退職した高齢者に就労機会を提供するのはどれか。
公式正答:1
解説
退職した高齢者に就労機会を提供するものを問う。シルバー人材センターである。
この問題で問われていること
高齢者に関わる地域の組織を、目的で区別できるか。
しくみから理解する
シルバー人材センターは、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律にもとづき、市町村の区域ごとに置かれる。おおむね60歳以上の、健康で働く意欲のある高齢者が会員となり、地域の企業、家庭、そして公共団体から請け負った、臨時的かつ短期的な仕事、または軽易な仕事を担う。植木の手入れ、清掃、駐輪場の管理、家事の援助、学童の見守りなどがある。収入を得ることに加え、社会とのつながりと生きがいを得る場としての意義を持つ。都道府県知事の指定を受けた公益法人が運営する。
選択肢ごとの確認
老人福祉センターは、老人福祉法にもとづく施設で、高齢者に対して、相談、健康の増進、教養の向上、そしてレクリエーションの場を無料または低額で提供する。就労機会の提供を目的とはしない。
老人クラブは、高齢者が自主的に組織する地域の集まりになる。趣味、健康を保つ活動、そして地域への奉仕活動を行う。就労を仲介する組織ではない。
自治会は、一定の地域の住民が組織する任意の団体で、地域の環境の維持、防災、そして親睦を目的とする。高齢者に限った組織でも、就労機会を提供する組織でもない。
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混同しやすいポイント
4つを、①誰が対象か、②何を提供するか、で区別する。就労=シルバー人材センター、憩いと教養=老人福祉センター、自主的な仲間の活動=老人クラブ、地域の住民の組織=自治会になる。「就労機会」という言葉に対応するのは、名称に「人材」を含むシルバー人材センターだけになる。
理解を深める
高齢者の就労と社会参加を整理する。制度=①高年齢者等の雇用の安定等に関する法律。65歳までの雇用確保の措置(定年の引上げ、継続雇用制度の導入、定年の定めの廃止のいずれか)が事業主の義務とされ、加えて70歳までの就業機会の確保が努力義務とされている。②シルバー人材センター。③公共職業安定所(生涯現役支援窓口)。④高年齢雇用継続給付(雇用保険)。⑤在職老齢年金(働きながら年金を受給する場合の調整)。社会参加の意義=①経済的な支え、②役割と生きがい、③社会とのつながり(孤立の予防)、④心身の機能の維持(活動が減ることが機能の低下を招く)、⑤認知機能の維持、⑥地域の担い手としての貢献。就労以外の参加の場=老人クラブ、地域活動支援、ボランティア、学習の場(公民館、大学の公開講座、高齢者大学)、サロンと通いの場、介護予防の教室、そして地域包括支援センターが関わる住民主体の活動。フレイル=加齢に伴い心身の活力が低下し、要介護に至る前段階の状態。身体的、精神心理的、社会的な側面がある。社会的なフレイル(人との交流の減少、閉じこもり、独居、経済的困窮)は、身体的なフレイルに先行することが知られており、社会参加を保つことが予防につながる。評価=体重減少、疲労感、活動量の低下、歩行速度の低下、握力の低下の5項目のうち3項目以上で該当とする。対応=栄養(十分なタンパク質)、運動(筋力と歩行)、社会参加、口腔機能の維持、そして併存疾患と薬剤の管理。看護の視点=高齢者を支援の受け手としてだけ見ず、これまで培ってきた力を発揮できる場を保つことが、健康の維持そのものにつながる。
間違えやすい考え方
組織の目的を問う型で、誤肢が憩い・自主活動・地域組織である。就労という言葉に対応するもので切る。
5分で振り返る
①シルバー人材センターは、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律にもとづき市町村の区域ごとに置かれる。②おおむね60歳以上の会員が、臨時的かつ短期的、または軽易な仕事を担う。都道府県知事の指定を受けた公益法人が運営する。③老人福祉センターは、相談、健康の増進、教養の向上、レクリエーションの場を提供する(老人福祉法)。④老人クラブは高齢者が自主的に組織する地域の集まり。⑤自治会は地域の住民が組織する任意の団体。⑥65歳までの雇用確保の措置は事業主の義務、70歳までの就業機会の確保は努力義務。⑦社会的なフレイル(交流の減少、閉じこもり、独居)は身体的なフレイルに先行する。社会参加が予防になる。
1分チェック
- 退職した高齢者に就労機会を提供するのは。→ シルバー人材センター。
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