診療報酬制度について正しいのはどれか。
公式正答:4
解説
診療報酬制度について正しいものを問う。厚生労働大臣の指定を受けた医療機関で利用できる、である。
この問題で問われていること
診療報酬の仕組みを、改定の周期・支払いの流れ・支払い方式の3点で押さえているか。
しくみから理解する
健康保険の給付を扱う医療機関は、厚生労働大臣の指定を受けた保険医療機関でなければならない。指定を受けていない医療機関では、公的医療保険を用いた診療を受けられず、全額が自己負担になる。また、そこで診療にあたる医師は、厚生労働大臣の登録を受けた保険医である必要がある。この「二重指定制」により、保険診療の質と適正が保たれる仕組みになっている。
選択肢ごとの確認
診療報酬の点数は、原則として2年に1回改定される。3年に1回ではない。介護報酬が3年に1回の改定であり、6年に1回、両者の改定が重なる(同時改定)。この年は、医療と介護の連携に関わる大きな見直しが行われることが多い。
診療報酬は、都道府県が支払うものではない。医療機関は、審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金、または国民健康保険団体連合会)へ請求し、審査を経て、保険者から支払われる。患者は窓口で一部負担金(原則3割、義務教育就学前と70歳から74歳は2割、75歳以上は1割。ただし所得により2割または3割)を支払う。
支払いは出来高払いのみではない。出来高払い(行った診療行為ごとに積み上げる)に加えて、包括払い(診断群分類にもとづく1日あたりの定額。急性期入院医療で用いられる)がある。包括払いは、過剰な検査と投薬を抑える働きを持つ一方、必要な医療が控えられないよう、質の評価と組み合わせて運用される。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
誤肢は、①改定の周期、②支払いの流れ、③支払い方式、という制度の3つの柱をそれぞれ誤って述べている。「2年に1回」「審査支払機関を通じて保険者が支払う」「出来高払いと包括払いがある」の3点を押さえれば、消去法でも正答に至る。加えて、診療報酬は1点10円で計算されることも基本になる。
理解を深める
医療保険制度を整理する。種類=①被用者保険(健康保険=全国健康保険協会管掌と組合管掌、共済組合、船員保険)、②国民健康保険(都道府県および市町村が運営するものと、国民健康保険組合)、③後期高齢者医療制度(75歳以上、および65歳以上で一定の障害がある人。都道府県ごとの広域連合が運営する)。給付=①療養の給付(現物給付)、②入院時食事療養費、③高額療養費(自己負担が一定の限度額を超えた分が払い戻される。事前に限度額適用認定証を得れば、窓口での支払いを限度額までにできる)、④傷病手当金(被用者保険。療養のため労務に就けない場合、4日目から通算1年6か月を限度に、標準報酬日額のおよそ3分の2)、⑤出産育児一時金、⑥出産手当金、⑦埋葬料、⑧移送費、⑨訪問看護療養費。診療報酬=①1点10円、②原則2年に1回改定(介護報酬は3年に1回、6年に1回同時改定)、③中央社会保険医療協議会の審議を経て、厚生労働大臣が定める、④改定は、医療政策の方向づけとして機能する(在宅医療の推進、機能分化、看護配置の評価など)。看護に関わる項目=入院基本料(看護職員の配置=7対1、10対1など)、看護必要度、退院支援に関する加算、認知症ケア加算、褥瘡に関する評価、感染防止対策加算、そして特定行為に関わる評価。国民医療費=年間の医療費の総額。高齢化と医療の高度化により増加を続けている。財源は、保険料、公費、そして患者負担からなる。
間違えやすい考え方
制度の正誤を問う型で、誤肢が改定の周期・支払いの流れ・支払い方式を誤る。3つの柱を確認して切る。
5分で振り返る
①保険診療を行うには、医療機関が厚生労働大臣の指定を受け、医師も保険医として登録を受ける必要がある(二重指定制)。②診療報酬の点数は原則2年に1回改定される。介護報酬は3年に1回で、6年に1回同時改定になる。③診療報酬は1点10円。④医療機関は審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金、国民健康保険団体連合会)へ請求し、保険者から支払われる。⑤患者の窓口負担は原則3割。義務教育就学前と70〜74歳は2割、75歳以上は1割(所得により2割または3割)。⑥支払い方式には出来高払いと包括払い(診断群分類にもとづく定額)がある。⑦高額療養費は、自己負担が限度額を超えた分が払い戻される。⑧傷病手当金は4日目から通算1年6か月を限度に支給される。
1分チェック
- 保険診療ができるのは。→ 厚生労働大臣の指定を受けた保険医療機関。
この問題に対応する教材の確認中です。