時間)、第2期(全開大から児の娩出まで。初産婦で2〜3時間)、第3期(児の娩出から胎盤の娩出まで。15〜30分)、第4期(分娩後2時間。出血に注意する)。遷延分娩=初産婦で30時間、経産婦で15時間を超えるもの。
間違えやすい考え方
基準値を複数まとめて問う型で、誤肢が境界の近くの値である。区分の境目を一つずつ確認して切る。
5分で振り返る
①胎児心拍数基線の正常=110〜160bpm。110未満は徐脈、160を超えると頻脈。②基線は10分間の平均で、一過性の変動を除いて判定する。③正期産=37週0日〜41週6日。過期産=42週0日以降。40週5日は正期産。④高年初産婦=35歳以上。34歳は該当しない。⑤低出生体重児=2,500g未満、極低=1,500g未満、超低=1,000g未満、巨大児=4,000g以上。⑥基線細変動の正常は6〜25bpm。消失・減少は胎児の状態の悪化を示唆する。⑦一過性徐脈=早発(児頭圧迫)、変動(臍帯圧迫)、遅発(胎盤機能低下。対応を要する)。⑧分娩第1期は初産婦で10〜12時間、第2期は2〜3時間。
1分チェック
- 胎児心拍数基線の正常範囲は。→ 110〜160bpm。
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