呼吸中枢があるのはどれか。
公式正答:4
解説
呼吸のリズムをつくっているのは延髄と橋、つまり脳幹。生命維持に直結する中枢は脳幹に集まっている。
この問題で問われていること
脳幹に何が入っているかという基本の区分。脳幹=中脳・橋・延髄という定義と、そこに置かれた中枢の役割を結びつけられるか。
しくみから理解する
呼吸リズムの基本を発生させているのは延髄の背側呼吸群と腹側呼吸群。背側呼吸群が主に吸息を担当し、腹側呼吸群は強い呼吸のときに呼息にも働く。橋には呼吸調節中枢(呼吸調節群)があり、吸息を打ち切って呼吸数を整える。血液の二酸化炭素分圧の上昇は延髄の中枢化学受容器が水素イオンの増加として感じ取り、換気を増やす。これに対し酸素分圧の低下は頸動脈小体と大動脈小体という末梢の受容器が感じ取り、舌咽神経・迷走神経を介して延髄へ伝える。
選択肢ごとの確認
視床と視床下部からなる。視床は嗅覚以外の感覚の中継所、視床下部は体温・摂食・飲水・内分泌・自律神経の調節中枢。呼吸のリズムはここではつくられない。
随意運動の調節、姿勢と平衡の維持、運動の学習を担う。呼吸中枢はない。
呼吸を意識的に止めたり深くしたりする随意的な制御は大脳皮質から下行路を通じて可能だが、自動的なリズムをつくっているわけではない。だから眠っていても呼吸は続く。
延髄に呼吸リズム発生の中枢、橋に呼吸調節中枢がある。両者とも脳幹に含まれる。
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混同しやすいポイント
「呼吸は自分で止められるのだから大脳では」と考えると外す。随意的に一時変えられることと、自動リズムの発生源であることは別。自動能の場所を問われている。
理解を深める
脳幹に置かれた中枢を並べると延髄の役割の重さが分かる。延髄=呼吸中枢・心臓血管中枢(血管運動中枢)・嚥下中枢・嘔吐中枢・咳中枢・唾液分泌中枢。中脳=対光反射と姿勢反射の中枢。橋=呼吸調節中枢と角膜反射の中枢。延髄の病変でも、外側延髄症候群のように呼吸と循環が保たれるものがあり、帰結は病変の部位、範囲、可逆性による。ただし生命維持に関わる神経回路網を含む破壊的な障害では、呼吸と循環が同時に破綻しうるため、脳幹の障害は生命に関わる。脳死判定で脳幹反射を調べるのはこのため。
間違えやすい考え方
「随意的に変えられる=大脳」という短絡を突く型。自動能の中枢と随意的な修飾は別、という切り分けは心拍(洞房結節と自律神経)でも同じ形で問われる。
5分で振り返る
脳幹=中脳・橋・延髄。延髄に呼吸リズムをつくる背側呼吸群と腹側呼吸群があり、橋に呼吸調節中枢がある。延髄にはほかに心臓血管中枢・嚥下中枢・嘔吐中枢・咳中枢がある。二酸化炭素の上昇は延髄の中枢化学受容器が、酸素の低下は頸動脈小体と大動脈小体が感知する。大脳は随意的に呼吸を修飾できるがリズムはつくらない。
1分チェック
- 呼吸中枢はどこにあるか
- 脳幹に含まれる3つの部位は何か
- 延髄にある中枢を3つ以上挙げられるか
- 二酸化炭素の上昇を感じ取るのはどこか
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