生体内でタンパク質が分解され、アミノ酸の代謝が進んで生じたアンモニアは肝 臓で( )に変換される。 ( )に入るのはどれか。
公式正答:2
解説
生体内でタンパク質が分解され、アミノ酸の代謝が進んで生じたアンモニアが、肝臓で変換される物質を問う。尿素である。
この問題で問われていること
アンモニアの処理経路を説明できるか。
しくみから理解する
タンパク質が分解されてできたアミノ酸は、アミノ基が外される(脱アミノ反応)ことでエネルギー源として利用される。このとき生じるアンモニアは、中枢神経に対して強い毒性を持つため、速やかに処理する必要がある。肝臓では、尿素回路(オルニチン回路)により、アンモニアと二酸化炭素から尿素が合成される。尿素は毒性が低く、水に溶けるため、血液で腎臓へ運ばれ、尿中へ排泄される。したがって、肝機能が低下すると、アンモニアが処理されずに血中に増え、肝性脳症を招く。
選択肢ごとの確認
尿酸は、核酸に含まれるプリン体が代謝されて生じる最終産物になる。アンモニアの処理経路とは別になる。尿酸が増えると、関節に結晶として沈着し痛風を起こす。
亜硝酸は、窒素の酸化物の一つで、体内のアンモニアの処理経路には関与しない。
一酸化窒素は、アルギニンから合成され、血管を拡張させる情報伝達物質として働く。アンモニアの処理とは無関係になる。
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混同しやすいポイント
混同しやすいのは「尿素」と「尿酸」になる。①尿素=タンパク質(アミノ酸)由来。アンモニアを肝臓で処理してできる。血中の値は尿素窒素として測定され、腎機能と脱水、そしてタンパク質の摂取量を反映する。②尿酸=核酸(プリン体)由来。痛風と関わる。1文字違いで由来も意味も異なるため、「タンパク質は尿素、核酸は尿酸」と対にして覚える。
理解を深める
肝臓の働きを整理する。①代謝=糖(グリコーゲンの合成と分解、糖新生)、タンパク質(アルブミン、凝固因子、そして各種タンパク質の合成。アミノ酸の代謝)、脂質(コレステロールと胆汁酸の合成、リポタンパクの産生、脂肪酸の酸化)。②解毒=アンモニアを尿素へ変換する、薬物とアルコールの代謝、ホルモンの不活化、ビリルビンの抱合。③胆汁の生成=胆汁酸、ビリルビン、コレステロール。脂肪の消化吸収を助ける。④貯蔵=グリコーゲン、脂溶性ビタミン、ビタミンB12、鉄。⑤造血に関わる働き=胎児期の造血、そして血液の貯留。肝機能の検査=①逸脱酵素(アスパラギン酸アミノ基転移酵素、アラニンアミノ基転移酵素=肝細胞の障害)、②胆道系酵素(アルカリホスファターゼ、ガンマ・グルタミルトランスペプチダーゼ=胆汁うっ滞)、③合成能(アルブミン、プロトロンビン時間、コリンエステラーゼ)、④解毒能(アンモニア)、⑤ビリルビン(直接と間接の比により、閉塞性か肝細胞性か溶血性かを推定する)。肝性脳症=肝機能の低下、または門脈と体循環の短絡により、アンモニアなどの物質が処理されずに脳へ達して起こる。症状は、性格の変化、睡眠と覚醒のリズムの逆転、羽ばたき振戦、見当識の障害、そして昏睡へ進む。誘因=便秘、消化管出血、タンパク質の過剰摂取、感染、脱水、利尿薬、電解質の異常。治療と看護=①分岐鎖アミノ酸製剤、②合成二糖類(腸内でアンモニアの産生と吸収を抑え、排便を促す)、③難吸収性の抗菌薬、④便通の管理(合成二糖類であるラクツロースを、1日2〜3回の軟便が得られるよう用量を調整する。過剰な下痢は脱水と電解質異常を招くため避ける)、⑤タンパク質の調整、⑥誘因の除去、⑦意識と羽ばたき振戦の観察、⑧転倒と誤嚥の予防。
間違えやすい考え方
代謝経路を問う型で、誤肢に紛らわしい尿酸が置かれる。タンパク質は尿素、核酸は尿酸で切る。
5分で振り返る
①アミノ酸の脱アミノ反応で生じたアンモニアは、中枢神経に強い毒性を持つ。②肝臓の尿素回路(オルニチン回路)で、アンモニアと二酸化炭素から尿素が合成される。③尿素は毒性が低く水に溶けるため、腎臓から尿中へ排泄される。④肝機能が低下するとアンモニアが処理されず、肝性脳症を招く。⑤尿酸は核酸(プリン体)由来の最終産物で、痛風と関わる。「タンパク質は尿素、核酸は尿酸」で覚える。⑥肝臓の働き=代謝、解毒、胆汁の生成、貯蔵。⑦肝性脳症の症状=性格の変化、睡眠と覚醒のリズムの逆転、羽ばたき振戦、見当識障害、昏睡。⑧誘因=便秘、消化管出血、タンパク質の過剰摂取、感染、脱水、電解質異常。
1分チェック
- アンモニアは肝臓で何に変換されるか。→ 尿素(尿素回路)。
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