細菌感染で起こるショックはどれか。
公式正答:2
解説
細菌感染で起こるショックを問う。敗血症性ショックである。
この問題で問われていること
ショックを原因で分類できるか。
しくみから理解する
敗血症性ショックは、感染に対する体の反応が制御を失い、全身に炎症が広がることで起こる。細菌の成分と、体が放出する炎症性の物質により、血管が広がり、血管の壁からの漏れが増える。その結果、血管内の容量が相対的に不足し、末梢の血管抵抗が下がって血圧が低下する。血流の分布が乱れるため、血液分布異常性ショックに分類される。初期は末梢の血管が広がるため四肢が温かく(ウォームショック)、進行すると末梢が冷たくなる(コールドショック)。
選択肢ごとの確認
心原性ショックは、心臓のポンプとしての働きが低下して起こるものになる。心筋梗塞、重症の不整脈、弁膜症、心筋症などが原因になる(心タンポナーデは、心臓の外から充満を妨げるもので、心外閉塞・拘束性ショックに分類される)。
アナフィラキシーショックは、アレルギー反応により起こるものになる。抗原に触れた後、短時間で、血管の拡張と透過性の亢進、気道の狭窄、皮膚症状が現れる。敗血症性ショックと同じく血液分布異常性ショックに分類されるが、原因は感染ではなくアレルギーになる。
循環血液量減少性ショックは、出血、脱水、熱傷などにより血管内の容量そのものが減って起こるものになる。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
ショックの分類は、①循環血液量減少性(量が減る)、②心原性(ポンプが弱る)、③血液分布異常性(血管が広がり分布が乱れる)、④心外閉塞・拘束性(血流が妨げられる。緊張性気胸、心タンポナーデ、肺塞栓症)の4つになる。血液分布異常性には、敗血症性、アナフィラキシー性、神経原性が含まれる。設問は「細菌感染で起こる」と原因を指定しているため、敗血症性ショックが正答になる。
理解を深める
ショックを整理する。共通する徴候=血圧の低下、頻脈、意識レベルの低下、尿量の減少(時間尿0.5mL/kg未満)、皮膚の蒼白と冷汗、末梢の冷感、末梢血管の再充満時間の延長、呼吸の促迫。ただし敗血症性ショックの初期と神経原性ショックでは、皮膚が温かく、また神経原性では徐脈になることがある。ショックの5徴=蒼白、虚脱、冷汗、脈拍触知不能、呼吸不全。分類ごとの対応=①循環血液量減少性=出血の止血と輸液・輸血、②心原性=原因疾患の治療(再灌流療法、不整脈への対応)、強心薬、補助循環。輸液は慎重に行う、③血液分布異常性=敗血症では、血液培養の採取と、速やかな抗菌薬の投与、敗血症性低灌流・ショックに対する初期晶質液と、その後の輸液反応性・過剰負荷の反復評価、昇圧薬。アナフィラキシーでは、アドレナリンの筋肉内注射が第一選択(大腿部の前外側)、④心外閉塞・拘束性=原因の解除(胸腔ドレナージ、心嚢穿刺、血栓の溶解)。敗血症=感染に対する制御不能な生体の反応により、生命を脅かす臓器障害が生じる状態。臓器障害の評価にもとづいて診断する。敗血症性ショックは、十分な輸液を行っても平均動脈圧を保つために昇圧薬を要し、かつ血中乳酸値が上昇している状態を指す。早期に発見して治療を始めることが予後を左右するため、感染が疑われる患者では、意識、呼吸数、収縮期血圧といった簡便な指標で評価し、疑ったら速やかに対応する。看護=①バイタルサインと意識の観察、②尿量の測定、③皮膚の色と温度、④酸素投与と気道の確保、⑤静脈路の確保と輸液、⑥検査(血液培養は可能なら抗菌薬投与前に採取するが、緊急投与を実質的に遅らせない)、⑦体位(仰臥位を基本とし、外傷がなく、挙上で呼吸・症状が悪化しない場合にのみ下肢挙上を一時的に検討する)、⑧保温、⑨感染源の検索、⑩家族への説明。
間違えやすい考え方
分類を問う型で、誤肢が他の分類のショックである。原因の指定(細菌感染)で切る。
5分で振り返る
①敗血症性ショックは、感染に対する体の反応が制御を失い、血管の拡張と透過性の亢進により血圧が低下する。血液分布異常性ショックに分類される。②初期は末梢が温かく、進行すると冷たくなる。③ショックの分類=循環血液量減少性、心原性、血液分布異常性、心外閉塞・拘束性の4つ。④血液分布異常性には、敗血症性、アナフィラキシー性、神経原性が含まれる。⑤アナフィラキシーではアドレナリンの筋肉内注射が第一選択(大腿部の前外側)。⑥ショックの5徴=蒼白、虚脱、冷汗、脈拍触知不能、呼吸不全。⑦尿量は時間尿0.5mL/kg未満で乏尿とみなす。⑧血液培養は可能なら抗菌薬投与前に採取するが、緊急投与を実質的に遅らせない。
1分チェック
- 細菌感染で起こるショックは。→ 敗血症性ショック(血液分布異常性)。
この問題に対応する教材の確認中です。