低体温から回復するための生体の反応はどれか。
公式正答:2
解説
体温を上げたいときの体の反応は、産熱を増やして放熱を減らすこと。ふるえは骨格筋を使った産熱の代表。
この問題で問われていること
産熱を増やす反応と放熱を増やす反応を逆向きに整理できているか。選択肢の3つは放熱側か無関係。
しくみから理解する
体温が下がると視床下部が産熱を増やす指令を出す。最も強力なのがふるえ(シバリング)で、骨格筋が不随意に細かく収縮を繰り返して熱を生む。ふるえによる熱産生は基礎代謝の4〜5倍に達することがある。同時に皮膚の血管を収縮させて体表からの放熱を減らし、立毛筋が収縮して鳥肌が立つ(体毛の多い動物では毛を立てて空気の層をつくる名残)。さらに甲状腺ホルモンとカテコラミンの分泌が増えて代謝が亢進し、新生児では褐色脂肪組織による非ふるえ熱産生が働く。
選択肢ごとの確認
汗が蒸発するときに気化熱を奪って体温を下げる。放熱側の反応で、低体温のときには起こらない(起きたら体温はさらに下がる)。
骨格筋の不随意な収縮で熱をつくる。産熱側の代表。
嫌気性代謝の産物であって、体温を上げるための反応ではない。低体温では代謝そのものが低下する。
皮膚に血液を送ると外気へ熱が逃げるので放熱側。低体温では逆に皮膚血管を収縮させて血流を減らし、熱を体の中心に閉じ込める。
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混同しやすいポイント
皮膚血流の増減がどちら向きの反応かを取り違えやすい。暑いときは皮膚が赤くなる(血流増加=放熱)、寒いときは青白くなる(血流減少=保熱)。見た目で覚えると間違えない。
理解を深める
熱産生と熱放散の手段を一覧にしておくと、この論点の問題はすべて解ける。熱産生=基礎代謝、ふるえ、非ふるえ熱産生(褐色脂肪組織・新生児で重要)、甲状腺ホルモンとカテコラミンによる代謝亢進、食事誘発性熱産生、運動。熱放散=放射、伝導、対流、蒸発(発汗と不感蒸泄)。このうち蒸発だけは、気温が体温より高くても熱を逃がせる唯一の手段である。だから高温多湿の環境では汗が蒸発せず、放熱手段がすべて塞がれて熱中症になる。
間違えやすい考え方
同じ体温調節のなかで向きが逆の反応を混ぜる型。「上げたいのか下げたいのか」を先に決めてから選択肢を読む。
5分で振り返る
産熱=基礎代謝・ふるえ(基礎代謝の4〜5倍)・非ふるえ熱産生(褐色脂肪組織・新生児)・甲状腺ホルモンとカテコラミン・食事誘発性熱産生・運動。放熱=放射・伝導・対流・蒸発(発汗と不感蒸泄)。低体温ではふるえ+皮膚血管収縮+立毛。高体温では発汗+皮膚血管拡張。蒸発だけが気温>体温でも働く。
1分チェック
- 低体温のときに起こる産熱の反応を3つ挙げられるか
- 皮膚血流は寒いときどうなるか
- 新生児に特有の産熱の仕組みは何か
- 熱放散の4つの経路は何か
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