左心室から全身に血液を送り出す血管はどれか。
公式正答:2
解説
体循環と肺循環の出入口を4本の大血管で言い分けられるかを問う基本問題。左心室から出るのが大動脈。
この問題で問われていること
「動脈=酸素の多い血」ではなく「動脈=心臓から出ていく血管」という定義で考えられるか。名前と方向と酸素の3つを混同しないこと。
しくみから理解する
心臓は2つのポンプが並んだ構造をしている。右心系は全身から戻った血液を肺へ送り(肺循環)、左心系は肺から戻った血液を全身へ送る(体循環)。血液の道すじは、全身→上大静脈・下大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→左心室→大動脈→全身、の一周。動脈と静脈の呼び分けは、心臓から出るか心臓へ戻るかで決まっていて、中を流れる血液の酸素量とは無関係である。だから肺動脈には酸素の少ない血液が、肺静脈には酸素の多い血液が流れる。
選択肢ごとの確認
全身から戻った血液を右心房へ集める血管。上大静脈が上半身から、下大静脈が下半身から集める。心臓へ入る側なので「送り出す」には当たらない。
左心室から出て全身へ血液を送る。上行大動脈・大動脈弓・下行大動脈(胸大動脈と腹大動脈)と続く。
肺で酸素を受け取った血液を左心房へ返す血管。通常4本ある。酸素は多いが、心臓へ戻る向きなので静脈と呼ぶ。
右心室から出て肺へ向かう。酸素が少ないが、心臓から出る向きなので動脈と呼ぶ。
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混同しやすいポイント
「動脈=きれいな血、静脈=汚れた血」で覚えていると肺動脈と肺静脈で必ず崩れる。呼び名は方向で決まる、と一度で切り替える。左心室から出るのは大動脈、右心室から出るのは肺動脈。
理解を深める
左心室の壁が右心室よりずっと厚い(およそ3倍)のは、体循環のほうが肺循環より抵抗が高く、高い圧が必要だからである。左心室の収縮期圧は約120mmHg、右心室は約25mmHg。それでも1回拍出量は左右で等しい。等しくないと肺か体のどちらかに血液が溜まってしまうためで、これは第115回午後 問76でも問われている。
間違えやすい考え方
血管名を4つ並べて方向を問う型。設問の動詞(送り出す/戻る/注ぐ)を先に読み、方向で2つに絞ってから体循環か肺循環かを決める。
5分で振り返る
体循環:左心室→大動脈→全身→上下大静脈→右心房。肺循環:右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房。動脈は心臓から出る血管、静脈は心臓へ戻る血管という定義で、酸素量とは無関係。肺動脈だけ酸素が少なく、肺静脈だけ酸素が多い。左心室の壁は右心室の約3倍厚い。
1分チェック
- 左心室から出る血管は何か
- 右心室から出る血管は何か
- 酸素の多い血液が流れる静脈はどれか
- 動脈と静脈の呼び分けの基準は何か
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