結晶性知能はどれか。
公式正答:1
解説
結晶性知能に当たるものを問う。よく利用するスーパーマーケットから自宅までの近道を考える、である。
この問題で問われていること
流動性知能と結晶性知能の違いを、具体例で判断できるか。
しくみから理解する
知能は、①流動性知能(新しい情報を素早く処理し、新しい状況に対応する力。記憶、計算の速さ、推論、そして新しい技能の習得。20歳代を頂点として、加齢とともに低下する)と、②結晶性知能(これまでの経験と学習によって蓄積された知識、語彙、判断力、洞察力。60歳代まで上昇を続け、その後も高い水準を保つ)に分けられる。「よく利用する場所からの近道を考える」ことは、その土地を繰り返し歩いて得た知識と経験にもとづく判断であり、結晶性知能になる。
選択肢ごとの確認
パソコン教室で操作方法を覚えることは、新しい技能の習得であり、流動性知能になる。
携帯電話に電話番号を登録することも、新しい情報の記憶と、機器の操作という点で流動性知能に当たる。
外国語の単語を暗記することも、新しい情報の記憶であり、流動性知能になる。
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混同しやすいポイント
見分ける基準は「新しく覚えるか、これまでの蓄積を使うか」になる。誤肢はすべて「新しく覚える」ことで、流動性知能に当たる。加齢とともに、新しいことを覚える速さは落ちるが、これまでに蓄えた知識と判断力は保たれ、むしろ深まる。この理解は、高齢者への関わりの基盤になる。新しい機器の操作を教えるときは、時間をかけ、繰り返し、書いたものを渡し、そしてその人がこれまでに培ってきた知識と結びつけると習得しやすい。
理解を深める
高齢者の心理と認知を整理する。知能=流動性知能と結晶性知能。記憶=①感覚記憶、②短期記憶(作業記憶。加齢の影響を受けやすい)、③長期記憶(エピソード記憶=出来事の記憶。加齢の影響を受けやすい。意味記憶=知識。比較的保たれる。手続き記憶=体で覚えた技能。よく保たれる)。加齢による変化=①情報を処理する速さの低下、②複数のことを同時に行う力の低下、③注意を切り替える力の低下、④新しいことの学習に時間がかかる、⑤思い出すのに時間がかかる(手がかりがあれば思い出せる)。加齢によるもの忘れと認知症の違い=①加齢=体験の一部を忘れる、忘れたことを自覚している、日常生活に支障がない、進行しない、ヒントで思い出せる。②認知症=体験そのものを忘れる、日常生活に支障が出る、進行する、という型が典型になる。ただし現れ方は原因と病期による。初期のアルツハイマー型では病識が保たれることが多く、手がかりで想起できる場面もある。血管性やレビー小体型では自覚が比較的保たれる。自覚の乏しさやヒントで思い出せないことを、認知症を見分ける決め手にしない。心理社会的な課題=①喪失(健康、配偶者と友人、仕事と役割、収入、そして自立)、②孤独と孤立、③役割の変化、④死への向き合い、⑤人生の統合(エリクソンの老年期の課題。人生を振り返り、意味づけ、受け入れる)。支援=①その人の歩んできた道を聴く(回想法。人生を振り返る対話は、自己の価値の再確認につながる)、②役割と居場所をつくる、③できることに目を向ける、④社会とのつながりを保つ、⑤新しいことに挑戦する機会(学習と技能の習得は高齢でも可能で、生活の質を高める)、⑥抑うつの見逃しに注意する(高齢者の抑うつは、意欲の低下と身体症状として現れ、認知症と間違われやすい)。
間違えやすい考え方
概念の区別を問う型で、誤肢がすべて新しく覚えることである。蓄積を使うか新しく覚えるかで切る。
5分で振り返る
①流動性知能=新しい情報を素早く処理し、新しい状況に対応する力。20歳代を頂点として加齢で低下する。②結晶性知能=経験と学習によって蓄積された知識、語彙、判断力、洞察力。60歳代まで上昇し、その後も高い水準を保つ。③見分ける基準は「新しく覚えるか、蓄積を使うか」。④よく行く場所からの近道は、繰り返し歩いて得た知識にもとづく判断で結晶性知能。⑤新しい機器の操作、電話番号の登録、外国語の暗記は流動性知能。⑥手続き記憶(体で覚えた技能)と意味記憶(知識)は比較的保たれる。エピソード記憶と作業記憶は加齢の影響を受けやすい。⑦加齢によるもの忘れは、体験の一部を忘れ、自覚があり、ヒントで思い出せる。認知症では体験そのものを忘れる型が典型だが、自覚の有無は原因と病期による(初期のアルツハイマー型では病識が保たれることが多い)。
1分チェック
- 結晶性知能とは。→ 経験と学習の蓄積による知識と判断力(加齢で保たれる)。
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