世界保健機関〈WHO〉が平成12 年(2000 年)に提唱した「健康上の問題で日常生活 が制限されることなく生活できる期間」はどれか。
公式正答:1
解説
世界保健機関が2000年に提唱した「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を問う。健康寿命である。
この問題で問われていること
寿命に関する4つの用語を区別できるか。
しくみから理解する
健康寿命は、健康上の問題により日常生活が制限されることなく生活できる期間を指す。世界保健機関が2000年に提唱した概念で、単に長く生きることではなく、健康に過ごせる期間を延ばすことを目標とする考え方に立つ。日本では、国民生活基礎調査における「日常生活に制限のない期間の平均」により算出される。平均寿命と健康寿命の差は、健康上の理由で日常生活に制限がある期間にあたる。この指標が測っているのは自己申告による活動の制限であって、介護の必要性そのものではない。この差を縮めることが健康日本21の中心的な目標になっている。
選択肢ごとの確認
健康余命は、ある年齢の人が、その後健康に生きられると期待される年数になる。健康寿命は0歳における健康余命にあたる。この設問の定義に対応する語としては、健康寿命が正しい。
平均寿命は、0歳の人が平均してあと何年生きられるかを示す値になる。健康であるかどうかは問わない。
平均余命は、ある年齢の人が平均してあと何年生きられるかを示す値になる。平均寿命は0歳の平均余命にあたる。
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混同しやすいポイント
4つの語は、「健康の状態を考えるかどうか」と「0歳か、ある年齢か」の2つの軸で整理できる。健康を考えない場合が平均寿命(0歳)と平均余命(ある年齢)、健康を考える場合が健康寿命(0歳)と健康余命(ある年齢)になる。この設問は「期間」を尋ねており、0歳からの値である健康寿命が正答になる。
理解を深める
健康の指標を整理する。寿命=①平均寿命(0歳の平均余命)、②健康寿命(日常生活に制限のない期間の平均)。日本の平均寿命は男女とも世界の上位にあり、平均寿命と健康寿命の差はおよそ男性で8〜9年、女性で12年前後になる。この差を縮めることが目標になる。死亡の指標=①粗死亡率(人口10万対)、②年齢調整死亡率(年齢構成の違いを補正した値。地域や年次を比較するときに用いる)、③乳児死亡率(出生千対。1歳未満の死亡)、④新生児死亡率(生後4週未満)、⑤早期新生児死亡率(生後1週未満)、⑥周産期死亡率(妊娠22週以後の死産と早期新生児死亡の合計。出産千対)、⑦死産率(出産千対)、⑧妊産婦死亡率(出産10万対)。これらは、地域の保健水準を示す指標として用いられる。とくに乳児死亡率は、その国の衛生状態と医療水準を鋭敏に反映する。罹患の指標=有病率(ある時点で疾病を有する者の割合)、罹患率(一定期間に新たに発生した者の割合)。生活の質に関する指標=生活の質の尺度、日常生活動作、手段的日常生活動作。障害調整生存年=疾病により失われた健康な生存年数を、死亡と障害の両面から表す指標。国際比較で用いられる。健康日本21(第二次以降)の目標=①健康寿命の延伸と健康格差の縮小、②生活習慣病の発症予防と重症化予防、③社会生活を営むために必要な機能の維持・向上、④健康を支え守るための社会環境の整備、⑤生活習慣と社会環境の改善(栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康)。
間違えやすい考え方
用語の定義を問う型で、誤肢が類似の3語である。健康を考えるか、0歳かある年齢かの2軸で切る。
5分で振り返る
①健康寿命=健康上の問題により日常生活が制限されることなく生活できる期間。世界保健機関が2000年に提唱した。②日本では国民生活基礎調査の「日常生活に制限のない期間の平均」で算出する。③平均寿命との差は、健康上の理由で日常生活に制限がある期間。測っているのは自己申告による活動の制限であって、介護の必要性そのものではない。この差を縮めることが健康日本21の中心的な目標。④平均寿命=0歳の平均余命。健康かどうかは問わない。⑤平均余命=ある年齢の人が平均してあと何年生きられるか。⑥健康余命=ある年齢での健康な期間。健康寿命は0歳の健康余命。⑦乳児死亡率は出生千対で、その国の衛生状態と医療水準を鋭敏に反映する。⑧年齢調整死亡率は、年齢構成の違いを補正した値で、地域と年次の比較に用いる。
1分チェック
- 健康上の問題で日常生活が制限されない期間は。→ 健康寿命。
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