医療法に基づく記述で正しいのはどれか。
公式正答:4
解説
医療法にもとづく記述として正しいものを問う。有床診療所は19人以下の患者を入院させる施設を有するものである、である。
この問題で問われていること
医療法の基本的な定義を正確に覚えているか。
しくみから理解する
医療法では、病院を「20人以上の患者を入院させるための施設を有するもの」、診療所を「患者を入院させるための施設を有しないもの、または19人以下の患者を入院させるための施設を有するもの」と定義している。したがって、有床診療所は19人以下の入院施設を有するものになる。20人が境目であり、20人以上なら病院、19人以下なら診療所になる。
選択肢ごとの確認
病床の区分は2種類ではない。医療法では、①精神病床、②感染症病床、③結核病床、④療養病床、⑤一般病床の5種類が定められている。療養病床は、主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるためのもの、一般病床はそれ以外のものになる。
地域医療支援病院は、都道府県知事の承認を受ける。厚生労働大臣の承認を受けるのは特定機能病院になる。この対比が、この設問で最も紛らわしい点になる。
無床診療所の開設には、厚生労働大臣への届出は不要になる。臨床研修等を修了した医師・歯科医師が診療所を開設する場合は、開設後10日以内に都道府県知事へ届け出る(助産師が同様に届出で開設できるのは助産所であって、診療所ではない)。それ以外の者が開設する場合は、都道府県知事の許可が必要になる。いずれにしても、窓口は都道府県知事であり、厚生労働大臣ではない。
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混同しやすいポイント
紛らわしいのは、①病院と診療所の境目(20人)、②承認する者(特定機能病院=厚生労働大臣、地域医療支援病院=都道府県知事)、③病床の区分(5種類)の3点になる。とくに②は、「特定機能=国が定める高度な機能だから厚生労働大臣」「地域医療支援=地域のことだから都道府県知事」と、意味と結びつけて覚える。
理解を深める
医療法を整理する。目的=医療を受ける者の利益の保護と、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図り、国民の健康の保持に寄与する。定める事項=①医療施設の定義と開設(病院、診療所、助産所)、②人員と構造設備の基準、③医療計画、④医療の安全の確保、⑤医療法人、⑥広告の規制。特定機能病院=高度な医療の提供、高度な医療技術の開発と評価、高度な医療に関する研修を行う。承認は厚生労働大臣。400床以上、原則として16以上の診療科、そして紹介率と逆紹介率の要件がある。地域医療支援病院=紹介患者への医療の提供、施設と設備の共同利用、救急医療の提供、地域の医療従事者への研修を行う。承認は都道府県知事。原則200床以上。臨床研究中核病院=革新的な医療技術の開発と臨床研究の推進。承認は厚生労働大臣。医療計画=都道府県が策定する。5疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患)、6事業(救急医療、災害時における医療、新興感染症等の感染拡大時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療)、および在宅医療について、体制を定める。加えて、基準病床数、そして地域医療構想(2025年に向けた病床の機能ごとの必要量)を定める。病床機能報告=高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4区分。医療の安全=①医療安全管理体制の整備(指針、委員会、研修、事故等の報告と改善)、②医療事故調査制度(当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因する、または起因すると疑われる死亡または死産であって、管理者がその死亡または死産を予期しなかったものが対象になる。医療事故調査・支援センターへ報告し、院内調査を行う)、③医療安全支援センター(都道府県等が設置。相談への対応)。
間違えやすい考え方
法の定義を問う型で、誤肢が病床の区分・承認者・届出先を誤る。20人の境目と承認者の対比で切る。
5分で振り返る
①医療法では、病院=20人以上、診療所=入院施設なし、または19人以下の入院施設を有するもの。②病床の区分は5種類=精神病床、感染症病床、結核病床、療養病床、一般病床。③特定機能病院の承認は厚生労働大臣、地域医療支援病院の承認は都道府県知事。④診療所の開設は都道府県知事が窓口(臨床研修等を修了した医師・歯科医師が開設する場合は開設後10日以内の届出、それ以外は許可)。助産師が届出で開設できるのは助産所であって診療所ではない。⑤医療計画は都道府県が策定し、5疾病6事業および在宅医療について体制を定める。⑥5疾病=がん、脳卒中、心血管疾患、糖尿病、精神疾患。⑦6事業=救急、災害、新興感染症、へき地、周産期、小児。⑧病床機能報告は高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4区分。
1分チェック
- 有床診療所とは。→ 19人以下の入院施設を有するもの(20人以上は病院)。
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